ファイナリスト5組が初進出!「M-1グランプリ2021」準決勝レポ

12月2日、東京・NEW PIER HALLで「M-1グランプリ2021」の準決勝が行われ、インディアンス、真空ジェシカ、モグライダー、ゆにばーす、ロングコートダディ、オズワルド、錦鯉、もも、ランジャタイの9組が決勝に進出した。

■準決勝が配信でも見られる喜び

過去最大の6,017組がエントリーしたという今回の大会。毎年準決勝のMCを務める、はりけ〜んずによる軽妙なトークがしっかり場を暖める。きちんと説明を織り交ぜながら、客席にリラックスして見るように促すのはさすが! これが漫才師にも観客にも、どれだけありがたいことか。

今年は、昨年まで2年連続であった全国でのライブビューイングがなく、会場外では、大阪でのパブリックビューイングと、翌日から発売される配信チケットでの鑑賞というスタイルに変わった。

個人的には、映画館で大勢の“同志”と見る雰囲気が好きだったので残念だが、(はりけ〜んずの前田さんが、ライブビューイングのお客さんに向けて「俺が毎年プリキュアの映画見てる東武練馬のイオンの皆さん!」というお決まりの言葉も好きだった)そもそも初期M-1では、準決勝はプラチナチケットを獲得した人だけが見られるものだったのだ。「めちゃくちゃウケたのに落とされたらしい」みたいな風の噂がなくなって、可視化されるようになったのは良いことだと思う。

▲ファイナリスト9組 ?M-1グランプリ事務局

ネタの内容には触れられないが、さすが準決勝の狭き門をくぐり抜けてきた芸人たち。ワイルドカード枠で上がってきた滝音からラストのさや香まで、ダレることが1度もなく、ずっと全組がウケきった印象だった。

■見た人は納得できる9組

終了後、21時40分から生中継もされた「決勝進出記者会見」。昨年決勝に進出した見取り図やニューヨーク、決勝進出経験組であるハライチやからし蓮根の名前がないのは、準決勝を見ていない人には波乱に見えるかもしれないが、実際に見た人からすると、この9組は納得できるだろう。

▲(左から)モグライダー、真空ジェシカ、インディアンス ?M-1グランプリ事務局

喜びと安堵の中にあっても、しっかりとここでも爪痕を残そうとボケるのが、とても微笑ましかった。そのなかでも真空ジェシカとランジャタイは、とにかくボケ倒していたが、それをスカさず、しっかりと良い味付けを施して笑いでくるんであげ、初進出で緊張しているであろう、ももの2人には返しやすいイジりをする、八面六臂の仕切りを見せる麒麟・川島の凄みを改めて感じた。

▲(左から)オズワルド、ロングコートダディ、ゆにばーす ?M-1グランプリ事務局

「番組」として考えたときに、お茶の間でも知名度のある組を入れるというのは、誰しもが頭をよぎることかもしれないが、それをしない、させない、というのがM-1が年末の風物詩として格式ある大会に成長した所以であると考える。

▲(左から)ランジャタイ、もも、錦鯉 ?M-1グランプリ事務局

錦鯉、真空ジェシカ、モグライダー、ランジャタイと並んだ名前を見ると、K-PROライブ? と思ってしまうが、この3組がゴールデンタイムでネタをやると考えただけでドキドキする。「ABCお笑いグランプリ」で優勝し、バラエティ番組も出つつ、プレッシャーがかかるなかでネタを仕上げてきたオズワルドも素晴らしい。ゆにばーすも良くぞ返り咲いた、と感激した(昨年の敗者復活のネタがとても素晴らしかった)。

個人的な感想で恐縮だが、毎年「双子」という縛りでネタを新たな角度で作り続け、しっかりとウケきったダイタクと、賞レースに出なくてもいいぐらいの知名度がありながらエントリーして、ワクワクするようなネタを仕上げてきたアルコ&ピース(来週のD.C.GARAGEが楽しみだ)、もう既に多くのメディアがオファーを出しているだろう、ネタにうすた京介先生の匂いをほのかに感じるヨネダ2000の3組には最大級の賛辞を贈りたいし、敗者復活も楽しみだ。

賞レースというのは、1組の勝者の下に多くの敗者がいるという残酷な図式の上に成り立っているし、結果で感情を露わにする芸人を見せる、という側面もあって、ただ何も考えずに笑いたいから好みじゃない、という意見があるのもよくわかる。

ただ、4分の中に自分たちのこれまでの人生を詰め込む、その表現を何組も見られるのは贅沢以外の何者でもない。確実に人生を変える瞬間に立ち会えるのがM-1の良さだ。今から12月19日の決勝が楽しみで仕方ない。

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