玉川徹 ペロシ訪台に「日本にとってもいい迷惑」

ペロシ米下院議長(82)の台湾訪問に対抗して中国軍が7日(2022年8月)も大規模な軍事演習をした。米中関係が緊迫するなか、日本のEEZ(排他的経済水域内)に中国軍のミサイルが5発落下した。米軍敗北のシナリオも出る中で、8日の「モーニングショー」が、米中それぞれの「本音」を探った。

中国側の激しい反発のきっかけとなったペロシ下院議長は5日の記者会見で、「今回の訪台は、台湾の利益より自らのレガシー(政治的遺産)作りが目的、という指摘がある」と記者に聞かれ、「バカげた主張だ。私自身ではなく台湾のためだ」。

■「個人的なレガシーづくり」指摘も出ている

中国外務省はペロシ訪台について5日、「中国の深刻な懸念と断固たる反対を無視して訪台した」「ペロシ下院議長とその直系の親族に制裁を科す」。

ペロシ氏は、女性として初めて下院議長となった。「対中強硬派」として知られる。1991年に天安門広場を訪問するなど、中国の人権問題を追及してきた。台湾については、下院上院とも、民主共和党を問わず、「現状維持の立場を圧倒的に支持」している。ペロシ氏は「中国のミサイル発射は、おそらく私たちの訪問を言い訳にしている。中国が台湾を孤立させることは認めない」。

一方で、中国はペロシ訪台を受けて、軍の高官協議の中止や海上の軍事安全に関する会議の中止、気候変動協議の一時停止など「8つの対米対抗措置」を発表した。これに対し、米国側は「中国政府との対話を維持する取り組みを続ける」(カービー戦略広報調整官)とし4日、予定していた大陸間弾道ミサイルの発射実験延期を発表した。

テレビ朝日の布施哲・ワシントン支局長は、「ペロシ下院議長を突き動かしているのは、個人的なレガシーづくり。11月の中間選挙で民主党の敗北は確実と言われ、下院議長の座を退く前に、自らの政治キャリアの総決算として『卒業旅行』に出た。ホワイトハウスとしては、いい迷惑、というのが本音」。一方で、千々岩森生・中国総局長は、「中国政府にも失望、怒りの世論が向いた。強気なこと言っておきながら(訪台を)許したじゃないか。やられているじゃないか。これは習近平政権にとって最悪で、一気に世論のコントロールに入った。4日の軍事演習が始まってからずっとメディアは演習をアピールした」。

コメンテーターの玉川徹(テレビ朝日社員)は「日本にとってもいい迷惑だ。わざわざハチの巣をつつかなくてもいいじゃないですか。台湾の問題は日本にとって対岸の火事ではない。ここで何か起こったら、日本はタダじゃすまない。日本の中の方が大火事になる」

(栄)

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