加藤茶・綾菜は45歳、城島茂は24歳差! いま、芸能人に“年の差婚”が多いワケ

加藤茶・綾菜夫妻

 新型コロナウイルスに翻弄(ほんろう)されているイレギュラーな2020年。何かと暗いニュースも多くて気が滅入りそうだけど、芸能人の結婚、出産といったおめでたい話題は、一服の清涼剤として素直に祝福したい。

■ 今年もいろいろな芸能人が結婚しているけど、気になるのは年の差婚が珍しくなくなってきていること。

 9月には元女子サッカー日本代表でタレントの丸山桂里奈(37)が、サッカー解説者・指導者の本並健治(56)と結婚。最近でも、ナインティナインの岡村隆史(50)が、30代の一般女性との結婚を発表──。超がつくほどの年の差婚が多いのだ。

■年の差婚にはパターンがある

■ かつて、小柳ルミ子が13歳年下の大澄賢也と結婚した際には、「年下夫を捕まえて何をやっているんだ、けしからん!」といった風潮があったけれど、最近は13歳差程度では何の驚きも感じなくなってきているから、時代の流れを感じずにはいられない。

 実際、年の差婚カップルを表(関連写真リンクを参照)にまとめてみると、10歳程度は当たり前。驚くことに、15歳以上の年の差婚は、芸人、俳優、ミュージシャン、アナウンサー、アイドルと多岐にわたるように、今や芸能人の超・年の差婚は“ニューノーマル”と言えそうだ。

■「若い奥さんと結婚するという“トロフィーワイフ”的な年の差婚もあるだろうが、いくつかのパターンに分かれる傾向がある」

 と、語るのは芸能ジャーナリストの渡邉裕二さん。例えば、20歳以上年が離れているケースは、終活を意識した結婚的要素が高いと指摘する。

■「加藤茶、ラサール石井、仲本工事、三田村邦彦、市村正親などはすべて再婚。年が離れていれば、自分が老いたとしてもパートナーはまだまだ若い。介護の可能性を考えれば、年齢が近い老夫婦よりも選択肢が広がる」(渡邉さん)

 たしかに、加藤茶の妻・綾菜は、介護職として働くうえで基本となる知識・技術を習得する「ヘルパー1級」に合格するなど、45歳差だからこその夫婦のカタチを発揮している。

「今年2月に18歳年下の女性と再婚したビートたけしは、著書の中で『朝起きりゃ、寝たまんまパンツをはかせてくれて“はい、いってらっしゃい”みたいな感じ』と綴(つづ)っているほど。■妻というよりも面倒を見てくれる人という関係性。だからなのか、年齢差が激しい年の差婚には、生活感が漂ってこない……現実感がない(苦笑)」(渡邉さん)

 男性が終活を意識しているとしたら、安定を得るかわりに女性は就職ならぬ“終職”と割り切って籍を入れているのかも。

■「年を重ねると男性は自信がなくなって不安になってくる。対して、女性は自立できる強さがある」と渡邉さんが話すように、男性は加齢により男性ホルモン量が減少し、女性ホルモン量が増加していく。女性はその逆だ。

「野村克也さんや内田裕也さんは、最愛の奥さんの後を追うように亡くなってしまった。奥さんが先に亡くなる──、年の差があればその不安を和らげることができる。TOKIOの城島茂も、いろいろ考えた結果、“この人なら”と思って決断したのではないか」(渡邉さん)

妻とよく出かけるラサール石井。結婚のきっかけは妻からの告白

■近代の文豪には年の差婚が多かった

 先述した小柳ルミ子のときもそうだったが、年の差婚は世間の妄想をかき立てる。加藤茶・綾菜夫妻が、大きなバッシングにさらされたのは記憶に新しいだろう。

■「年の差婚を偏愛と受け取る人は、ドラマ性を見いだしてしまうのではないか」とは、日本近現代文学を専門とする日本大学芸術学部教授・ソコロワ山下聖美さんの言葉。

「文学は障害を描くものが多いですから、世間の耳目を集めやすい側面がある。最後がハッピーエンドになるかどうかは別として、不倫や年の差婚が話題を呼ぶのは、今も昔も変わらない」

 実際、近代文学の文豪たちの中にも年の差婚は少なくなかったそうで、夏目漱石、森鴎外、川端康成らは10歳ほど年下の女性と結婚しているとか。

■「当時は、妻が夫と対等ではなく、『女三界に家なし』という時代。私見ですが、儒教が浸透しているような、作家を含むインテリ層に年の差婚が多かった。血筋や家柄がものを言いますから、若い年下のおしとやかな女性を紹介してもらうケースも珍しくない。鴎外は、写真だけで結婚してしまったほど」(山下さん)

 森鴎外は写真婚&年の差婚だった! というのはさておき、時代観こそまったく異なるものの、言われてみれば年の差婚カップルを見ていると、上川隆也、大森南朋、堤真一、西島秀俊、豊川悦司など価値観が揺るがなそうな役者が多いのは気のせいか。15歳前後の年の差婚をする俳優が多い──ということも、ひとつの特徴として見えてくる。

■「彼らのお相手は、元女優やスタイリストといった業界に近しい人。芸能人、役者という職業に理解がある女性ともなれば、当然、近い業界の人になる。ついでに『芸能人なんだから、スキャンダルなどの“何かがある”可能性もある』ということをふまえられる女性」(渡邉さん)

 また、いつの時代も■「経済力があるほうが年の差婚の年上になる傾向がある」とは、前出の山下さん。そのうえで、前時代的な男性優位から“年の差婚の年上女性”が増えている点に言及する。

■「それだけ女性がお金を稼ぐことができる時代になった、ということも言えるのではないか。また、藤あや子、三原じゅん子議員、広田レオナ、千秋、菊地凛子など、個性的かつ自己を確立している人が目立ちます。経済力もあって、自分の世界を持っている。そういった強い女性に若い男性が惹かれるのも、今の時代らしい」(山下さん)

「かつて“年の差婚の年上女性”と言えば、イチロー、松坂大輔などをはじめスポーツ選手が目立っていた。スポーツ以外のマネージメントを委ねるとしたら、年上の才媛が最適だったのでしょう。しかし、そうではない“年の差婚の年上女性”が昨今は確かに増えている」(渡邉さん)

■超・年の差婚も普通の時代に

 平成28年度の厚生労働省「婚姻に関する統計」によれば、妻が年上の場合、平成7年では20%を超える都道府県が7県あったが、平成27年ではすべての都道府県で20%を超え、その割合が上昇しているほど。一方、夫が年上の場合、平成7年は全国で64・4%だったが、平成27年は55・0%と9・4ポイントも低下。この20年間で年上女房が増加していることがわかる。むやみにバッシングされた、ルミ子と賢也は「お気の毒」というしかない。

 写真ページの一覧表を見てもわかるように、年の差婚は圧倒的にうまくいっているケースが多い。

■「有名芸能人同士というパターンも多いですが、芸能界はデビューのタイミングが違うから、完全な年功序列でもない。年の差があっても、芸歴は年下の配偶者のほうが上、なんてパターンもザラですから、年齢が考慮されやすい一般人的な価値観と違うのでしょう」(渡邉さん)

 だが、中には悲惨な例もある。

「磯野貴理子は、前夫から『子どもが欲しいから』と言われたとも、夫の金遣いの荒さに堪忍袋の緒が切れたとも言われています。木下優樹菜にいたっては、芸能界を引退するまでの事態に発展している。のっぴきならない事情があれば、離婚もやむなしということ。芸能人の結婚はイメージに直結する。それを脅かす状況になれば、年の差も関係なくなる」(渡邉さん)

 また、高橋ジョージと三船美佳、堺正章と岡田美里のように、年上夫の締めつけに、自活力のある妻が反発して仲が悪くなるパターンもある。

■「離婚が、昔のように社会的な重荷になっていないといった時代の変化もあるでしょう。また、仮に別れることになっても、自分は相手よりもはるかに若く、やり直しもできる。そのため、興味本位で結婚する人がいても不思議ではない。これは芸能人に限った話ではなく、経済的に安定している年上と、対価としてサポートをする年下が結婚する、そういった年の差婚が増えてくるのではないか」(山下さん)

 人生100年時代。だからこそ、超・年の差婚は、新しい時代の結婚のロールモデルになってもおかしくない。

■年の差婚の当事者に直撃!

■パターン1.「いろいろなものが違うのでケンカにならない。人生が倍になる」

 人気のバウムクーヘン「マダムブリュレ」で知られる「マダムシンコ」の会長・川村信子さんと、夫の社長・川村幸治さんは、信子さんが20歳年上のおしどり夫婦としても有名。年の差婚のメリットを聞くと──。

「年の差が近いと価値観や生活観が似通ってしまうけど、離れているといい意味でギャップがあります。■お互いが知らないことを補完しあえるので、自然と頭が柔らかくなる。そして、相手が自分よりはるかに年下だからといって、人前で年上感を出してはダメ! 立てるべきところは立てる。■年の差があることで、かえって尊重する気持ちが強まるんやないかな」(信子さん)

「■年齢が離れていることによって、いろいろなものが違いすぎるのでケンカにならない(笑)。仕事も一緒にしているため、常に頭を働かせるし、新鮮な気持ちでいられることも大きい」(幸治さん)

「会社のピンチなど、私たちは何度か苦難に立たされたけど、ずっと仲よくやってこれた。お互いに信頼があるからこそ絆ができたんやと思います。■幸治くんに『私は80歳になったら老人ホームに入るけど、あんたはまだ60。いい人見つけて一緒になっていいで』と伝えたら、『僕も一緒に行く』って(笑)。最後まで2人で楽しんでいくつもり。年の差があると、人生が倍になった気がします」(信子さん)

川村信子 ◎1951年、島根県生まれ。株式会社カウカウフードシステム代表取締役会長。銀座のクラブのママを経て、焼き肉店をはじめ飲食業を中心に事業を展開、現在に至る。通販スイーツ界の女王、マダムブリュレは“1度食べたら忘れられない味”としてあまりにも有名。

川村幸治 ◎1970年、大阪府生まれ。19歳より東京にてモデル、俳優業などを経て、川村信子と出会い、その後信子会長の下で事業をバックアップする。

■?パターン2. 年の差婚の悲喜こもごも。「別れなかったのは意地かも」

 芸能人ではない一般人の場合、年の差婚に悩まされる人も少なくない。Aさんは、25歳のときに25歳年上の会社経営者だった男性と結婚。男性は死去した前妻との間に2人の息子がいたが、新たにAさんとも1女をもうけた。

「80歳すぎて認知症を発症し、10年後に亡くなりました。その間は身の回りの世話と、介護と看取りの人生でした。前妻の子どもたちは何もしませんでしたね。■私は父親がいなかったので、父親みたいな夫に惹かれました。お金というより、安心できる人だと思ったから。でも、全然安心できなかった! モテる人だったから浮気もされた。親にも反対されたし、いろいろなところから意地悪をされたけど、別れなかったのは意地かも」(Aさん)

 15歳年上の夫を持つBさんは、「もともと自分より年上が好きだった」と語る。

「夫は再婚。前妻との間には子どもはいませんでした。前の奥さんの浮気と借金で別れたようで、彼は顔は怖いけど優しい人だったので惹かれました。同じ職場で出会ったので、お金持ちだから結婚したわけではありません。■お母さんをとても大切にしていて、子どもができたときに、そのお母さんの名前の漢字を入れたいと言われたときは、ちょっと引きましたね(苦笑)。悩みといえば、娘の友達から、夫が“おじいちゃん”と言われることかな。でも、幸せだと思います」(Bさん)

(取材・文/我妻アヅ子)

《PROFILE》
ソコロワ山下聖美さん ◎日本大学芸術学部教授。専門は日本近現代文学。宮沢賢治や林芙美子など。大学では現代ジャーナリズム論も担当。東京とサンクトペテルブルクを両拠点とする。

渡邉裕二さん ◎芸能ジャーナリスト。松山千春『旅立ち〜足寄より』CD、映画、舞台などを企画、プロデュース。主な著書に『酒井法子 孤独なうさぎ』など。

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