誤送金問題 「カジノで勝った分、別口座に」の可能性 モーニングショーで識者指摘

司会の羽鳥慎一が「急展開となりました」と紹介したのは、山口・阿武町で新型コロナの給付金4630万円が誤振込された問題。警察は「全額をネットカジノで使い切った」と話していた24歳の男を電子計算機使用先の疑いできのう18日(2022年5月)、逮捕した。逮捕容疑の電子計算機使用詐欺は振り込め詐欺などでよく用いられる罪名。逮捕に踏み切った理由について、警察関係者は「複数回の聴取に応じていたが逃走・証拠隠滅の恐れがあり、金を使った犯罪の悪質性も考慮した」と話しているという。

■出入金の動き

弁護士の資料をもとに作成したこの男の口座の出入金記録を見ると、誤振込前の残高は665円。4月8日に新型コロナの臨時特別給付金10万円と、誤振込分の4630万円が入金され、口座残高は4640万665円に。誤振込に気づいた町が男性宅を訪れ、男とともに銀行に向かったものの、男は「手続きはしない」と返還を拒否。その日に67万8967円のデビッド決済を行っていた。10日には2回のデビッド決済で約136万円と決済代行会社Aに約125万円の出金。11日にはデビッド決済で136万円、A社に6回、約787万円の計900万円以上を出金。12日には新たな決済代行L社に300万円とM社に400万円、以降も13日から18日まで連日数回出金し、逮捕された18日には残高が約6万8000円になっていた。

ITジャーナリストの三上洋氏は「各カジノに入れられる上限額まで使っている感じがあるが、誤振込のお金を元手に少し増やしてから返せばいいとなるので、上限額まで使わない。複数社に出金しているのはネットカジノの初回特典を利用するためだったのではないか」と分析し、さらに「デビッド決済とA社への出金額が半端なのはドル建てだから。L社、M社への出金はキリがいいが、これは円建てだったからと推察できる」と指摘した。

さらに三上氏は「出金があっても入金がないことが気になる」として「カジノで勝った分は別の口座に振り込まれていた可能性がある。「入金がない」ということと「全部使ってしまった」はイコールではない」とした。弁護士の亀井正貴氏も「そこが最も重要なポイントだ」と話す。

テレビ朝日の玉川徹は「町は8日に本人を訪ねて銀行まで同行している。この時点でおかしいと判断して仮差押えを申請すれば、9日にも止められた可能性がある。誤振込はミスだが、それは責められない。発覚した後の町の対応の問題がある。8日がダメでも、母親を連れて職場を訪れた14日にだって仮差押えできた」とコメントした。

三上氏は「カジノサイト内のお金の動きを突き止めることが重要。カジノ内に男が入金した金が残っていれば、IDとパスワードで出金できる」と言う。

日本にはカジノはないが、実はネットカジノ大国だ。ネットカジノへのアクセス数はこの3年で2.7倍に増え、アメリカ、ドイツ、韓国に次いで世界第4位だという。

■町側の対応の問題点

阿武町の米津高明議員は誤振込の原因として、4月の人事異動でベテラン職員から新人職員に変わったからだとして、フォロー体制がしっかりしていれば防げたと話し、花田憲彦町長は「二度とないように努める」と謝罪した。

しかし三上氏は「データのやり取りがフロッピーディスクだったというのもそもそもの問題だった。また、人によるチェックだけではなくシステムによるチェックができる体制を導入すべき」と指摘した。

玉川は「問題は2つある。誤振込の問題と、それがわかった後の対応で被害をもっと小さくできなかったのかと言う問題だ」とコメントした。

2018年には大阪・摂津市で住民税の還付金を一桁多く支払ってしまった事例がある。振り込みを受けた男が返還しなかったため訴訟になり、裁判では男に悪意があるという判決が出たが、いまだに返金はされていないという。

羽鳥は「阿武町の男性はお金を使ったのか、それとも移動させただけなのかが捜査のポイントになってきます」とまとめた。

(バルバス)

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