「天高く馬肥ゆる秋」は不吉な予感!? 気象予報士・蓬莱大介の【お天気ライブ ほうらい屋】【11】

「天高く馬肥ゆる秋」は不吉な予感!? 気象予報士・蓬莱大介の【お天気ライブ ほうらい屋】【11】

記事画像

秋になり、日中も涼しく過ごしやすい季節となりました。
秋の季節のすばらしさを表現する言葉に「天高く馬肥ゆる秋」とあります。

皆さんはどういう光景が浮かびますか?
空は澄み渡って秋晴れ。食欲の秋、太った馬がおだやかに寝転んでいる様子。なんて浮かびませんか?

この言葉、なぜ“馬”なのか考えたことありますか。
一文字ちがいで、「天高く"妻"肥ゆる秋」ではどうですか?
おお!リアル!
・・・って、コラ!奥さんに怒られますね。

「天高く羊肥ゆる秋」でもなく、妻でもなく、ここは馬なんです。

なぜか・・・


「天高く馬肥ゆる秋」という言葉は、元々は中国から来たのですが、なんと今とは逆の意味合いで使われていたのです。つまり、秋の穏やかなイメージではなく、不吉な予感をイメージさせる言葉だったのです。



紀元前206年頃、中国の王朝前漢時代。
北方の遊牧騎馬民族、匈奴(きょうど)との争いが激しく、たびたび万里の長城を越えて攻めてこられていたそうです。
特に秋は、肥えて強くなった馬に乗って匈奴が攻めてくる。遊牧民族は冬の前に食料を調達するために、秋の実りの時期中国へと奪いにくるんです。
だから「天高く馬肥ゆる秋になったら、警戒しなければならない」という言葉が生まれたのだとか。
それが、時代が過ぎて匈奴の脅威もなくなり、言葉が変化し、今の穏やかな意味合いになったそうです。

「天高く馬肥ゆる秋」

自分の仕事も台風シーズンが過ぎて落ち着き、空も空気も気持ちよく穏やかに暮らしています。
食欲の秋とも言いますので、

「天高く"我"肥ゆる秋」

にならぬように気をつけます。


プロフィール
蓬莱大介(ほうらい・だいすけ)
気象予報士・防災士。1982年兵庫県明石市生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。2011年読売テレビ気象キャスター就任。 現在、読売テレビ「情報ライブ ミヤネ屋」「かんさい情報ネット ten.」「ウエークアップ!ぷらす」の3番組にレギュラー出演中。読売新聞(全国版)で連載記事「空を見上げて」を執筆。
著書 「クレヨン天気ずかん」(2016年主婦と生活社)
「空がおしえてくれること」(2019年 幻冬舎)
「蓬莱さんのスケッチ予報Calendar2020」(2020年 読売テレビエンタープライズ)

関連記事(外部サイト)