連邦地検がR・ケリーを逮捕するも、性奴隷となっている女性の家族が彼女たちの自殺を危惧

連邦地検がR・ケリーを逮捕するも、性奴隷となっている女性の家族が彼女たちの自殺を危惧

R・ケリー自身も追い詰められているはず

 6月17日に開催された全米最大級の映画・テレビの祭典「MTVムービー&TVアワード」で、最優秀ドキュメンタリーを獲得した『Surviving R.Kelly』(1月放送)。これは、人気歌手R.ケリーの未成年の少女に対する性的虐待やモラハラを告発するもので、勇気を振り絞って出演した被害者たちをたたえる声は、放送から半年たった今なお絶えない。

 同番組や近年のロリコン疑惑報道がきっかけとなり、ケリーは2月22日にイリノイ州クック郡の検察から10件の性的虐待容疑で起訴され、警察に出頭、逮捕された。女友達に保釈金を払ってもらって保釈された彼は、ニュース番組『This Morning』(3月6日放送)のインタビューに出演。イスから立ち上がり、Fワードを炸裂させながら「オレはやってない! バカじゃないか!」と泣き叫ぶなど感情的かつ高圧的な姿をさらし、「185cmの大男がカッとなり怒鳴る。これでは、少女たちも怖くて言いなりになるしかない」と全米から白い目で見られるようになった。

 その後、5月30日にクック郡の検察から新たに11件の性的暴行と虐待容疑で起訴されたケリーは、6月6日、裁判所に出廷して無罪を主張。ネット上では、「近いうちに、連邦犯罪に問われるだろう」「そうなれば禁錮刑に処されるはず」「2008年の児童ポルノ裁判では無罪になったが、今回はそうはいかない」と厳しい見方をされていた。

 そして、現地時間7月11日。とうとうケリーは新たな罪を含む13件の容疑で、連邦地検に逮捕された。米ニュースサイト「TMZ」によると、ケリーは11日夜にシカゴで犬の散歩をしていたところを逮捕されたとのこと。未成年の少女に「カメラの前で性的行為を強要」した罪や、わいせつ行為などを目的とした女性の州間移動を禁じたいわゆる“マン法”に違反した罪にも問われている。

 「カメラの前での性的行為」とは、『Surviving〜』でも明かされた、「セックスやオーラルセックスのほか、少女たちの顔や体への放尿」をビデオカメラに収めること。ケリーは少女たちとのセックスをビデオ撮影するのが習慣となっており、これらのテープを“戦利品”として大切に保管していたとされている。「TMZ」によると、ケリーの元スタッフといった内部関係者らが、“戦利品”であるセックス動画20本以上を、連邦捜査を行っていたイリノイ州北部地区の捜査機関に提出。検察官は少女たちが未成年であるという複数の証人を確保できたとのことで、このテープが証拠となり、連邦地検が逮捕・起訴できたのだと伝えた。

 なお、01年にケリーと未成年の少女たちとのセックス動画が流出して児童ポルノ罪として裁判が行われた時は、画質が粗く、ケリーが「自分ではなく弟」と主張したこともあり、本人と特定できないとして無罪になった。しかし、最近のカメラは機能が良くなっていること、また今回は本数が多く、被害者の多くが名乗りを上げていることから、前回のように逃げ切ることはできないだろう。

 今回のケリーの逮捕を受け、『Surviving〜』で、「ケリーに洗脳されて性奴隷として仕えている娘を返してほしい」と涙ながらに訴えていたジョイセリン・サベージの両親は、ジョイセリンと、彼女と常に行動を共にしている、もう1人の性奴隷アズライール・クラリーが自殺するのではないかと懸念。2人はケリーが3月にテレビインタビューを受けた時も同行し、2人そろって「性奴隷じゃない」「愛し合っている。普通の恋愛関係です」と主張したが、目には生気がなく、後方で咳払いをしながら見張っているケリーにおびえているように見えた。ジョイセリンの両親は、ケリーは「セックスカルトの教祖」で、少女たちを洗脳していると主張してきた。だからこそ「教祖が捕まった時には、自殺するように」と命じられていてもおかしくないと心配しているようだ。

 15日、「TMZ」は、ジョイセリンとアズライールが「私たちはシカゴにあるケリーのマンションにいます。元気です。何も変わったことはありません。このマンションから退去するように求められてもいない。自由に行動しています。私たちに関する情報が錯綜しているようですが、それらはフェイクニュースですから」と語る動画を公開。しかし、アズライールが一気にまくし立て、ジョイセリンは後方でうなずくだけという様子に違和感を覚えた人は多く、「洗脳はなかなか解けないから大変だよね」「重度のストックホルム症候群なんだろう」などと同情が寄せられている。

 また、7月6日、14歳の少女を含む数十人の女性たちに対して性的虐待を繰り返してきた容疑で逮捕・起訴された富豪で著名ファンドマネージャー、ジェフリー・エプスタインとケリーの関係を疑う人も。ジェフリーは、トランプ大統領やクリントン元大統領とも交流があり、米富裕層の一部が共有している「黒い秘密」に飛び火する可能性もはらんでいる。

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