TBSドラマ制作部の底力を感じさせる連続ドラマ「最愛」に注目

この10月期の各局の連続ドラマを見て、面白いと思ったものを紹介します。

引き付けられたのが、10月15日、金曜日の午後10時からTBSで始まった「最愛」です。

オリジナルドラマで、主人公の朝宮(真田)梨央を演じるのは吉高由里子、高校3年生の役からスタートします。大学陸上部男子寮の寮夫の娘で、父の手伝いをしています。男子寮には、梨央(吉高)と相思相愛の陸上部のエース・宮崎大輝(松下洸平)がいました。

ある祝勝会の夜、梨央(吉高)の父が留守にしているときに、寮で事件が起きるのです。先輩部員が寮を訪れ、こっそり女性たちを招き入れて大騒ぎします。

その先輩部員から迫られた梨央(吉高)は、襲われたショックで、何が起きたのか、そのときの記憶をなくします。

次の朝早く目覚めると、なぜか手首に傷と血が付いていましたが、彼女は何が起きたのか理解できません。ただ、父が事件を起こした先輩の死体の処理をし、家に戻って来のではないかという疑いを持つのです。

翌日、大学受験のため上京する梨央(吉高)を駅まで送り届けた父は、彼女と彼女の弟を「何があっても守る」と言います。しかし、その父が受験直後に、クモ膜下出血で、亡くなってしまいます。

父が最初に結婚した時に生まれたのが梨央(吉高)で、弟は再婚で生まれた子でした。梨央(吉高)が母親代わりとなって、弟の世話をしています。東京で実業家になっていた母(薬師丸ひろ子)は、娘を心配し、弁護士・加瀬賢一郎(井浦新)を梨央の元へ向かわせます。

梨央(吉高)は弟が心配で上京するのを諦めようかと思ったのですが、周囲の助けもあり、上京を決意。迎えに来た弁護士加瀬(井浦)とともに、大輝(松下)には何も告げずに母の元へと向かいます。言葉に出さなくても大輝(松下)への思いが伝わってくる切ないシーンが続きます。

■白川郷の自然の美しさの中で起きた謎の失踪事件、真相は?

15年の時が流れ、梨央(吉高)は母の助けもあって、母が経営するグループ会社の社長を務める気鋭の実業家となっていました。そこに、15年前の夜、寮で起きた事件、行方不明になった先輩部員の父が現れ、彼も殺されてしまうのです。

そこに登場するのが、警視庁の刑事になった大輝(松下)で、部下が送ってきた先輩部員の捜査資料の中に、自分が梨央(吉高)に渡した受験のお守りを発見するのです。大輝(松下)は、梨央(吉高)を重要参考人としてマークします。

このドラマはオリジナルで、今までにない設定です。高校時代を過ごす岐阜・白川郷の美しい自然の中で陸上の試合を通して梨央(吉高)・大輝(松下)の青春の初々しい姿が描かれます。そこに謎の失踪事件が起こり、やがて東京を舞台に、その失踪事件に連なる新たな事件が起き、ますますミステリアスな展開に。ドラマとして「出来が良い」のです。

吉高の演技が素晴らしく、無邪気に恋心を伝えていた初恋の相手、大輝(松下)に対して、動揺を微塵も感じさせずに「初めまして」と、高圧的な態度を取ります。

大輝を演じる松下も存在感があり、駅伝の名選手ぶりとその後の刑事の役がハマっています。

TBSのドラマ制作部には、やはり「底力」がある、と思いました。

あの事件の真相は? 梨央の胸に去来するものは? 彼女は事件後の15年をどう生きたのか?

今後の展開が楽しみなサスペンスラブスト―リードラマ、TBSがどう描き切るのか注目しています。

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