本仮屋ユイカ、役柄と向き合う“役者ノート”の存在明かす「違うポイントに…」【連載PERSON】

本仮屋ユイカ、役柄と向き合う“役者ノート”の存在明かす「違うポイントに…」【連載PERSON】

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出演作品の話題からその人のパーソナルな部分にも迫るインタビュー連載「PERSON」。今回は、月曜ドラマ『片恋グルメ日記2』(TOKYO MX、毎週月曜22:00〜)で主演を務める本仮屋ユイカさんが登場します。

10歳で子役デビューをした本仮屋さん。『3年B組金八先生』(2001年)の生徒役や、連続テレビ小説『ファイト』(2005年)でヒロイン役を務めるなど、10代のころから名作に出演し、多くの人に感動を与えてきました。その後もキャリアを積み、ドラマや映画には欠かせない存在に。今年に入ってからも『愛しい嘘〜優しい闇〜』や『パンドラの果実〜科学犯罪捜査ファイル〜』と、立て続けにドラマ出演しており、輝きを増し続けています。

そんな彼女が、主演を務めている『片恋グルメ日記2』は、アキヤマ香さんの同名漫画をドラマ化。恋に奥手な少女漫画編集部員・所まどか(本仮屋)は、同僚の八角直哉(平岡祐太)の“食べる笑顔”を見て、恋に落ちます。担当漫画家から、好きな人が食べたものを調べて同じものを食す“食事ストーキング”をおすすめされ、妄想を膨らませていく……。シーズン1では、彼と心と心が通じ合って終了しましたが、本作では、八角が大阪へと転勤してしまう展開に!

SNSをのぞくと、まどかの食べる姿に魅了されたり、八角との恋の行方が気になったりと、ドラマのトリコになっている人が多数いました。一体、その理由は何なのか。本仮屋さんにお話を聞くと、それを裏付けるキャスト・スタッフの“熱意”が見えてきました。

平岡祐太の妄想シーンへの熱量は変わらず!?

――シーズンを通して、本仮屋さんが美味しそうに食事をするシーンが印象的です。

日々のイメージトレーニング、芝居以外の“タレント”として、食事レポートをしていたことが生きているんだと思います。食べるシーンでは、食事が主役だと思っているので、いかにこの食材が美味しそうにみえるかを考え、自分でセッティングしています。本番で湯気が立ったほうがいいなら温めてもらうのか、もうちょっとソースを足したほうがしずる感が出るのか、どの角度が美味しそうに見えるのか……全部自分で調整しているので、特にアドレナリンがでるシーンですね。

それと、(大食いタレントの)ギャル曽根さんがテレビでおっしゃっていたことを参考にしているのですが、なるべく大きく食べることをモットーにしています。撮影中、スタッフさんから「コロちゃん(まどかの愛称)、ちょっとその一口大きくないかい?」と言われることもあるんですけど「いや、いけます!」って(笑)。

食事シーンは、スタッフさんもセッティングをしてくださるんですが、私がどう動くのかはかなりライブ(感がある)。私が前かがみになって後ろにそれた瞬間にちゃんと光が射すとか、私が顔を上げたときにカメラを振り上げてくれるとか、全員がコロになって撮影してくださるので、毎回“この布陣じゃないと撮れないな”と思うとても好きなシーンです。

――前作よりパワーアップしていると思うところは?

まずは物理的にナイスガイの人数が増えているので、刺さるメンズは必ずいると思います。あと、お芝居って信頼関係がとても大切で、気心が知れていると、それだけで豊かなキャラクター・濃いシーンになってくるんです。そういった意味では、パート1で積み上げた時間があったので、自分自身も出せる表現の幅が増えていったと思います。

――ナイスガイの人数が増えた中で、本仮屋さん一押しのキャラクターを教えてください。

八角さんと言いたいところなんですが(笑)、本当にすみません。(第2話出演の)小林亮太さん演じるジムのインストラクター・細川さんが激推しです(笑)。平林(克理)監督は私のことを私以上に理解されている方なので、1シーン目から「今日、楽しそうだね〜」と言われました(笑)。それくらいウキウキしましたし、あの可愛い笑顔とエネルギッシュなお芝居にキュンときました。(小林さん撮影最終日に)「細川さんまた明日も来ませんか?」と話したくらい推していましたね。

――(笑)。シーズン2となる本作ですが、座長として大切にしていることを教えてください。

平林監督が、私たちを導きつつも、“キャストがどうしたいか”を尊重してくださったので、(自分が)グイグイ引っ張るというより、私自身が伸び伸び過ごして、みんなも伸び伸びしてくれたら、という思いでいました。

――“意識した”というより、自然とそうなったんですね。

やはり主演のムードは、作品のムードにも通ずると思うんです。いろいろな作品にお邪魔するたび、“座長がこういうムードだと、チームもこうなるよな〜!”と感じることも多くて。

私自身は全身全霊で演技をするスタイルが好きなのですが、シーズン1から一緒のレギュラー陣は、“この人はものすごく一生懸命やって、めちゃくちゃ熱くなっちゃう人だ”という認識があるので、みんなが守ってくれましたし、支えてくれました。その熱が少し飛び火して、みんなも熱くなってくれた……。すごくいい循環を生んでくれたなと思います。私は神輿に乗せてもらっただけ。本当に感謝しています。

――シーズン2からは原作にないオリジナルストーリーとなります。原作を離れる難しさはありましたか?

不思議なんですが、シリーズを通すと、自分の中にもコロは生きていて、何かを表現することへの不安はなかったんですけど、“アキヤマ先生はどう思うのだろう”という心配はありました。

ドラマの最後に、その回食べた食材の豆知識をナレーションで伝えるコーナーがあるんですけど、第5話のサンドイッチ回の台本に「私、コロの一番大好きなサンドイッチはたまごサンドです」と書かれてあって。“そんなの原作になかった。これ平林監督が書いているぞ!”と思って聞いてみたら、すでに確認済みで、アキヤマ先生が「コロだったら、たまごサンドがいいです」っておっしゃったそうなんです。

なので、オリジナルではあるのですが、あくまでそのキャラクター自身が、増幅・成長しているイメージを持ってくださるといいなと思っています。

――アキヤマ先生が納得されて助言されているということは、原作ファンの方も知らない設定が描かれているということなんですね。

みなさんが納得する・みなさんに喜んでもらうには、どうしたらいいんだろうと思ったときに、とにかくコロ自身が、大きくチャレンジし、大きく成長するしかないと思ったんですよね。

社会生活を送る中で、ほかの人に合わせたり、言いたいことをちょっぴり飲み込んだり、何かしら我慢をすることって、どなたでも経験があると思うんです。そんな中、自分の人生を前に転がすことが難しいのが、“所まどか”という人。そんな彼女が、人生で一番手に入れたかった“愛”に向かって走る姿は、共感してもらえるのではないかと思い、私はその一点に賭けました。私が熱くなり、命がけで頑張ることによって、(視聴者が)“そんなに頑張るなら……応援するよ!”と思ってもらえるのかなって。

あと、みなさんに応援していただくためには、キャラクターの魅力が重要だと思っているのですが、キャストのみなさんが“チャレンジ”してくださっているのをとても感じていました。このチームだから、このキャストだから、できたこと。“本当にみんな頑張ったな”としみじみ思うし、私にとっての財産です。

――SNSもチェックされるそうですが、視聴者の方の反応は気になるものですか?

とっても気になります。フリーで調べると、賛否の“否”もどっさりきてしまうので(笑)、調べる場合は「#片恋グルメ日記2」だけで調べています。ハッシュタグをつけた“否”のコメントは、その方の信念や、きちんとした視点・論理の言葉が多いので、ご意見として真摯に受け止めようと思っています。だから、こだわりはハッシュタグをつけての検索です。

――続いて、印象に残っている撮影エピソードを教えてください。

私は素直に台本を読むストレートなタイプなんですけど、平岡さんはいろいろな角度から台本を読む方で、特に妄想シーンには力を入れていらっしゃいました。以前、「このシーンさ、ちょっとずぶ濡れで入ってきたいんだよね」と言われたことがあって、そんなこと台本に書いてないし、どうしてここでずぶ濡れ? みたいな(笑)。

パート1のときも、妄想の中でゾンビに襲われるシーンがあったんですが、そこで平岡さんは「ここで俺はゾンビに感染しているっていう設定でやるから」と噛まれた手を震わせはじめて……。そんなの台本に書いてないし、よく思いつくねって(笑)。シーズン2でも、妄想の熱量は変わっていなかったですし、相変わらず面白い方だなって思いました。尊敬しつつ、大笑いしつつやっています。

役者の醍醐味は“チームの一体化”

――本作は、東京ローカルですが、TVerで全国の方も見られます。TVerの印象を教えてください。

以前、スタッフさんに存在を教えてもらって便利だなと思いました。いま、日曜日にラジオ番組『地方創生プログラム ONE-J』のパーソナリティをしているのですが、「ドラマが見られない」とおっしゃる全国のリスナーさんが多いので「TVerで見て!」とお伝えしています。そうすると、みなさん安心してくださるので、TVer様様です。

――そんなラジオというお仕事は、本仮屋さんにとってどんな場所になっていますか?

自由に息ができる場所です。テレビも大好きなんですけど、すごく難しいところで……。たくさんの人が見えない役割をそれぞれ背負って、チーム戦で面白いドラマを起こしにいく中、その仮面を取り違えちゃいけないし、即興劇を間違えちゃいけない。でも、だからこそ成功するとすごく面白い。

テレビのバラエティ番組は、コンパクトな時間で最高潮の面白いことを提供する場所だと認識しているんですけど、ラジオは「面白いことなんですよ」という入り口から、全然違う泣ける話に到達したとしても、みんなが共有さえしていれば、誰も置いてけぼりにならないメディア。喋る人と聴いている人の距離が近いんですよね。

私は人を信じたいし、仲良くしたいし、心を開いてくれる方がありがたいタイプなので、自分の距離感・取り組み方がラジオはフィットするんです。すごく幸せです。

――距離が近いとリスナーさんとのやりとりも楽しくなりそうです。

この間、嬉しいことがありました。Instagramにぶどう農家をされている60代後半の女性リスナーさんからメッセージをいただいたんですけど、「やっとあなたのお名前とお顔がわかりました」と書かれてあって。最初から聴いてくださっているけど、本仮屋ユイカがどんな字で、どんな顔で、どんな職業かご存知なかったんですね。それが「やっと見つけられて嬉しい」というお声をいただいて感動してしまいました。あまりない出来事だったので嬉しかったです。

――ラジオパーソナリティのほかにも、“ゆいか”としての歌手活動や、情報・バラエティ番組出演など、すべての仕事が俳優という仕事に繋がっているんでしょうか。

意識しているわけではないですけど、ラジオでの顔、バラエティでの顔、ドラマでの顔と全然違う人に見えるみたいです。「あんなに上品なのに、ラジオではこんな感じ!?」とか、みなさん驚かれて。どの入り口でも、楽しんでいただければいいなと思っているので、統一する気も、抑える気もなく、伸び伸びやらせていただいています(笑)。

――毎回、演じる役と向き合うとき、役作りとして、共通してやっていることはありますか?

現場にノートを持っていき、ありとあらゆることを書いています。台詞や覚えておいた方がいい役のパーソナルな情報はもちろん、自分がそのことについて、どう思っているのかを書き殴ってみたり、“私だったらこう思う”というものを書き足してみたり、監督に言われて理解できなかったことをひたすら書いてみたり……ノートで自分の感情を掘り起こす作業は、どの現場でもしています。

――自分の思いを可視化するんですね。

紙に書くと潜在意識に到達するのが早くなる気がしていますね。頭の中だけで考えていると、同じルートを辿ってしまうけど、書き出すこと・吐き出すことで、違うポイントにアクセスできる。それをやったときと、やらないときの役への融合率が変わるんです。やってもダメなときはダメですけど、とにかくできることは全部やろうと思ってやっています。

あとは、演劇のメソッドで、自分が一番悲しかったとき・辛かったときに戻って、俳優さんやスタッフさんの目をじっと見る時間があります。本当に迷惑な話なんですけど(笑)、その人は、自分の知られたくないことを知っている、かつ、それに対して愛情深く応援してくれた、という妄想をすると、“(撮影現場が)リラックスして安心できる場だ”って思えるんです。毎朝のルーティンですし、集中力が切れると、毎シーンごとにやっています……これ文字にするんですか? めっちゃ恥ずかしいです(笑)。

――(笑)。本仮屋さんは、役者としてのキャリアが長く、出演作品もたくさんあります。演技をしていて、一番楽しさを感じる場面を教えてください。

“チームが一体化するとき”が一番楽しいです。みんなが歓喜する瞬間を味わいたくて、この仕事をしていますね。役者をされている方は、みんなそうだと思うんですけど、うまくいくときって、とても冷静なんですよ。演技中に、役柄としての盛り上がり、圧、衝動は感じつつも、俯瞰している自分もいて、すべてのスタッフさんの動きが見える。『片恋グルメ日記』では、監督の指示も聞こえてきました……気持ち悪い話してますよね……?

――いえいえ(笑)。役者さんとしてのゾーンなんでしょうか。

不思議な現象ですけど、自分も一体化しているから(その声や現象は)邪魔じゃない。チームが一体化して、全員が喜んでくれるって、そして、その時間を見て下さる方に届けることができる、こんなに幸せな職業はほかにないですし、それを感じるために私は生きているんだと思います。

(取材・文:浜瀬将樹、写真:松本理加)

<番組概要>
【タイトル】『片恋グルメ日記2』  
【放送日時】毎週月曜22:00〜22:30 (TOKYO MX1)
【出演】本仮屋ユイカ 平岡祐太 藤田玲 兵頭功海 大谷麻衣 伊島空 能條愛未 ほか
【オープニング主題歌】SparQlew「Precious days」(Kiramune)
【エンディング主題歌】ゆいにしお「ワンダーランドはすぐそばに」(yuinishio) 
【製作著作】TOKYO MX
【配信情報】
▼オンライン動画配信サービス『Hulu』にて最新話放送後から随時公開。最新話まで見放題独占配信!

▼民放公式テレビポータル『TVer』にて1週間見逃し配信。

▼スマホアプリ/Webサイト『エムキャス』にて全国無料でリアルタイム配信。また、見逃し配信として、最新話放送から1週間は『エムキャス』にて視聴可能。

【HP・SNSアカウント】

【Blu-ray&DVD BOX】
『片恋グルメ日記』シーズン1 Blu-ray&DVD BOX好評発売中!

スタッフクレジット
ヘアメイク:平林輝之(アルール)
スタイリスト:ナカイマサコ

衣装クレジット
MAISON SPECIAL / MAISON SPECIAL AOYAMA
(03-6451-1660)

アビステ
(03-3401-7124)

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