三浦知良に似ている?北澤豪が驚いたリオ五輪メダリスト羽根田卓也の「信念」

三浦知良に似ている?北澤豪が驚いたリオ五輪メダリスト羽根田卓也の「信念」

羽根田卓也、北澤豪

2016年リオデジャネイロ五輪のカヌースラロームで、アジア人初の銅メダルを獲得した羽根田卓也が、1月23日放送のサッカー番組『FOOT×BRAIN』(テレビ東京系、毎週土曜24:20〜)にゲスト出演。どのようにして世界のトップと肩を並べたのか、マイナースポーツで世界と戦うことの難しさやアプローチ方法が明かされた。

リオ五輪の銅メダルで脚光を浴びたものの、いわゆるマイナースポーツといわれるカヌー。メダル獲得までの道のりは長く険しく、羽根田が大事にする信念「武士道の精神」を貫き通すことで実現した。

羽根田は小さい頃から日本史が好きで、坂本龍馬や土方歳三など、幕末偉人の生き様に大きな影響を受けてきたという。番組では、羽根田が重んじた「武士道の精神」を4つのテーマに分けて紹介。最初の1つが「迷いなく信念を貫き通すこと」。

高校時代、日本には人工コースがなく、この環境では世界で戦うレベルには到達できないと感じた羽根田。それまでカヌー競技において日本人選手の海外留学者はゼロだったが高校卒業後、18歳でカヌーの本場、スロバキアへ単身武者修行に出ることを決意。スロバキアに渡った直後はレベルアップを感じて世界との差が縮まっている感覚があったが、実力が付くほど、海外選手の凄さがわかるようになり、逆に、果てしなく遠く感じることもあったという。それでも羽根田は「日々の練習あるのみ。インスタント(即座)に強くなろうとして距離が縮まることはない」と考え、「彼らが日々どのような生活をしているか、どのような姿勢で打ち込んでいるかを観察して、それに少しでも近づけるようにする毎日でした」と信念を貫いた。

2つ目は「時勢に応じて自分を変革すること」。例えばスロバキアでは、言葉の壁でコーチが指導したいことを自分に伝えきれていないと痛感。せっかく最高の環境があるにも関わらず最大限に活かせていないと気付き、スロバキア語を習得する努力を重ねた。「僕がちょっと面白い単語やスラングなどを冗談交じりに言うと、現地の人たちがすごく面白がってくれた」と積極的なコミュニケーションの重要性を伝え、時には現地の人に教えられた下ネタも役立ったという。

そして、3つ目が「絶対に諦めない決意が全てを変える」。スロバキアで実力をつけていった羽根田だが、パフォーマンスとは別に資金面でも壁にぶつかった。羽根田は「この競技に限らず、マイナースポーツは自分が生活するお金だけでなく、競技に使うお金も自分で取ってこなければいけない」と説明。最初は家族の支援で競技を続けることができたが、行きたい合宿に行けなかったり、道具が買えなかったり、海外選手とは大きな環境の差があった。

そこで羽根田は、営業の経験どころか社会人経験もなかったが、自身でスポンサー探しを開始。プロフィールシートやPR用の競技DVDを作り、支援をお願いしたい企業の社長宛に自分の思いや目標などを書いた手紙を送り、さらに「手紙を書いた者です」と電話でもアポを取るなどして奔走。そうした地道な活動でスポンサーを獲得。ゆるぎない姿勢で自らの道を切り拓いていった。

そして、人生で最も大切にしている4つ目の信念が「毎日を全力で駆け抜けること」。羽根田が何より大切にしているのが「武士の死生観」。「幕末は、いつ死ぬかわからない毎日の中で、明日どう生き延びるかとか、明日どう良い暮らしをするかとか、打算があったらその日さえも生き延びられないと思う。そういう強烈な死生観や美学を持っていると、上手く行かなかったとしても“今日頑張るぞ、今日乗り越えるぞ”という気持ちで毎日競技に向き合える気がします」と意図を伝えた。

また、「スポーツ選手は競技をする以外にもいろんな人から応援を受けたうえで成り立っている。それは国からであったり、観客からであったり。選手は競技だけではなくて、ポジティブなエネルギーを還元する必要がある」というスロバキア人のコーチの言葉を紹介。「競技への姿勢を見てもらうのは大切なことだと思いました」と話し、コロナ禍で練習が思うようにできない中でも、工夫を凝らす様子やトレーニングの姿を、SNSなどを通して発信するように努めているという。

更に、武士にまつわる勝負メシを紹介。お茶漬けの前身とされる「湯漬け」は、ごはんに熱湯を注いで食べるシンプルな食べ物。「武士が出陣する際に湯漬けをかきこんで出ていくシーンが多く描かれていた」と言い、それを真似して大会に行く前に食べることで「やるぞ!」と士気を上げるのだとか。また、着物や茶道も嗜み、「作法などは知りませんでしたが、部屋を静かに綺麗にして、いただいてみたらこれは良いと思いました。一連の動作も瞑想に繋がって、自分を見つめる時間に使えた」と語り、「僕にとっては日本史とか日本の文化に触れるのはリラックスなのです」と明かした。

最後に番組アナリスト北澤豪は「カズさん(三浦知良)ぽい。フロントランナーは事例がないから、自分で考えなくてはいけないところも近い。だから自分なりに道を作りながら向かっていく。この後の活躍が楽しみだしファンになる」と絶賛。番組MCの勝村政信も「この人は上に行くのだろうなっていうのが良くわかる。サッカーは世界で勝てないと言われているけど、個人では世界で勝っているわけじゃないですか。この素晴らしい話をなんとかサッカー界のプラスにできれば」と話していた。

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