穏やかな生活が一変……スーザン・ボイルが、地元の少年ギャングたちからいじめを受けていた!

穏やかな生活が一変……スーザン・ボイルが、地元の少年ギャングたちからいじめを受けていた!

せっかく隠遁生活で落ち着けると思ったら……

 イギリスの国民的オーディション番組で天使のような歌声を披露し、世界中にその名を轟かせた歌手のスーザン・ボイル(56)が、近所の不良少年たちのいじめのターゲットになっていることが明らかになった。罵声を浴びせられたり、大人数に取り囲まれたり、燃える紙を投げつけられるなど行為は日に日にエスカレートしており、近隣住民たちは「そのうち大けがをする」「精神的に悪い」と心配しているという。アスペルガー症候群であるスーザンはひどいパニック障害にも苦しめられているため、このままでは取り返しのつかないことになってしまうのではないかと全英が心を痛めている。

 スコットランド中部のウェスト・ロージアンに位置するブラックバーンで生まれ育ち、教会のボランティアをしながら愛猫と穏やかな日常を過ごしていたスーザンが、イギリスの国民的オーディション番組『ブリテンズ・ゴット・タレント』に出場したのは2009年4月のこと。髪はボサボサで化粧っ気もなし。中年太りしている47歳の彼女は「プロの歌手になりたい」と意気込みを語るが、審査員は「その夢がかなっていないのはなぜなんだろうね」とゲテモノ扱い。観客席からは失笑が上がった。しかし彼女が歌い始めると、声量豊かで表現力のある美しい歌声に誰もが魅了され、会場は総立ちで拍手喝采に。YouTubeを通して世界中の人たちが外見と歌声のギャップに驚愕。社会現象となった。

 番組で準優勝したスーザンは、09年11月にデビュー・アルバムをリリース。15カ国でナンバーワンとなり大みそかには来日して、『第60回紅白歌合戦』に紅組特別応援歌手として出演。代表曲の「夢やぶれて」を披露した。10年11月にリリースされたセカンド・アルバムは、初登場全英・全米両チャートナンバーワンに輝き、世界中にスーザン旋風を巻き起こした。

 これほどまでに歌のうまい彼女が、なぜ『ブリテンズ・ゴット・タレント』に出場するまで歌手として活躍できなかったのか? それには深い理由があった。

 9人きょうだいの末っ子であるスーザンは、幼い頃から学習障害に苦しんだ。彼女は、英紙「Daily Mirror」のインタビューで、「物覚えが悪かったから、学校ではいつも後れを取っていた」「当時は学習障害の子どもたちに対する理解がなく、大変だった」「でも、一番最悪だったのはいじめられたこと。どうしていいのかわからなくて本当に苦しんだ」と告白している通り、学校で教師や同級生にさげすまれたことで彼女の自己評価はとても低くなってしまった。

 英タブロイド紙「News of the World」のインタビューでも、「17歳のときにひどいいじめを受けて、自殺しようと考えた。精神的に追いつめられてボロボロになってしまって」「私を追いつめたのは、10代の女子グループだった。最悪な人たちだった。精神的ないじめほどひどいものはない」と明かし、専門家の治療を受けたことを告白。いじめは10代後半になっても続き、死のうと思いつめるほど心はズタズタにされた。

 歌が得意だったスーザンは、歌うことで心の平穏を保つようになった。地元で歌声を披露したりテレビに出演したこともあったが、洒落っ気のない外見と会話の受け答えが苦手なことから、歌手になるチャンスは与えられなかった。07年に91歳で母親が他界し、介護生活を終えた彼女は「本当に寂しくて。私のそばにいるのは愛猫のペブルスだけで。自信もなくしていた」と落ち込んだが、母の魂は自分のそばにいると思うことで乗り越え、歌手になる夢を掴もうと決意。『ブリテンズ・ゴット・タレント』シーズン1の優勝者にインスピレーションを受け、同番組に応募したのだった。

 実はこの『ブリテンズ・ゴット・タレント』放送時にも、彼女に対するいじめが行われていた。やっかみから彼女を中傷する声が上がり、17歳の彼女を自殺したいとまで追い込んだ「精神的ないじめ」を、見ず知らずの相手から受けるようになったのだ。強引なパパラッチのおかげで私生活も荒らされ、彼女は情緒不安定な状態に陥った。勝ち上がっていくにつれプレッシャーから感情的になったり、「もうやめる」と泣きながら取り乱すスーザンの姿を、タブロイドは面白おかしく報道。準優勝に終わった直後、ホテルでメルトダウンしていると警察に通報され、精神科病棟に入院させられたくらい彼女はボロボロになってしまった。

 プロの歌手として活動を始めた後も、スーザンはプレッシャーから心が折れてしまい、たびたびメルトダウンするようになった。パニックになり、口汚い言葉を吐く姿が逐一報じられ、人気は急下降。13年にリリースした故エルヴィス・プレスリーとのデュエット曲「O Come, All Ye Faithful」が48位にランクインして以来、チャートインはなく、14年に発売したカバーソング「You Raise Me Up」を最後にシングルはリリースしていない。最新アルバムは昨年11月にリリースしているが、これまでの中で最も売れず、あまり話題にもならなかった。

 世間をドン引きさせたスーザンのメルトダウンだが、12年に「場の空気や人の表情を読むことができず、対人関係がうまくいかないアスペルガー症候群」だと診断。メルトダウンにつながるパニックを起こすのは、アスペルガー症候群が原因だと見られている。

 15年には、血糖値が正常より高くなる2型糖尿病だと診断。医師から体重を減らすように指導され、真面目な性格のスーザンは努力して、見事12キロの減量に成功。糖尿病のほうはうまくコントロールできているようなのだが、アスペルガー症候群とはまだうまく付き合えず、昨年「アスペルガーにより、精神的な大ダメージを受けていて。ツアーの日程なんて、とてもじゃないけれど計画できない」と発言。今は生まれ育ったブラックバーンで穏やかな日々を過ごしているのだと思われていた。

 そんなスーザンが「地元の不良少年たちから、日常的にいじめられている」という、心が締め付けられるニュースが飛び込んできたのだ。

「Daily Mirror」の電子版は現地時間26日、スーザンが15人ほどで構成される地元の不良少年ギャングたちのターゲットになっていると報道。

「(スーザンの家の近くにあるモール)ミル・センターに入ろうとしたら、ちょうどスーザンが出てきて。入り口にずらっと立っていた不良少年たちから『メガネ買えよ。ぶさいくでヨボヨボのビッチ!』って暴言を吐かれていた。ぞっとした」という目撃証言をはじめ、「少年たちが、バスに乗っている彼女に向かって石を投げたり、叫びながら罵声を浴びせたりしていた」「10〜15人くらいで彼女を取り囲み、逃げられないようにして物を投げつけていた」など、スーザンに対してひどいいじめが行われていることを伝えた。

 いじめは毎日のように行われており、日に日にエスカレートして「紙に火をつけて彼女の顔に投げつけていた」という、犯罪的な行為も行われているという。

 この不良少年グループは、近隣に住む16〜18歳の少年10〜15人ほどで結成されているギャングで、ほかの住民たちも被害を受けているとのこと。住民たちは、同紙の取材に対して「この地区では有名な悪ガキ集団なのよ。児童公園に放火したこともある。人の家に向かって花火を打ち込んだり、女の子の部屋の窓に卵を投げつけたり」「彼らはいつも自分より弱い人間をターゲットにする。複数でいる人たちは狙わない。基本的にチキンだからね。年寄りか子ども、精神的な病を患っている人を狙う。本当に胸が悪くなる」と口々に訴えたそうだ。

 人種差別的な暴言を受けた挙げ句、瓶を投げつけられたという女性もおり「バスを待っていたら、頭に向かって瓶を投げられた。幸い命中しなかったけれど、当たっていたら、とんでもないことになっていたでしょうね」と大激怒。「警察には15回も通報したわ。ヘルプラインにも電話した。だって、自殺したいと思うほど、精神的に追い込まれてしまっていたから」とも明かしており、もともと情緒不安定なスーザンも、同じように精神的に弱っているのではないかと懸念される。

 スーザンは『ブリテンズ・ゴット・タレント』で準優勝して間もなく、自分が育ったこぢんまりとした公営住宅を6万5000ポンド(約934万円)で購入。少し離れた場所に30万ポンド(約4310万円)する新築物件も購入したが、「ポッシュ(ぜいたくな)・ハウス」と彼女自身が呼ぶように居心地が悪かったのか、姪に譲り渡してしまった。以来、思い出の家に戻り、そこに根を下ろしている。

 近隣住民たちは、不良少年たちのエスカレートするスーザンへのいじめに心配し、「いつでも助けに行くし、守ってあげるから」と彼女を励まし、安心させられるよう努めているとのこと。「スーザンが有名人になってからというもの、若者たちは彼女をいじめるようになった」「不良少年たちは、歩道をうろつき回っている。普通の大人ならある程度抵抗できるけど、スーザンの健康状態だと難しいものがある」「連中は行ったり来たりウロウロする傾向があるから、見つけたら追い払うようにしているのだけど……」などと、うんざりした口調で口々に訴えていた。

 スーザンは昨年、メディアの取材に対して、自分が住んでいる地域の住民たちは良い人ばかりで、日常的に助けてくれて心から感謝していると発言。「本当に素晴らしい“ご近所さん”で。電球を交換してくれたり、色いろいろ助けてくれるの。私じゃ、できないから」と述べていた。その一方で、近所の不良少年たちにロックオンされ、いじめを受けていたのである。いじめは長期間にわたり続いているものと思われるが、スーザンの口から語られたことはない。心優しい彼女のこと、きっとそんな話をしたら、近所に迷惑がかかると思ったのかもしれない。

 日々、エスカレートするいじめでスーザンが再びメルトダウンするのではないかと、全英から心配する声が上がっている。また、警察の対応の悪さを指摘する声もある。

 取り返しがつかなくなる前に、一日も早く、スーザンに対するいじめが止むことを願わずにはいられない。

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