スウェーデンで黒人差別のため(?)に拘束されていたエイサップ・ロッキーが、ようやく釈放される

スウェーデンで黒人差別のため(?)に拘束されていたエイサップ・ロッキーが、ようやく釈放される

暴力は処罰されるべきだけど、ここまでスウェーデン側があからさまだとは……

 出演する音楽フェスのために滞在していたスウェーデンで、散策中に若い男たちにからまれたラッパーのエイサップ・ロッキー。執拗につきまとう男たちにエイサップの堪忍袋の緒が切れ、彼らをボコボコに殴る動画が7月1日に流出した。翌日、エイサップはフェスに出演してから自主的に警察に出向いたところ逮捕され、劣悪な環境の中で長らく拘束されていた(既報)。???????????

 過去に誤認逮捕されたスヌープ・ドッグ、また逮捕されそうになったヒップホップトリオ「ミーゴス」のクエヴォは「スウェーデンは黒人差別する国」と断言し、「二度と行かない」と宣言。一方、白人ラッパーのG・イージーはコカイン所持罪と暴行罪で逮捕されたにもかかわらず、たった1日半で罰金と慰謝料を払って釈放され、イージー本人もスウェーデンには「明らかに白人優遇があり、人種差別が根付いている」とインスタグラムで発言した。このように、事件にはスウェーデンにおける人種差別が影響していると考える米国人は多く、SNSではエイサップの釈放を求めるハッシュタグ運動が起こったり、オンライン署名活動も行われたりと、大きな社会問題となった。

 7月30日にはスウェーデンで裁判がスタート。エイサップの弁護士は「正当防衛であり無罪だ」と主張した。一方、証言台に立った被害者は、「エイサップと取り巻きの男たちに暴行されている時は、殺されると思った。今も悪夢にうなされる。手を負傷したため、仕事もできない」「自分が薬物でハイになっていたという報道があるが、それは事実ではない」と訴えた。

 裁判2日目の8月1日には、エイサップが証言台に立ち、「被害者だと主張する男性に執拗につきまとわれたので、『やめてくれ』と懇願した。でも彼はつきまとい続け、あまりにも話が通じないので、薬物でハイになっているのだと思った」「取り巻きたちと一緒になり、暴力を加えたのは認める。何を言っても通じない不気味な男がボディガードを殴るのを見て、守らなければと手を出した」と正当防衛を主張した。最大の争点となっている「エイサップがガラスの瓶で被害者を殴ったか」という点については、「自分は瓶など手にしていない。取り巻きが瓶を手に持ち、『あいつら(被害者グループ)を連れてこい』と言ったのは認める」と否定。

 検察官は「エイサップのアシスタントのメールには、エイサップが瓶で被害者を殴ったこと、またその様子を映した動画が削除されたかどうかを心配していることが書かれている」と詰め寄ったが、エイサップは一貫して「自分は瓶など手にしていない」と主張。

 また、エイサップは裁判官に、「スウェーデンで1カ月を過ごした。この国に来るのは今回で5〜6回目で、本当に美しい建築も見させてもらった。あまりよくないものも見させてもらった…… 私が求めているのは公平な扱い、それだけです。汚名を返上したい」と訴えたという。また今回の拘束により、エイサップは複数の音楽フェスへの出演がキャンセルとなったが、「無罪になった場合、拘束されていた期間中に発生した損失を国が賠償する」というスウェーデンの制度を利用しないことを約束した、と報じられた。

 そして裁判3日目である2日。裁判官は「エイサップを一時的に釈放し、帰国を認める」とし、トランプ大統領はすぐさま国民に向けて報告。「ロッキー(困難な)な1週間だったな、エイサップ。ASAP(大至急)帰国したまえ!」とおやじギャグを炸裂させたツイートを投稿し、「トランプのギャグは寒いけど、本当によかった」「大統領の手柄じゃないけどね」とツイッターは祝福ムードとなった。

 エイサップが乗り込んだプライベート・ジェットは、日付が3日に変わった頃、ロサンゼルス国際空港に到着。エイサップは出迎えてくれた友人らと45分ほど笑顔で談話。リラックスした様子で、ファンを安心させた。

 最新情報では、エイサップは4日朝に、彼の釈放をトランプ大統領に進言したカニエ・ウエストが主催する日曜礼拝に出席。カニエや、彼の義妹で元恋人のケンダル・ジェンナーと会話するなど、平和で穏やかな時間を過ごしたと報じられている。

 エイサップが釈放後に投稿した、「支えてくれてありがとう」と感謝の気持ちを伝えたインスタグラムには、すでに330万を超える「いいね!」がついており、コメント欄には、ザ・ロック、ファレル・ウィリアムス、G・イージーら多くのセレブから、釈放・帰国を祝福する言葉が書き込まれている。

 評決は14日に下されるが、書面で発表されるため、出廷する必要はないとのこと。米ニュースサイト「TMZ」は「おそらく無罪だろう」と推測しており、スウェーデンへの大バッシングは終息に向かうものだと思われる。しかし、今回の事件で「ヨーロッパにはまだまだ人種差別が残っている」と再認識したアメリカ人はとても多く、今後、スウェーデンをはじめとするヨーロッパでパフォーマンスをする黒人アーティストたちは激減しそうだ。

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