手越祐也、独立会見での発言は実現されるのか「アメリカも攻めていきたいなと」

独立会見時の手越祐也('20年6月)

 はじめに言葉ありき。聖書の一節だが、■芸能界のスキャンダルにも名言や迷言がつきものだ。そこから騒動の真相、その芸能人の本性を掘り下げるのがこの連載。まずは、手越祐也の独立会見を取り上げてみる。

 今年6月、ジャニーズ事務所を退所して、その経緯や将来の夢を語った手越。

「■世界進出というか、世界ナンバーワンのアメリカも攻めていきたいなと」

 これもまた、夢のひとつだ。ただし、今後の彼の活動がそんなにうまくいくと感じた人は少ないだろう。

■手越の会見で見えた“諸星路線”

 往々にして、会見からはその人の未来が見える。ジャニーズの歴史でいえば1989年の大晦日に近藤真彦が中森明菜とともに行った会見もそうだ。会場には金屏風が用意され、明菜は婚約発表まで期待していたが、マッチはそこをスルー。あの会見はふたりの破局と、その後の明暗を予告するものでもあった。

 では、手越の会見から見えるものとは何か。それは■、諸星和己のようになっていく未来だ。光GENJIのエースとして絶大な人気を誇った諸星は、'95年に独立。手越はこの先輩とよく似ている。グループ時代のイメージカラーも同じピンクだし、明るくポジティブ、ちょっとおちゃらけたキャラも近い。また、手越の独立はフライングぎみな印象だが、諸星もグループの解散コンサートで自分の新たなファンクラブの宣伝をするなど、思い切り先走っていた。

 そして、海外志向である。諸星もアメリカに憧れ、実際、ニューヨークで活動もした。が、成功とは言いがたいし、日本でもあまり活躍はできていない。

 そんな諸星も、独立から数年はメディアにけっこう露出していた。“芸能人は歯が命”のキャッチコピーで知られるアパガードのCMや、ドラマ『ナースのお仕事』(フジテレビ系)に出演。これは業界最大手であるバーニングプロが庇護してくれたおかげだ。

 実はジャニーズ独立後、バーニングに頼るのは郷ひろみや本木雅弘もたどった道。ただ、■諸星とこの2人が違ったのは、独立後に古巣に示した態度である。

 例えば、『ウラまるカフェ』(TBS系)に諸星が出演した際「暴露本、出そうかな。タイトルは『V6へ』で」と発言。このタイトルはかつて北公次が書いてジャニーズを激震に陥れた『光GENJIへ』をもじったものだ。冗談にせよ、こういう態度を古巣がよく思うはずがない。それゆえ、バーニングも手を引いたのだろう。

 そして、そんな姿は手越にもダブる。こちらも会見では、

「■自分がやりたいアイデアが、ジャニーズにいたらスピード感が遅いし、なかなかかなわないよなと」

 と、古巣を時代遅れのように言ったり、ユーチューブではファンから寄せられた9人体制NEWS再結成の話題にノリノリで反応したり。ジャニーズにとっては、迷惑このうえない存在だろう。「最強メンタル」などと持ち上げる向きもあるが、■メンタルだけでやっていけるほど、芸能界は甘くない。

 それでも諸星は、2千〜3千人いるというコアなファンにとっては現役アイドルだ。CDも作って、ファンクラブで販売している。手越もしばらくは奔放なキャラが面白がられたあと、彼が“子猫ちゃん”と呼ぶコアなファンとともに地道に生きていくことになるのだろう。もちろん、アメリカを攻めるどころではない。

PROFILE●宝泉 薫(ほうせん・かおる)●作家・芸能評論家。テレビ、映画、ダイエットなどをテーマに執筆。近著に『平成の死』(ベストセラーズ)、『平成「一発屋」見聞録』(言視舎)、『あのアイドルがなぜヌードに』(文藝春秋)などがある。

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