《いじめに悩む君へ》ライセンス藤原「学校なんて“小さな世界”。逃げていいんです」

ライセンスの藤原一裕

■「先生は気づいてなかったと思います。休み時間のことだし、そういう不良が多い学校だったから」

 こう話すのはお笑いコンビ『ライセンス』の藤原一裕(42)。181cmの身長で、高校時代に部活でやっていた空手では全国ベスト16位という成績を残している彼。いじめられていたということが信じられないのだが……。

■理由がわからないままいじめの標的に

■「空手を始めたのは中学3年生からなんです。中学1年生のころは身長は150cmあるかないかで、クラスの中でも背の低い順に並ぶと前から数えたほうが早くて。いじめにあったのは、そんなときでした」

 特に目立つ存在でもなかった藤原だが、一体、何が原因でいじめにあったのだろう。

■「それがわからないんです。何が相手にとって気に入らなかったのか、休み時間になると同じ学年の、いわゆる“ヤンキー”がわざわざ僕のクラスに来るんです。そいつらが僕ともうひとり標的にされていたAくんのどちらかを捕まえて、背中を蹴ったり殴ったりしてくるわけです」

 そんな藤原とAくんは、こんなことが続くとキツイので、次にどちらかがやられたら助けよう、と約束をしたのだが──。

■「その次というのが僕が標的になったんです。それでやられているとき、とっさにAくんを見たら、僕を見て笑っているんです……。すごくショックでね、裏切られたって。でも今考えると、おそらく彼は怖かったんでしょうね」

 そんないじめがどれくらい続いたのか、「イヤすぎて覚えていない」という藤原だが、希望の光は見えていた。

■「親が転勤族で、中学3年になる前の春休みには、新潟から奈良に引っ越すことが決まっていたんです。“ゴール”がわかっていたから僕は耐えられたんです」

■いちばんの味方の両親にまずは相談して

 そんな“ゴール”を迎え、藤原は奈良で新しい生活を始め、いじめから解放された。彼の親は、自分の子どもがいじめられていたことを知っていたのだろうか?

■「そのときは知らなかったです。僕が話してませんでしたから。うちはすごく家族が仲よくて、土日に親と出かけるのが嫌とか、そういうのがまったくなかったんです。そんな好きな両親に、自分がいじめられているなんて話せなくて……。ただ、僕は引っ越すというゴールが見えていたから我慢しましたけど、そういうことがない子はいちばんに親に話すべきだと思います」

 いじめを苦にして、自ら命を絶つ10代が増えている現在、藤原は自身の経験をもとにこんなアドバイスを送る。

■「学生時代って、大学を入れなければ12年なんです。人生で12年なんて一瞬のこと。そんな一瞬のことで人生を終わらせてほしくないし、学校を卒業すれば新しい世界がいくらでも待っています。

■ 学生時代は学校がすべての世界に見えるけど、でも、そんな小さい世界で悩んでほしくない。そこから逃げたっていいんです」

 学校に行かないで、いじめから逃げることもいい、と言いつつ、条件を付け加える。

■「逃げたあと、どうするかです。学校に行かなくてもいい。でも、勉強はしなくちゃいけない。中学3年間いじめられて学校に行かなくても、高校というところには行かなくてはいけない。

■ そこが、環境の変わるチャンスなんです。逃げた先で何かしらの努力と、新しい世界に行く準備をしなくてはいけないんです」

ライセンス藤原が自らの経験をもとにクラウドファンディングで自費出版した絵本『ゲロはいちゃったよ』。https://isangame.thebase.in/items/24137086 で購入可能

・悩んでいる君に贈る言葉・
■「逃げてもいい。その先で何かしらの努力と、新しい世界に行く準備を忘れずに」

ふじわら・かずひろ/1977年9月20日生まれ。奈良県出身。お笑いコンビ『ライセンス』のボケ担当

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