ほどよい筋肉、見事な肢体を披露した藤あや子が明かす普段の生活
2022年04月14日 17時00分WANI BOOKS NewsCrunch
引き締まった体のビキニ姿や、一糸まとわぬ背中のバックショット……ほどよい筋肉や、くびれが見事な肢体を披露した写真集『FUJI AYAKO』(講談社)が話題の藤あや子。『NHK紅白歌合戦』出場21回を誇る日本一美しい演歌歌手は、着物を脱いでもすごかった。恵まれた容姿に加え、アスリートかと思うようなストイックなトレーニング、食生活で作りあげた“美”。
演歌歌手という肩書に頼らず、縛られず、彼女の活動もまた幅広い。得意の料理はもちろん、近年はSNSで愛猫マルちゃん、オレオちゃん(通称マルオレちゃん)との猫生活を披露し、メディアにも引っ張りだこ。そのフォロワー数は、インスタとTwitterを合わせて33万人もいる。夢はマルオレ・フェス。歌手生活35周年を迎え、ますます若々しい藤あや子を直撃した。

▲撮影 : 市川宝
■年齢を重ねていく毎に女性は輝けるってことを発信したい
――写真集企画について聞いたときの最初の感想を教えてください。
藤 実をいうと、最初は写真集を発売するというお話ではなかったんです。自分のライフスタイルについてのエッセイ本を出す予定で、そのための写真を撮影しようとしていたんです。ところが、いざ撮影が始まってみると、なんだか次々といい写真が撮れて……。『これはエッセイ本ではもったいないんじゃないか』と急遽、話が変わっていったんです。自分でも本当にびっくりしてます(笑)。
――なぜ、60歳の今だったんでしょう?
藤 今がちょうど、いいんです(笑)。やっぱり、年齢を重ねていくごとに女性は輝けるんだっていうことを伝えたい思いがあって。“もう歳だから”とか、そういう言葉は捨てて、美しく歳を重ねていきましょう。そう、女性の立場から発信をしていきたいんです。皆さんに写真集を見ていただいて、私も頑張ってみようかしらという、ひとつのキッカケになればいいなと思っています。
――写真集のテーマはありますか?
藤 私は今まで歌で女性を表現してきました。ですが、一生懸命生きている女性の美しさみたいなものを歌に限らず、この写真集などあらゆる角度から表現してみたいと思ったんです。年齢を重ねると、悩みや苦しみも増えます。でも、年齢によって美しさは失われてしまうのではなく、逆に輝けることもあるはず。生きることにもっとどん欲になってほしい。そういう思いをテーマにしているつもりです。
――それで、“今”なんですね。
藤 やっぱり20代、30代は、黙っていても綺麗です。努力しなくてもそのままで十分。でも、40歳を過ぎてからは自己責任。私自身、50歳ぐらいになったときに“ああ、このままじゃいけないな”という思いが芽生えました。もちろん着物を着た演歌歌手の場合、そこまで肌を露出するわけでもないですし、演歌を表現するにあたっては、そこまで体を鍛える必要はなかったかもしれません。でも果たして、それでいいのかなって。立場に甘んじていていいのかな。ひとりの人間としての魅力をレベルアップしていかないと、歌の表現だってどんどん劣化していくんじゃないのかな。そう思って始めたのがヨガでした。

▲ 撮影 : 市川宝
■50歳を過ぎてから始めたヨガとの出会い

▲撮影 : 市川宝
――ヨガは50歳になってから始めたんですか。
藤 そうなんです。まさしく50の手習いというか。50歳になっても始められるもの、と考えたときに、以前から興味のあったヨガが思い当たりました。自分の好きなこと、自分に合ったものしか続かないと思うので、たまたまヨガは私に合ったんでしょうね。ヨガと出会い、徐々に自分らしく生きるという考え方になっていきました。歌手とか、そういう肩書はいらない。人間として輝いていかなきゃいけない、という思いに切り替わっていきました
――50歳で、これじゃいけないと思った具体的なキッカケはあったんですか。
藤 49歳のときに突発性難聴を患いました。当時から食生活にも気を配って、自分でちゃんとバランスを考えてお料理をしていたにも関わらず、病気になってしまった。それがキッカケで、自分の体と向き合おうという考えに至りました。ただ、そうは言っても、まだまだお酒もガンガン飲んでいたし、運動といっても、ヨガをちょっとやっていたぐらいだったんです(笑)。
ところが、3年ほど前にジェニファー・ロペスのファッション誌の記事を見まして。50歳とは思えないキレイなボディーラインをしていたんです。そこには彼女が日ごろ、やっているルーティンが掲載されていたんですが、トレーニング、糖質カットといった項目のなかに“アルコールNG”と書いてあって……。もしかしたら、私の脇腹のぜい肉が取れないのはこれかも! と、お酒を断ってみようと思い立ちました。駄目だったら駄目で、また飲めばいいという軽い気持ちでスタートして、3年経ちました。その間、お酒は全く飲んでいません。
――そのほうがやっぱりコンディションが良いですか。
藤 とてもいいです。朝起きたら、顔がむくんでいることもなくなったし、よく眠れます。運動もしていますから。体を動かしたら、人間は眠れるものです。
――運動とはヨガですね!
藤 歌番組に行くと、皆さん楽屋で発声練習などをされていますが、私は全然必要ありません。週4日、リモートでヨガのレッスンを受けているのですが、そこで呼吸法などを集中してやることで声がスムーズに出るようになって。ヨガは毎朝、プロテインとアミノ酸のドリンクを飲みながら、1時間ぐらいやっています。本当に変わりました。

▲撮影 : 市川宝
■毎日のこだわりルーティンが超人的だった!
――ずっとスタイル抜群のイメージですが、むしろ今のほうがいいんですね。
藤 今のほうが仕上がってます! 写真を撮っていただくためにトレーニングしたわけではないのですが、写真を見ると自分の全容がわかるじゃないですか。背中なんて特に自分で見ることはないので、写真で確認して、“ちょっと仕上がり過ぎた?”みたいな気持ちもあります(笑)。ようやく自分がコツコツやってきたことが披露できる状態になったと言いますか。キックボクシングも2年半前からやっています。
別にムキムキになりたかったのではなく、体幹、インナーマッスルを鍛えようと思って。やればやるほど、体の形はもちろん、思考がそれ基準になってくるんです。毎朝、歯を磨いたり、顔を洗うのと一緒で習慣になってくる。だいたい一日にやるべきこと、自分に課しているものがあるんです。お風呂に入る前に洗面所で斜め腕立て伏せ60回、シャドウボクシングをワンツーで100回。お風呂に入ったらアロエ塩でマッサージして、カッサで洗い流す。これだけは毎朝、どんなに眠くてもやります。
40代後半ぐらいからある程度、努力しないと劣化してしまう。頑張らないと追いつきません。やらないともうキープできなくなっちゃうという恐怖心もあります。自分のことはわかっていますから、今日休んだら明日もやらない。その代わり、続けられる回数しかやらず、無理しないようにしています。もしかしたら、自分のことを実験しているのかもしれないですね。“これだけのことをやったら、こうなる。これをやったらダメ”って。マイナスになることは排除していく傾向にあります

▲撮影 : 市川宝
――食生活にもこだわりがありそうですね。
藤 私の日常を知ったら、面倒くさい人だと思われるかもしれません。朝、食べるものも決まっています。朝は旬のフルーツの盛り合わせ。それからカスピ海ヨーグルト。ヨーグルトはもう20年以上、自分で作っています。一時、流行りましたよね。あれからずっと継続している数少ない1人です(笑)。
そこに豆乳を入れて、さらにスーパーフードを加えます。私の場合、全部、ボトルに入れて、かごに収納しています。それを見たら驚かれると思うんですけど、パウダーだけでもマカ、タイガーナッツ、アサイー……。ナッツ系はアーモンド、ピーカンナッツ、ブラジルナッツ……。ドライフルーツはクランベリー、インカベリー、プルーン、カシス……20種類くらい。最後にマヌカハニーを混ぜて、必ず毎朝いただきます。
――1日何食なんですか!
藤 そんなふうに食事にも異常なぐらい気遣っているのですが、その代わり、スイーツやパンといった自分を甘やかすものは別なんです(笑)。やっぱりストレスがたまっちゃいますから。だから、あんまり“100%ギンギンにやってます!”じゃなくて、“今日はこれをやったからいっか。その代わり運動をしよう”といった感じで、アメとムチじゃないですが、ムチ、ムチ、アメぐらいのバランスでやっています。
――肌のためには何かされていますか。
藤 美顔器とヘアマッサージ器はいいものを買って持っているんです! でも、気づいたら、電池が切れてたり(笑)。そういうところは真面目じゃないんです。よっぽど、コンディションが良くないときはやるんですが、そこまで悪くなることはそうはないので、月に2回ぐらい登場するかどうか。何もかもストイックすぎてもちょっと楽しくないですから。
■LINEもしなかった自分がSNSにハマったのは愛猫のおかげ

▲撮影 : 市川宝
――藤さんといえば、最近は飼い猫のマルくんとオレオちゃん(通称・マルオレちゃん)が話題沸騰です。
藤 もう、かわいくって(笑)。本当に私の人生を変えた子たちです。プライベートはもちろん、仕事の面でもプラスになっていると思います。ロケに行ったりしても、見知らぬ若い女性から『マルオレちゃん、見てます』と声をかけてもらうことも増えて、今までなかったような触れ合いができ、私自身、感動しています。マルオレ様様です
――ファン層も変わってきたのではないでしょうか。
藤 今までのファンの方々は、年齢が高めの特に男性が多くて、活動もコンサートが中心でした。それがコロナ渦になり、おうち時間が増えて、これまでのような活動はなかなかできなくなりました。これまでは、時間さえあれば外に出かけていた人間なのに、料理やマルオレちゃんたち中心の生活に自分自身が楽しみを見つけてしまったんです。
きっと皆さんもそうですよね。もともと料理が好きだったこともあり、楽しいことを皆さんに発信したくて写真を出したり、Twitterでコメントを書いたり。なんとか一緒に乗り越えましょうという思いで、自然な流れでした。私自身、新しいことって本当は苦手で、LINEもしないし、携帯もどこかに置き忘れたり、全然身についてなかったんです。
それが、マルオレちゃんのおかげで常にスマホがそばにある生活になり、人間、こんなに変われるんだってくらい、すごくマメになりました。お友達の坂本冬美さんが本当にマメな方で、普段『マメちゃん』と呼んでるんですけど、彼女から『マメちゃんの名前、譲ります』って言われるくらい(笑)。やっぱり、マルオレちゃんのかわいい瞬間を撮りたいし、それを見た皆さんのコメントなどの反響もうれしいですから。
――先日のスーパー猫の日もそうでしたが、マルオレちゃんのチャリティーグッズも盛り上がっていますね。
藤 グッズの包装も、宛名書きも自分でやっているのですが、全国津々浦々、幅広い年齢層の方々から注文をいただくので、宛名を書きながらうれしくなってしまいます。若い方特有のかわいらしいお名前だと、“こんなに若い方が買ってくれたんだ”とか。あるいは自分がコンサートでも行ったことのない地域だったりすると、どんな町なんだろうと想像してみたり。地道な作業も全然、苦になりません。みんながチャリティーに参加してくれる喜びのほうが大きい。きっと自分自身、なんでも楽しみながらプラスにしちゃう能力が高いんだと思います。
――まさか、包装や宛名書きまで藤さんがしていたとは……。
藤 自分の両親の影響で、何か困っている人がいたら助けたい、フォローしたいという気持ちは、もともと強いほうだとは思います。でも、マルオレちゃんと出会ったことで、それがさらに加速しているようです。これまでは保護猫というワードすら知りませんでした。たまたま夫のお母さんが捕獲した猫、言ってみれば野良猫が子猫を産んで、4匹のうち2匹を引き取った。
そこからスタートして、保護猫活動しているボランティアの方々から、学ぶべきことがたくさんあって。“この子たちが幸せになれたように、もっともっと救ってあげられることはないかしら”と考え、チャリティーを思いつきました。秋田県と山梨県のふるさと大使をやらせていただいているので、この前は子ども用Tシャツを、そちらの乳児院の子どもたちに100数十枚、プレゼントでお送りしました。
猫ちゃんだけじゃなく、支えたい、手を差し伸べるべき存在に何かできないかなと思ったんです。乳児院の小さなお子さんたちが、マルオレちゃんのTシャツを着ている写真を送ってくださって、それ見たときに自分がやれる範囲で、今後もこういう活動をしていきたいとすごく思いました。無理なくできることをしていきたいと思っています。

▲撮影 : 市川宝
■夢はフェス! ヒゲダンとの交流でギターを特訓中
――藤さんのなかで、できる・できないの判断はどういう基準で?
藤 ある時は演歌歌手、ある時は料理人です(笑)。スイッチを切り替えて楽しみながらやっています。無理なことはしない。でも、興味があったら、ちょっとやってみようかなと思います。ただ、あんまり欲張りにあれこれやっちゃうと体がもたないと思うから、まずは継続できることを優先してやっていこうと思っています。
――今年は歌手生活35周年ですね。
藤 歌手としてデビューして、前の名前からカウントするとそうなりますね。秋田から上京してきて、まさか東京の生活のほうが長くなるなんて思いもしませんでした。民謡歌手でしたから、私の感覚ではそのまま民謡教室かなんかやって、子どもたちに教えたりしながら、おばちゃんになっていくのかなと思っていたんです。東京で、しかも芸能界で35年もやれるなんて奇跡です。ありがたいことです。
いつもそうなんですけど、〇周年だから何かやろうって意識が全くなくて。それなのに、なぜかそういうお話が不思議と舞い込んでくるんです……なんて言ったら、他人事みたいですけど、20周年のときも自分でやりたいって言ったわけではないのに、“ジャズアルバムを出しませんか”という話がたまたま舞い込んできて、乗っかっちゃって(笑)。この写真集も、35周年だからやろうということは全くありません。きっと日頃、コツコツやってることを神様が見ていて、ご褒美をくださったのかな。
――次は50周年ですね。
藤 そういうのも全然なくって、本当に思いつきでやってます(笑)。日々、やっていることはそう変わらないで、また別のものを見つけたときは、それでまた展開していくんでしょうね。逆に今後の自分が楽しみです。SNSだって、本当にマルオレちゃんがただかわいくって、みんなに見せたいと思って始めたことですし、なんの計算もなく過ごしているんです。だから人生って本当に不思議ですよね。自分では思ってもいなかったことが突然、こうやって起きるんだから。まだまだ捨てたもんじゃない。冬美さんは、私の性格をよく知っているから、“計算しないからいいんだよ。本能で生きてるんだから”って
――憧れます。
藤 座右の銘じゃないですけども、“昨日より明日より今日を大切に”って常に思っているんです。振り返るより、先を見据えるより、とにかく今日という1日を一生懸命に生きることが、全てにつながっていくという思いがある。今を大事にしなきゃ。そう考えて、これからもずっと生きていくと思います
――そうやって進化し続けていくんですね。
藤 もちろん、不安もあります。本来は歌をお届けするのがメインだったんですけど、この2年はコロナ禍でコンサートができなくなってしまって。私、大丈夫かな。それまで、お会いできていたファンの方とも距離ができてしまったのではないかしらとか。それを埋めたくてのSNSであったり、この写真集でもあるんです。皆さんに、私の表現していること、考えていることを感じ取ってほしいなと思っています。
――コロナ禍が明けてコンサートをしたら、客層も変わっているかもしれないですね(笑)。
藤 マルオレTシャツを着ているような人が増えていたりしてね。そうだったら、うれしいです。本当はすごく歌いたいんです。ゆくゆくはマルオレ・フェスをしたい。それが当面の私の目標です。マルオレちゃんを愛してくれている皆様と一緒に、何か行動を起こしたい。SNS上では気持ちが通じ合っていても、実際はお会いしたことない人ばかりなので、コロナが落ち着いたらそういう場が持ちたい。
そのために今、ギターを始めています。ヒゲダン(Official髭男dism)の(小笹)大輔さん(もマルオレのファン)にギターを選んでもらって、先生も紹介してもらいました。美川(憲一)さんの紹介で、B’zの松本(孝弘)さんのお家に遊びに行ったこともあります。いずれ、そんな方々とフェスができたら。夢は広がります!
全ての写真をみる(https://wanibooks-newscrunch.com/articles/photo/3061)
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