「ゴリの恩返し」が胸熱!? 映画監督ガレッジセール・ゴリが語る「映画のような人生」

お笑いコンビ・ガレッジセールのゴリが近年、映画監督としてメキメキ評価を高めているのはご存じでしょうか? 人気キャラクター「ゴリエ」や持ちギャグ「エンジョイプレイ!」とはまた一味違う監督作品は、映画ファンならずとも一見の価値あり。

そんなゴリが、3月28日(日)に東京・よしもと有楽町シアターでトークライブ『映画のような人生を、、、Live life like a movie』を開催します。「映画」をテーマにゲストの人生を深掘りするこのイベント。まずは本人の素顔に、芸人ライターとして活動するお笑いコンビ・天狗の横山裕之が迫りました。

出典: ラフ&ピース ニュースマガジン

どうも芸人ライターの「天狗」の横山裕之です。

今回はガレッジセールのゴリさん(48)に、インタビューをさせていただきました。

実はゴリさんはお笑い芸人でありながら、映画監督の顔も持っています。

2009年の長編『南の島のフリムン』で監督デビューして以来、これまで撮った作品は短編を中心に10本以上。2018年に全国公開された長編第2作の『洗骨』は、カナダの「トロント日本映画祭」で最優秀作品賞を受賞し、「モスクワ国際映画祭」など海外の映画祭でも高い評価を受けています。さらに、翌年には現役のお笑い芸人として北野武監督以来となる日本映画監督協会新人賞も受賞しました。

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4月に開催される『島ぜんぶでおーきな祭 第13回沖縄国際映画祭』では、満島ひかり主演の最新短編映画『演じる女』が上演されます。

そんなゴリさん、いや、照屋年之監督がなにやら面白いトークライブを始めるということで、いろいろとお話を聞いてきました!

■ヨシダナギが挙げた“下ネタ”映画

■??今回のトークライブ「映画のような人生を、、、Live life like a movie」は、どういった内容なんでしょうか?

人は誰しも、人生のなかで苦しいときに支えてもらったとか、これがきっかけで夢が持てたとか、そういう「ドラマ」や「映画」があると思います。そんな“前に進もう”と思えるきっかけとなったエンターテインメント――今回のライブでは特に「映画」にフォーカスして、僕が気になる人、たとえばクリエイター、アーティスト、役者さんとか、いろいろな業種の方から“自分が影響を受けた映画”を挙げてもらい、その作品を通してその人の人生を聞こう、という内容です。

■――すごく面白そうですね。今回のゲストは、アフリカなどの少数民族や先住民を撮り続けてきたことで知られる写真家・ヨシダナギさんですが、なにか理由があるのですか?

出会いは2年前の紀伊国屋書店の本棚でした。パッと手に取った1冊の本が、あまりにも美しいアフリカの少数民族の写真集で、ずっと気になっていたんです。それが、ヨシダナギさんでした。その後、ダウンタウンの松本(人志)さんのバラエティ番組「クレイジージャーニー」(TBS系)でも特集されていて、「やっぱり放っとかれない人なんだなぁ」と納得したものです。

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ヨシダさんとは今回、初めて会うことになるんですが、聞きたいことがたくさんあります。「なぜ言葉も通じないアフリカの少数民族を撮ろうと思ったのか」「どのように彼らを演出したのか」「アーティスティックな感性はどう育まれたのか」「どんな映画に影響されたのか」「どういう人生を歩んできたのか」……とにかく興味が尽きなくて、ゲストとして呼ばせていただきました。

■――確かに、ヨシダさんにぜんぶ聞いてみたいです! ライブのテーマである“影響を受けた映画”は、すでに挙げてもらったんですか?

はい。2本あって、『キリクと魔女』(1998年、日本公開2003年)と『ソーセージ・パーティー』(2016年)という作品です。僕はもうどっちも観たのですが、『キリクと魔女』はアフリカが舞台のアニメーション映画。もう1本の『ソーセージ・パーティー』は、とんでもない下ネタの映画でした(笑)。

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■『インディージョーンズ』が原点

■――それは、当日がどんな話になるか気になりますね(笑)。ちなみに、逆にゴリさんがゲストとして呼ばれるとしたら、どんな映画を挙げますか?

小学校6年生の時に観た『インディージョーンズ 魔宮の伝説』(1984年)ですね。

というのも、子どものころ、映画といえば『東映まんがまつり』のようなアニメ映画しか観たことがなくて。初めてこの作品を観たときは、「大人って、こんなに面白いものを観ていたのか!」と衝撃でした。この作品には、ドキドキ感とアドベンチャー感とラブロマンスがすべて入っていて、「ひょっとして、自分の日常でもこういうことがあるんじゃないか?」と、その日1日がとてもハッピーな気持ちになります。

僕は、そういうものこそがエンターテインメントだと思います。だから僕が映画を撮るのは、こうした小さいころの僕に対する「恩返し」なんです。

■――「恩返し」ですか?

はい。僕だって、ずっとハッピーに生きてきたわけじゃない。逃げたくなるときもありましたし、実際に逃げたこともありました。でも、その時々でエンターテインメントによって心が救われてきたんです。いまも、世の中はハッピーな人ばかりじゃない。苦しんでいる人もいっぱいいると思います。そういう人たちに、僕が撮ったもので少しでも心がホッとしたり、明日から頑張っていこうって思ってもらえるように作っています。

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■40歳を過ぎて沖縄への「恩返し」

■――もうゴリさんの作品を、ぜんぶ一気に観たくなりました。ゴリさんの映画は「沖縄」を題材にしたものが多いですが、そこにはやはり“沖縄への思い”があるんでしょうか。

若いころに沖縄にいたときは、だんぜん東京への憧れが強かったんです。人気ドラマやお笑い番組など、あのころのエンターテインメントの向こう側は、すべて「東京」でしたから。

でも、実際に東京に行ってみると、まわりのみんなから逆に「沖縄いいね!」とうらやましがられる。そこで自分が沖縄のことをなんにも知らないって気づかされるんですよ。

僕らが世に出られたのも当時、沖縄出身のコンビが珍しかったということがあると思います。沖縄出身ってことで、本当にいろいろと助けてもらいました。だから自分が40歳を過ぎてくると、なんでしょう……沖縄に「恩返し」したくなるんです。

■――また「恩返し」ですね! たとえば、どういったことをしているんですか?

ひとつは、2014年に始めた「おきなわ新喜劇」ですかね。

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■――那覇のよしもと沖縄花月でやっている「おきなわ新喜劇」ですね。

以前、本場のNGK(大阪・なんばグランド花月)のよしもと新喜劇に出させてもらったとき、舞台の上で芸人がボケ倒すんですよ。そうすると、NGKの満席のお客さんがドッと笑って頭が揺れる。それが、まるで風が吹いた米畑の稲穂のようで。それを見て、よしもと新喜劇はなんて人に幸せを与えているんだろう、僕はこれを沖縄に持っていきたい! と思ったのです。

沖縄の歴史、風習、音楽、言葉を採り入れて、よしもと新喜劇のベタな笑いをやることで「沖縄に観光に来た人も幸せになるんじゃないか?」「沖縄県民も幸せになるんじゃないか?」と。それで、6年前におきなわ新喜劇を旗揚げしたんです。

■――吉本芸人ならではの地元への恩返しですね。実際に、自分でおきなわ新喜劇をプロデュースしていて、意識していることはありますか?

やっぱり、ベタを意識しています。子どもが見ても笑う、でもやりすぎると大人が笑えない。そのバランス感覚が、よしもと新喜劇はスゴいですね。本当にヤバいですよ!

1日3〜4公演あって、毎回入り口が満員で、みんなビールとかおつまみを手に待っている。そして扉が開いたら、みんな笑顔で「ワー!」っと劇場に入っていく。それが365日続くという文化を作り上げた新喜劇はスゴすぎます。これを沖縄に持ってこれたら、経済効果や観光に役立つこと、間違いなしです。

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■――最後に、今回のトークライブのタイトルにもありますが、ゴリさんにとって「映画のような人生」って、どんな人生ですか?

僕は、小学校のころにしばらく大阪に住んでいました。そこで沖縄弁をからかわれて、でも、マブタをひっくり返して松田聖子さんの歌マネをしたら、みんなが笑ってくれて友だちができた。そして、小学校5年生で沖縄に戻ると、今度は大阪弁がヘンだと言われてからかわれて……。そこでも、自分はお笑いを“武器”にしてきました。

そして、このままふつうに沖縄で一生終わるのかなぁと思っていたら、上京して2浪の末に芸術の大学(日本大学芸術学部)に入り、ただの沖縄の田舎者が東京で芸能界に入って、ずっと見ていた『笑っていいとも!』のレギュラーになって、いまでは映画監督をさせてもらって……この人生自体が、もう映画みたいですよね。

■――人それぞれに「映画」のような人生がある、ということですね。

人生はきっと映画みたいに素晴らしいものなんですよね。だから、そんないろんな人の人生をトークライブで皆さんと一緒に聞けたらいいなぁ、と思います。

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