ワタナベエンターテイメントの大澤剛常務がセクハラ問題で解任。無くならない芸能界でのセクハラとは。

ワタナベエンターテイメントの大澤剛常務がセクハラ問題で解任。無くならない芸能界でのセクハラとは。

ワタナベエンターテイメントの大澤剛常務がセクハラ問題で解任。無くならない芸能界でのセクハラとは。の画像

大手芸能プロダクションのワタナベエンターテインメントの大澤剛常務が若手男性アイドルに対して1年間にわたってセクハラをしていたことが週刊文春によって報道されています。大澤氏は自身がプロデュースした若手男性アイドルに対してLINEで卑猥なメッセージを送っていた他、撮影現場や自宅、ホテルなどで裸の写真をとったり、性的行為などを行っていました。セクハラをされていた男性は所属事務所の先輩が水着姿となっている写真を大澤氏に送っていたのを見せられており、アイドルとして活動するためには枕営業も仕方がないことだと諦めていました。

このセクハラ問題を受けてワタナベエンターテインメントは大澤氏を6月11日に役員から解任し、停職処分としています。大澤氏はワタナベエンターテインメントにおいて所属タレントの記事が週刊誌などに掲載される際に、よい記事であればより大々的に取り扱うように、また悪い記事であれば取り下げるように圧力をかけていくという汚れ役を担ってきました。しかしながら、最終的には自身のスキャンダルをもみ消すことはできず、解任に追い込まれることになりました。

これまでにも芸能界では芸能事務所の関係者や大物芸能人などによるセクハラ問題がたびたび問題となってきました。こうしたセクハラ問題は日本の芸能界に限らず、海外の芸能界でも大きな問題となっています。

俳優の西田敏行さんが理事長を務める日本俳優連合などが2019年にインターネット上で行った「フリーランス・芸能関係者へのハラスメント実態アンケート」で、俳優や声優などの36.6%がセクハラ被害にあっていたことが分かりました。このアンケートではハラスメントを告発しても「潰されるのは私の方」だと泣き寝入りしているケースも報告されており、優位な立場を利用したセクハラが芸能界で蔓延していることが伺えます。

海外でも大物プロデューサーや芸能人がセクハラをしていたことが告発されています。例えば、『恋に落ちたシェイクスピア』のプロデューサーであるハーヴェイ・ワインスタイン氏は女優やモデルなどからセクハラで訴えられ、これまでに8件の示談に応じたことが報じられています。また、女優のナタリー・ポートマン氏もハリウッドのセクハラ話なら100はあると公言しています。ハリウッドで働く女性の94%がセクハラ被害を受けていたという調査結果もあり、日本だけでなく世界的にも芸能界でのセクハラ問題は深刻です。

現在はMeToo運動などでセクハラに対して声を上げやすい環境が昔と比べて整っています。しかしながら、セクハラを受けていたというネガティブなイメージが付くことや噂を流されることを告白者が恐れ、セクハラを訴えることができないケースもあり、セクハラを完全になくすことは難しいと言えます。

先述の「フリーランス・芸能関係者へのハラスメント実態アンケート」では、セクハラを訴えることで業界内での信頼が失われるという懸念からセクハラ被害を訴えることができなかったケースも報告されています。また、実際に性的関係の提案を拒否した男性は「女癖が悪い」などの噂を流されるのイメージダウンにつながったことも明らかになっています。このようにセクハラを拒否したり、告発することによってイメージダウンの恐れがあるため、告発をしたくてもできないというケースもあります。

芸能界で有力な立場にいる人と新人などでまだ売れていない芸能人との間でパワー関係の非対称性が存在する限り、有力な立場を利用したセクハラをなくすことは難しいでしょう。そのため、そもそもセクハラをさせないことも大事ですが、告発をしやすい環境をつくるなどセクハラをされた後に被害者のダメージが少しでも少なくなるような環境を整えていることが求められます。

関連記事(外部サイト)

×