炎上どころか山火事も!岡村隆史は“燃えやすい話題”で致命傷、今年のネガティブ流行語

(写真左から)きゃりーぱみゅぱみゅ、岡村隆史、渡部建

 ポロッと口から出た言葉が思わぬところで批判され、隠しごとがバレて集中砲火を浴びる。もはや事件の大きさをはかる物差しになった“炎上”。今年を象徴する大火事ネタの中から、栄えある大賞を選びます!

■暇なときほど燃えやすい 炎上バリエが増えた年

 2020年も残りわずか。1月の東出昌大の不倫騒動に始まり、師走にかけては小林麻耶の暴走が止まらない─。今年も芸能人の不倫、政治家の失言、企業のやらかし・不祥事と、ぺんぺん草も生えない炎上だらけの1年だった。

■ 特徴的だったのは、新型コロナウイルスに関連する炎上事例が多かったこと。マスクをする、しないでもめたニュースは枚挙にいとまがないし、コロナ関連の失言もあちこちで散見していたことは記憶に新しいはず。

 コラムニストの吉田潮さんは、■「コロナを過度に気にしすぎるがゆえに招いた炎上もある。行きすぎたやさしさや配慮がはびこった結果の炎上もあって、炎上と同情がないまぜになった騒動もあった」と、今年の炎上傾向を分析。

 また炎上騒動に詳しいネットニュース編集者の中川淳一郎さんは、■「暇は最大の敵だとわかった1年。スポーツやイベントが開催されない4〜6月は、各ネットメディアのPV数が非常に好調だった」と説明する。

 その結果、テレビやラジオの発言を切り取るだけで直接の取材をしない“こたつ記事”が氾濫し、質の悪いニュースも飛び出した。

「5月には、GWに出かける内容の『サザエさん』の放送回を、“不謹慎だと話題になり、サザエさんが炎上”といった趣旨で記事化したスポーツ紙もあった。実際には炎上していないにもかかわらずです。■意図的に火をつけてPVを稼ぐ、メディアのチャッカマン化が目立った1年でもあった」(中川さん)

 その後、でっち上げの記事は削除されるにいたったが、“なんちゃって炎上”すらあったとは驚きだ。

 コロナによって、炎上の質すら変化が起きた今年。現場検証もしつつ、大賞を差し上げてまいりましょう!

■年間大賞:岡村隆史

■「美人さんがお嬢やります」発言

岡村隆史

 お笑いコンビ・ナインティナインの岡村が、自身のラジオ番組で「短期間ですけれども、美人さんがお嬢(風俗嬢)やります」と発言し大炎上。

 識者ふたりが、「今年を象徴する炎上」と一致した騒動が本件。コロナ禍で働く場所が制限されるなか、お金に困った女性、中でも通常だったら働かないような美人が風俗に流れてくる─というトンデモ発言は、相方・矢部浩之の公開説教に始まり、自身の電撃結婚の要因になるなど予想外の展開を見せた。

「先述した“ラジオの発言を切り取られニュース化された点”に加え、“ニュース化されたことで普段は聴いていないリスナー以外の耳に入り延焼範囲が拡大した点”も特筆すべきこと。

■ 本来であれば知らない、出会わない話題やニュースを目にしてしまうのが、ネットやSNSの特徴。免疫がない人が触れると、当然アレルギー反応が出る。

■ よりによって、“燃えやすい性的問題、貧困問題に関連する発言だった点”も致命傷だった。ネット炎上のあらゆる要素が複合的に詰まっている。さらには、コロナで暇がゆえに、その他メディアが追従し、山火事のようになった」(中川さん)

「民放のバラエティー番組だけでなく、『チコちゃんに叱られる!』や『麒麟がくる』など、岡村さんはNHKともかかわりが深かった。

 ■過去に、国民年金のPR役をつとめながら、本人は未加入だった江角マキコさんが大バッシングを浴びましたが、パブリックな案件に携わっている人の不祥事や失言に世間は厳しい。悪い意味で琴線に触れやすく、クレーマー気質の人にとっては格好の餌食になる」(吉田さん)

 ひと昔前なら冗談ですんでいたかもしれない発言が、今では命取りになるほどの失言に。結婚して、女性への偏見がなくなればいいのだけれど。

■不倫大賞:渡部建

渡部建

■テイクアウト不倫

 お笑いコンビ・アンジャッシュの渡部が複数の女性と不倫。逢瀬は多目的トイレで、帰り際に1万円払う無神経さに世間はア然。

■“最低のロイヤルストレートフラッシュ”ともいえる不倫騒動。

 年末にテレビ復帰のうわさもあるが、吉田さんは■「ケチくささと器の小ささが露呈。もう少し素敵な不倫だったら、ここまで失墜することはなかった。世の女性は忘れないと思うので、復帰への道のりは険しいのではないか」とピシャリ。

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 また、東出昌大&唐田えりかの不倫も次点入賞だ。

「彼が主演を務めた『ケイジとケンジ』は、好評であればシリーズ化も見込める期待作だった。ところが、不倫騒動が持ち上がり、その後に収録したであろう第5話くらいになると東出の目が死んでいた(苦笑)。杏さんはもちろん、W主演を務めた桐谷健太も被害者のひとり」(吉田さん)

■政治に物申した大賞:きゃりーぱみゅぱみゅ

■政治発言で物議

きゃりーぱみゅぱみゅ

 ツイッター上で「#検察庁法改正案に抗議します」と政治に異議を唱えたものの、ファンの間では議論が起きる事態に。

 賛否両論の末にツイートを削除するも、「だったら最初からつぶやくな」と、さらに批判を浴び、改めて芸能人の政治的発言がセンシティブであることを認識させた格好に。

 彼女以外にも、浅野忠信、小泉今日子、水原希子ら芸能人が相次いで政治的発言をした背景には何が?

「今やテレビに出演しなくても、芸能人がユーチューブやSNSなどで稼げる時代。■スポンサーや事務所の顔色をうかがわずにふるまえるようになったことで、それだけ発言も自由になる。

 大手事務所から独立する芸能人が増えているのも同様で、来年以降、さらにこういった言動は増えてくるのではないか。■今年は、“(日本の)芸能人の政治的発言元年”ともいえる記念すべき年」(中川さん)

■コロナNG大賞:安倍晋三元首相

■『うちで踊ろう』コラボ失敗!

安倍晋三元首相 Twitterより

 星野源が公開した『うちで踊ろう』動画に便乗するも、「センス0点」、「大変な時期に悠々自適か!」など国民から罵倒が飛び交った。

 安倍元首相がステイホームで優雅にくつろぐ様子を発信した『うちで踊ろう』コラボ動画は、未曽有の大失敗だった■。

■「基本は上から目線──という政治家の態度を、ここまでわかりやすく表現できるとは! 国民として情けなくなる動画だった」と、あきれ返るのは吉田さん。

 中川さんも「若者ウケの発言をするために、落ち着いた感のある今、『最近はBABYMETALが流行っているんでしょ!?』と自信満々に発言するくらい的外れな感じですよね」と失笑する。

「安倍さんを含めた年配者の中には、いまだに“インターネットが若者のツール”という感覚がある。実際にはそんなことはないわけですが、■“俺はアンテナが高いアピール”をする年配者は、だいたい失敗する。

■ 政治家の失言って、正論を言っているつもりでも配慮の視点が欠けているから非難される。安倍さんの動画もコロナ禍でモヤモヤしている国民に対して、あまりにも配慮がなかったですよね」(中川さん)

■炎上クイーン大賞:安倍昭恵夫人

■自粛せずに有名人と花見

安倍昭恵夫人

 自粛期間中の3月下旬に花見を楽しみ、手越祐也ら芸能人と撮影した記念写真報道に世間は猛バッシング。

 当時は、森友学園問題に関与したとされる自殺した元財務省職員の手記が雑誌に掲載された時期でもあった……。

■「昭恵夫人の記事を、私が編集しているニュースサイトで発信したところ、ヤフーだけで2200万PVという数字をたたき出しました。

 その後に出した“昭恵さん、アベノマスクではないマスクを着用”という記事も読まれ、ネットニュース界隈は“昭恵バブル”だった。今年を代表する炎上&PVクイーンでしょう」(中川さん)

 一方で、新たな炎上姫も生まれつつある。

■「小林麻耶さんの存在も無視できない。泰葉や松居一代のようになってしまうのか……事態が大きくならないことを願っています」(吉田さん)

■迷惑ユーチューバー大賞:へずまりゅう

■「俺コロナ」発言と迷惑行為

へずまりゅうの迷惑行為 Youtubeより

「へずまりゅう」を名乗るユーチューバーが、コロナ感染を自覚しながら各地に滞在。感染被害も報告された。

 コロナに関する言動以前から、購入商品が偽物であると罵声を浴びせ返品を迫る、会計前の刺身を食べるなど迷惑行為を繰り返していた“へずまりゅう”。彼以外にも、亡くなった芸能人の知人を騙る不謹慎系ユーチューバーなど、“考えの浅はかな人がネットを利用してお金を稼ぐ”事例が急増。

■「テレビにおけるBPO、広告におけるJAROのように、ネットにも監視する機関が必要。本来は、Googleが検索に引っかからないように規制して、アカウントを凍結させればいいのですが、そうすると利益に影響が生じる。

 構造としては、Uber Eatsが、個々の配達員が事故を起こしても責任を負わないのと一緒。責任を負うと、利益に影響が出ますから。■ネットを利用したビジネスに、日本の法律やルールが追いついていない。早急に手を打たないと、今後もこの手の炎上案件は増えるでしょう」(中川さん)

■SNS発信残念大賞:アツギ

■キャンペーンに性的イラスト投稿

アツギ 公式ホームページより

 ストッキング・タイツメーカーの『アツギ』が投稿したタイツ姿の女性イラストに、性的消費と批判が集中した。

 タイツの日である11月2日、アツギは公式ツイッターに、人気イラストレーターが描いた同社の商品を着用する女子高生やOLを掲載。太ももの強調やスカートの中が見えそうな描写が波紋を広げ、投稿削除と謝罪に追い込まれた。

■「SNSが普及した今は、個々の拒否反応も顕在化しやすい。そのため、性に関連するジェンダー界隈は、センシティブなこともあって燃えやすくなっています」(吉田さん)

 ツイッターは女性が担当していたが、イラスト投稿後に「動悸がおさまらない」などと火に油を注ぐつぶやきも発信していた。

■「公式という組織のアカウントなのに、中の人である個人の発言が前面に出ると失敗し炎上する。炎上商法ではないのか? とも言われますが、それはない。広告代理店は過去の炎上案件をリスト化して共有しているくらいシビアです」(中川さん)

■ノミネート以外の主な炎上

■1月
NTTドコモ代理店…営業メモに“クソ野郎”騒動

■3月
小池百合子都知事…「志村さん最後の功績」発言
■マンガ『100日後に死ぬワニ』…電通案件疑惑

■4月
小島瑠璃子…「筋トレの意味がわからない」発言

■7月
セガ取締役…「チーズ牛丼食ってそう」発言

■9月
杉田水脈議員…「女性はいくらでも嘘をつける」発言
■競泳・瀬戸大也…白昼不倫

■10月
タカラトミー…「♯リカちゃんの個人情報を勝手に暴露します」投稿

■11月
小林麻耶…テレビ番組降板理由を動画配信

吉田潮さん……コラムニスト。医療、健康、テレビ、社会全般など幅広く執筆し、『週刊フジテレビ批評』のコメンテーターも務める。

中川淳一郎さん……博報堂を退社後、雑誌『TV Bros.』の編集者を経て、2006年からネットニュース編集者に。ウェブに関する著書多数。

《取材・文/我妻アヅ子》

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