リリー・フランキーとラジオで軽妙トークを繰り広げる謎の美女・BABI
2022年04月23日 17時00分WANI BOOKS NewsCrunch
TokyoFMのラジオ番組「スナックラジオ」などで、リリー・フランキーに引けを取らない軽妙なトークを見せているBABI。SNSを見ても、“絵描き”“写真家”とだけ書いてあり、その実態はつかめない。そこで今回、ニュースクランチでは彼女の半生や、業界に入るきっかけになった意外な人物のひと言、リリー・フランキーやZEEBRAなどとの交流、更に年下との付き合いに悩む年配サラリーマンへのアドバイスなど、彼女の魅力が充分に詰まったインタビューを行いました!

■子どもの頃のあだ名は山賊!?
――BABIさん、生まれは代官山とお聞きしたんですが、幼少期はどういうお子さんだったんですか?
BABI 見た目はギャルでした。でも、大人になってから幼なじみに会って、小さい頃の話を聞くと、ギャルでもヤンキーでもオタクでもなく、陰で山賊って言われてたらしいです(笑)。
――山賊!?(笑) たしかに代官山ですけど、山賊ってすごいですね(笑)。
BABI 先生もヤンキーならヤンキー、ギャルならギャルの叱り方があると思うんですけど、どれでもないから扱いにくかったと思います。小学生のときに、ジャングルジムの一番上にのぼって、通りかかる先生全員にメガホンで文句を言ってたんです。
――山賊でもあり、活動家でもあったわけですね(笑)。
BABI そんなメッセージ性が強いわけでもなく、まだ子どもだったからボキャブラリーもなくて、「このたぬきリス!」って意味不明な造語で野次ったりとか(笑)。
――可愛らしい(笑)。お話を聞くと、幼少期から多感だったんじゃないかと思うんですけど、その頃で強く記憶に残っていることってありますか?
BABI そうですね、中学が女子校だったんですけど、4人くらいの仲がいいグループがあって、その中の1人がすごく巨乳だったんですね。その子は胸が大きいことがずっとコンプレックスで、男子からは「おっぱい」って酷いあだ名をつけられたらしいんです。それが嫌で、夕食のときに両親にそのことを伝えたら、父親から「まあ、それが役に立つ日も来るから」って言われたんですって。なんかわからないけど「うわ、キモっ」って思って母親を見たら、母親も巨乳で、そこでいろいろ悟って父親が無理になった、って話をしてて。
――なるほど、思春期の子にしてはかなり繊細な話だし、レベルの高い話をされてますね……。
BABI それを聞いて、私はそんな経験あったっけ、って思い出したときに、小さい頃は肌が弱くて、バリバリ掻きむしっちゃってたんです。私はお父さんと二人暮らしだったんですけど、「そんなに掻いたら肌が傷つきますよ」って言いながら、いつも薬を塗ってくれてたんです。
――いい話!
BABI 今にして思うと、私にはお母さんがいなかったので、お父さんがひとりで父と母、二役やってくれてたんだな、って。あ、それこそ私は小さい頃から絵を描くのが好きで、幼稚園のときに絵の宿題を出されたんです。「自分の好きなものを描きましょう」って。そこで私がずっとがキレイだと思ってた、父親所有のエッチな本を絵に描いたんです。
――(笑)すごい!
BABI 日本のものから海外のものまでオールジャンル取り揃えていて、それを一生懸命描いて提出したら、親子ともども呼び出しを食らって(笑)。「何考えてるんですか!」って。
――それはそうでしょうね(笑)。
BABI その帰り道、お父さんが怒ってるから、呼び出されたことを怒ってるのかと思ってたら「女性の裸の描き方はああじゃない」って言い出して(笑)。
――まさかの作品へのダメだし!(笑)
BABI 今考えると、あのときの行為じゃなくて、作品に対するダメ出しをしてくれたのは、すごく自分の中で大きかったなって思います。
――そこで頭ごなしに怒ってたら、絵に対する興味自体なくなってたかもしれないですしね。
BABI そうですね。そこはすごく感謝しています。
――BABIさんはお写真も撮られてますよね。
BABI 写真の上から絵を書いたりするので、カメラマンの方からはすごく邪道って言われたりするんですけど、私の場合は撮りたいから撮る、というより、こういうものを作りたいから素材として撮るという感じなんです。絵の具を買っておく感覚と近いかもしれないです。

■永山瑛太、リリー・フランキー、ZEEBRAとの交流
――10代後半に一度留学されているとお聞きしたのですが、この業界に入られたきっかけは、なんだったんでしょうか?
BABI パリに住んでいた頃は、同じ学校のなかに画家を目指す子、写真家を目指してる子が周りにいたので、自然と表現の仕事をやりたいなと思えていたんですが、いざ日本に戻ってきたら、当時は自分の周りにはそういう子が少なかったのもあって、自分から行動をすることはなくて。でも、絵は好きだからずっと描いてたんですけど、ある時に共通の友人を介して永山瑛太さんとお会いしたんです。
――いきなりビッグネームが!
BABI その友人が、私のことを“この子、絵がすごく上手なんだよ”って紹介してくれて。瑛太さんが“そうなんだ、見せて”と言ってくださったんですけど、私が全力で拒否しちゃって。
――え、なんでですか?
BABI その頃は、その時々の自分の喜怒哀楽を絵にしているだけだったから、自分を覗かれるみたいで“恥ずかしい”と言ったんです。そしたら瑛太さんが“表現って、恥ずかしいと思っていることを全力でやるのが表現なんだよ”と言ってくださって。それが自分の価値観を変えた言葉でした。それで瑛太さんに見せたらすごく褒めてくださって、ちょっと真剣に絵を仕事にしてみよう、って思いました。そこからいろいろとつながって、リリー(フランキー)さんとも面識ができて。

――リリーさん、初めてお会いしたときって、どんな感じだったんですか?
BABI 自己紹介したら、リリーさんのあの感じで「そんなに可愛いんだから絵なんか書いてる暇ないよ、絵は暇な人が描くものだから」って冗談っぽく(笑)。でも、絵を見せたときに面白いと思ってくださったのか、リリーさんが京都のお寺の屏風におでんくんを描く際に「一緒にやってくれない?」と誘っていただいて。それだけでもうれしかったし幸せだったんですけど、すごく大きい屏風だったんで、描き切るのに時間がかかるんです。半年くらいかかったのかな、その間ずっとリリーさんと他愛もない話をしてたら、急に「俺らがここで話してること、面白いからラジオで流そうよ」って言ってくださって。
――すごい展開ですね!
BABI リリーさんにラジオのオファーがずっと来てたらしいんですけど、“一緒にやりたい人がいないから”と断ってたらしくて、そこで“この子と一緒にやれるならラジオをやりたい”と私のことを紹介してくださいました。
――つながっていきますね。
BABI そこからラジオの仕事はつながってるし、自分にとって大きな出来事でしたけど、単純にあの屏風の前でリリーさんとお話しできたことがすごく楽しかったし、良い思い出です。
――いろいろな場面で、BABIさんのもとには重要な人物が現れて、人生を変える言葉を授けてくれるんですね。人に恵まれてるんだなと思うし、それはBABIさんの魅力が大きいんだろうなって。
BABI そうですね。でもその分、いろいろと嫌なことを言ってくる人もいますけどね。「金持ちの娘だから道楽でやってるんだろ」とか「リリーさんの力を使って」とか。でも、好きな人に言われたら耳に入るけど、なんでもない人に言われても“そうですよね~、いいでしょ”みたいな感じ(笑)。賛否両論があっていいと思うし、それこそ私の絵をみて「この絵嫌い」って言われるのも良いんです。なんとも思わない、が一番悲しいです。自分の絵の足りないところは自分が一番わかっているので。
――ZEEBRAさんとの交流も深いですよね。
BABI ジブさんもすごく私にとって大事な方です。もともと私がHIPHOP好きで、会って、初めてお会いしてすぐに気に入っていただいて。私が絵の仕事をしたいというのも理解してくれて、“俺はミュージシャンだからすぐに仕事とか紹介できないけど、一緒にやれる仕事があったら誘うね”って言ってくれて、その通りYouTubeだったり、今やってるWREPってラジオの番組に誘ってくれて。
――とても義理堅く、BABIさんの能力をすぐに見抜いたんですね。
BABI ありがたいです。あと、初めてお会いしたときに、なんて上品な人なんだろうって思って。御本人は日本のヒップホップシーンに対する責任があって、それこそいかつい人たちをフックアップして“わ-っ”とやってるんですけど、抜けきらない品の良さがあるんですよね。
■おじさんはうまく立ち回らなくて良い!
――リリーさんもZEEBRAさんも、BABIさんの天性の魅力というか、年上年下関係なく、別け隔てなく接している交流の賜物だと思いますね。
BABI 私、人の話を聞くのが好きなんですよね。みんな自分の話をしたがるけど、私は自分の話より人の話を聞くほうが好きなんです。話を聞きながら分析するのも好きで、例えばリリーさんだったら“この人なんでこんなキモいこと言ってるのに、キモく聞こえないんだろう”とか(笑)。
――(笑)。でも、自分の話をしないで、人の話を聴きたいっていうのは、興味深いですね。
BABI 本当、人が好きすぎて、自分が描く絵も人しか描かないんです。あと、例えば私がアンジェリーナ・ジョリーだったら、自分の話を死ぬほどしたいですよ。でも、そうじゃない私ごときが、みたいな気持ちは常にあるかもしれないです。人の話をたくさん聞いてきたので、自分を客観視できてない人たちをたくさん目の当たりにしてきたので(笑)。
――なるほど。そんなBABIさんにお聞きしたいんですが、このニュースクランチを読んでいる層で、一番多いのが30代~50代の男性なんですね。それぐらいの人が、年下、特に異性の部下とのコミュニケーションに困ってる方が多いと思うんですが、BABIさんからアドバイスはありますか?
BABI すごく汚い言葉遣いになるかもしれないですけど、絶対にジジイのほうが幸せなんですよ。
――(笑)え、そうですか?
BABI そうですよ! 例えば、キャバクラに行って「カッコいいですね」とかおだてられて、喜んで帰る、あわよくば通って“イイ関係”にもなれる。女性として生きていて、そこを比較すると、例えばホストクラブになるわけですけど、でもホストクラブって私より若くて可愛い女性も来る。50歳で女性のホストクラブは、50歳で男性のキャバクラよりも楽しくないはずなんです。
――なるほど……(笑)。
BABI だから、うまくやろうとしなくていいと思うんです。どうせ年をとったら若者からは嫌われるんです。そりゃ嫌なこととかセクハラとかはしちゃダメだけど、うまく立ち回ろうとせずに、おだてられたら素直にうれしがる。それくらいが可愛らしいなって思いますけどね。
――たしかに、うまく立ち回ろうとしすぎても、可愛げがないですよね。これまでお話しを聞いて、BABIさんってあまり苦手な人がいないんじゃないかなと思ったんですけど、こういう人は苦手とかありますか?
BABI 少し語弊があるかもしれないですけど、自分が女性でありながら、女性に対しては基本的にフラットかもしれないですね。過剰に好きになったり嫌いになったりもしたことがない。女子校だったから特に思うのかもしれないですけど、言ってることがさっきとぜんぜん違うじゃん、とか、昨日は仲良かったのに今日は仲悪い、とか、全部“女の子だしな~”って思ってますね。それこそ大人になってからも、私がしゃべってることを録音されて、それを私のいないところで勝手に流されたりとかもあったので。だから、助けてって言われたらもちろん助けるけど、自分から女性に助けを求めたことはないかも……。
――すごく俯瞰で見られていて、その話は新鮮でした。世の男性に聞かせたいなって。
BABI そうそう、基本的に女性の都合を優先する、約束をドタキャンされても仕方ない、それくらいの気持ちで女性の方とは付き合っていってほしいなって、フラットな立場から思いますね、そうすると大概うまくいきますよ。
――肝に銘じます……。今年はこれに挑戦してみたいなど、目標はありますか?
BABI 今年は個展をやらずに、描きためる時期にしようかなと思ってて。少し前にちょっと気持ちが落ちてたんですけど、舐達麻さん(日本のヒップホップグループ)の曲を聞いてすごく救われたんです。彼らの曲はとてもリアルで攻撃的なリリックなんですけど、そこには優しさがあって、私はそれを聞いてとても前向きになれたんです。私が絵を描く原動力やきっかけは怒りだったりするけど、角度を変えて見ることで元気を貰える人がいるかもしれない。彼らの曲を聞いて、そこを思い起こさせてもらえたことがうれしかったですね。なので、たくさん作品を描きたいと思います!

■プロフィール
BABI
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