森山直太朗が不器用な夫を好演 妄想シーンも心地いい

<うきわ―友達以上、不倫未満(テレビ東京系)> 不倫ドラマはもうお腹いっぱい、と思っていたけど、初回を見てすっかりハマってしまった。野村宗弘の同名コミックをドラマ化したもので、社宅のお隣に住む主婦と夫の上司との「友達以上、不倫未満」の関係を独特のタッチで描き、原作のほんわかとした雰囲気をうまく描いている。

門脇麦演じる麻衣子は夫(大東駿介)の転勤で広島から上京。家族も友達も、周りに知り合いがひとりもいないなか、夫は毎日忙しく帰ってこない。ある時、夫の上司である二葉(森山直太朗)と壁1枚隔てたベランダで会話したことをきっかけに仲良くなり......。

■新たな感情が...

麻衣子の夫は大学時代の後輩(蓮佛美沙子)と社内不倫、二葉の妻は陶芸教室の先生(田中樹)と不倫。「サレタガワ」の2人がお互いの傷と秘密を共有し、不思議な共犯関係に。さらに、麻衣子は二葉への新たな感情に気づく。

タイトルどおり「友達以上、不倫未満」な関係に見ているこちらもドキドキしてしまう。麻衣子が広島弁を喋ることで素朴な感じが伝わる。原作の舞台は広島で、全員広島弁だが、ドラマでは麻衣子だけが広島弁を喋ることで、孤独感も際立つ。方言が活きている。

二葉役の森山直太朗も妻の浮気を知っていながら、妻に何もいえない不器用な夫を好演。2人とも原作のビジュアルにそっくりで好感がもてる。

第6話(2021年9月13日)。お互いの夫と妻が不倫に終止符を打ち、元の生活が戻ってきた。楽し気なお隣夫婦の会話を聞き、ベランダを突き破ってお隣の部屋を覗く麻衣子はなかなかのホラー。と思ったら、それは麻衣子の妄想だった、というようなシーンに何度も騙されるが、その透かしが心地いい。昨今のドラマはわかりやすいことが主流になっているが、妄想も入れ込み、わかりにくいところがいかにも大人のドラマという感じだ。そもそも人間の感情や行動など、白か黒、善か悪かとはっきり分けることなどできないのだから。

家を出て行ってしまった麻衣子。二葉への抑えきれない感情をどう昇華していくのか。毎週月曜日が楽しみだ。

(くろうさぎ)

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