海外のビッグクラブと世界大会で激闘!多様化する日本のジュニアサッカーの未来

海外のビッグクラブと世界大会で激闘!多様化する日本のジュニアサッカーの未来

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10月1日に放送されたサッカー番組『FOOT×BRAIN』(テレビ東京系、毎週土曜24:25~)は、日本サッカーにおけるジュニア世代の“今”を特集。8月に行われた世界大会を振り返りながら、ジュニアチームの育成について、MCの勝村政信や解説の坪井慶介らがトークを繰り広げた。

8月22日~25日に渡って日本で開催された「U-12ジュニアサッカーワールドチャレンジ2022」は、海外からバルセロナとユヴェントスのジュニアチームが出場。日本のJクラブや街クラブなども含め、合計32チームが頂点を争った。

ヨーロッパ各地の大会で実績を残し、はるばる日本までやってきたイタリアの名門・ユヴェントスは、来日翌日に行われた練習試合でサガン鳥栖U-12から3ゴールを奪い、本番に向けて弾みをつける。しかし、チームを率いるマルキオ監督は「フィジカルでは我々の方が優れているかもしれませんが、技術の部分で押し込まれてしまう。非常に厳しい試合でしたね」と分析。日本チームの技術力の高さを指摘した。

大会初戦の相手は、元日本代表の播戸竜二が監督を務める大和ハウスDREAMS。全国の街クラブから選ばれた22名の精鋭がユヴェントスに立ち向かった。試合では、ユヴェントスが決めきれない展開が続く。フィジカルを活かして攻めるもゴールにたどり着けない選手たちに対して、マルキオ監督が「何を怖がっている? 勇気があるチームだと証明してくれ!」と檄を飛ばす場面も。ユヴェントスはさらなる猛攻に出るが、大和ハウスの組織的な守りに阻まれ、決定機を生かせず、ドロー発進となってしまう。

予選リーグ2戦目は、本田圭佑がプロデュースするスクールの選抜メンバーで構成されたSOLTILO SELECT。ユヴェントスはSOLTILOの個人技の前に劣勢となり、スーパーゴールまで決められ、敗北を喫す。こうして予選リーグ敗退となったユヴェントスは、ベスト16以下の順位を決める下位トーナメントへ進むことに。

マルキオ監督は「(選手たちは)まだ12歳なので、緊張や不安もあると思いますが“失敗する勇気”を持ってプレーして欲しいと伝えました」と激励。監督の言葉を胸に刻んだ子どもたちは、下位トーナメントでゴールを量産し、今大会を締めくくった。

すべての試合を終えたマルキオ監督は「道半ばですが、我々が進むべき道は間違ってないと思います」と強調。「クラブのスローガンである“Fino alla Fine(最後の最後まで)”の精神が全ての土台となっています。先人が受け継いできたその魂を子ども達にも伝えていかなければなりません。簡単なことではありませんがトライし続けますよ」と、ビッグクラブとしての矜持を語った。

一方、これまで5度の優勝経験があるスペインの名門・バルセロナは、正確なパスとフィジカルの強さで今大会でもゴールを重ねていく。ベスト16では、2度の日本一に輝いている街クラブ・バディーサッカークラブと対戦。バディーは前線から激しくプレスし、バルセロナのパスの出所を抑えて前半を無失点で終える。ハーフタイムでは、選手同士で修正ポイントを確認。対するバルセロナは、アルカイデ監督が「相手に攻められている印象を与えなければいけない。自信をもっていこう。自分たちがバルサということを忘れるな」と、選手たちを鼓舞する。

危ないシーンもあったが、バディーは終始ペースを握り、スコアレスでタイムアップ。惜しくもPK戦で敗れたものの、バルセロナをあと一歩のところまで追い込んだ。

辛くも次に駒を進めたバルセロナは、準決勝でヴィッセル神戸U-12と対戦。神戸はバルセロナのメソッドに基づいた指導を行っている、いわば同門のクラブでもある。試合は、バルセロナの戦い方を熟知する神戸と、個人技での突破を試みるバルセロナの一進一退の攻防が展開。勝負はスコアレスのまま3人ずつのPK戦となり、最後は神戸がバルセロナを撃破した。

日本のジュニアチームの組織力が存分に発揮された大会となったが、日本の各チームの指導者たちは世界の壁を感じていた。大和ハウスDREAMSの播戸監督は、ユヴェントスとバルセロナについて、「根本的にボールに対しての執着というか、戦うという部分で向こうの選手たちは標準装備されている」と評し、中野島FCの岡本一輝監督は「日本の選手たちはもう少し蹴ってトップスピードの状態でボールを運べる技術をつけて行かないと、世界との差が縮まっていかない」と課題を挙げる。

決勝戦では、バルセロナを破った神戸と、malvaサッカースクールの選抜選手で構成されたmalva future selectが対戦した。日本代表の上田綺世や元日本代表の大津祐樹などを輩出したmalvaは、1対1での個人技を重視する個性派集団。圧倒的な個で場内を沸かせるmalvaに対し、神戸は組織的なプレスからゴールを奪う。激闘はPKによって決着。わずかに力が上回ったmalvaが優勝を飾った。

日本のジュニア世代の成長を感じられた今大会について、勝村は「あれだけチームによってしっかりした色がついているというのも面白いですね」と、チームの多様化に言及。坪井も同意しながら、自身の子どもがバルセロナのキャンプに参加したときのエピソードを披露する。子どもがバルセロナの求めるスタイルとは異なるプレーをした際も、バルセロナのコーチは叱ったりせずに、「それはそれでいい」と認めてくれたという。坪井は「自分たちの戦術を教える中でも、そこから勝つために飛び出す選手というのはいるわけで、それを抑えつけないことが必要」と、チームのスタイルがある中でも選手自身が考えてプレーすることの重要性と、それを認める指導法の大切さを説いた。

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