次長課長・河本が“手話”を勉強して思うこと「もしみんなが手話を覚えたら」

8月16日(日)、神奈川・横浜市西地区センター・西公会堂にて全日本ろうあ連盟創立70周年記念映画『咲む(えむ)』の全国初公開上映会・制作発表が開催され、脚本・監督の早瀬憲太郎、主演の藤田菜々子をはじめ、丘みつ子、島かおり、次長課長・河本準一ら出演者、また『咲む』のタイトル題字を担当した金澤翔子が登壇しました。

出典: ラフ&ピース ニュースマガジン

本作では、一人の若きろうの女性が喜びや葛藤の中で生き、さまざまな障壁を乗り越えていく姿が描かれています。それを通じ、ろう者独自の文化及び「ろう者とは」「きこえないとは」を伝え、ろうの子どもたちや若いろう者、その家族に広く夢を与えることをコンセプトに制作されました。

一般財団法人全日本ろうあ連盟・石野富志三郎理事長と、一般社団法人神奈川県聴覚障害者連盟・河原雅浩理事長による挨拶を経て、上映がスタート。その後、監督・出演者らによる舞台挨拶が行なわれました。

■早瀬監督が河本のファン!?

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上映終了後、舞台挨拶に登場したのは早瀬監督、藤田、丘、島、河本の5名。瑞月役を演じた主演の藤田は「本作のメッセージをきちんと伝えられるようにがんばったので、もし伝わっていたらうれしいです」とにっこり。

撮影中のエピソードについて聞かれると、「鳥取での撮影中、撃たれたイノシシを目の前で見てカルチャーショックを受けました」と明かし、会場の笑いを誘います。なんでも、撮影した地域ではイノシシは見つけたら撃って良いことになっていたそうで、その日はたまたま、村人が仕留めたイノシシを役場に持ってきたところに出くわしたのだとか。

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瑞月の祖母・八重を演じた島は、「瑞月ちゃんの魅力が満載の映画です」と映画を紹介し、「(ろう者が多いので)現場はとても静かだったんですけど、熱量がすごくて。貴重な経験をさせてもらいました」と撮影を振り返ります。

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過去には手話、筆談、音声などを組み合わせ、「伝え合う」ことを通じて問題を解く、“異言語脱出ゲーム”などにも参加している河本。

今回の舞台挨拶では、手話で観客に自己紹介と挨拶を行ないました。映画の前半部分に出演しているということで、自身について「僕、最初の方に出たので、みなさん僕が出てたの忘れてませんか? 大丈夫ですか?」と自虐的に問いかけ、笑いを誘いました。

また、河本が今作に出演したいきさつを「早瀬監督が僕のファンだそうで……」と明かすと、監督が「私にしてみれば、河本さんは神様のような存在なんです。なので、今回の映画にはどうしても出演してほしくてお願いしました」と笑顔で答えます。すると河本は「監督はすごく熱があって、見ていると吸い込まれるような感じ。発想もすごい。そんなすごい方の好きな芸人が僕だと思ったら誇らしいです」と嬉しそうにコメントしていました。

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さらに、タイトル題字を書いた金澤も登壇。“咲む”と書かれた書の前で、「心を込めて書きました。瑞月ちゃん、とってもかわいいですね。映画を観て涙が出ました。私も映画に出たいぐらいです」とコメントし、会場を沸かせていました。

■さまざまな人々が共生していく社会を

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舞台挨拶後に行なわれた制作発表では、石野理事長が「今の気持ちを正直に申しますと、感動しております」と感慨深げに手話で表現。今作は全日本ろうあ連盟70周年という背景のもと、さまざまな人々が共生していく社会を目指して作られたとのことで、「今コロナ禍で大変な時ですが、コロナに負けないで今作を世に広めていきたい」と決意を新たにしました。

早瀬監督は、「障害のある・なしに関係なく、人に感動を与える映画を作りたいという気持ちで今回の映画を作らせていただきました。子どもの頃から出会いが大切だと両親に言われていましたが、今まさに、人との出会いが人を成長させるんだなと実感しました」と感慨深そうに話します。また、本職は手話教師だという監督は、主演の藤田が3歳の時に教師と生徒として出会ったそうで「まさか今回主演をお願いすることになるとは思っていませんでしたが、立派に成長されて喜んでおります」と笑顔を見せていました。

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「初めて脚本を読んだ時、自分がこの役を演じられることがとても嬉しかったです」と話す藤田。瑞月役を演じるにあたって心がけた点について、「必ず相手の気持ちを1回受け止めて、それを自分なりに解釈する瑞月の表現の仕方をがんばりました」と撮影の裏側を明かしました。

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「現場に入ったら八重さんが勝手に動いちゃったという感じでした」と八重役の島が語ったのに対し、八重の友人・ウメ役の丘は「こんなに心が清らかになれる映画に久しぶりに出ました。今日はとっても嬉しいです」と笑顔を見せました。

■手話は “新しい言語”

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以前、パラ駅伝のイベントに参加したことが手話を勉強するきっかけになったと話す河本は、「手話はただ聴覚障害者の方のためのものではなくて、新しい言語だと思っている。手話を覚えることは“聴覚障害のある方のために”ではなく、“みんなに伝わるように”と思って勉強しています」と熱く語ります。

また、コロナ禍でのマスク着用について「聴覚障害者の方は口元が見えなくてご苦労されている。もしみんなが手話を覚えたら、もっと人に優しく、愛情をもって接することができるんじゃないかと思います」と手話への想いを明かしていました。

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