【今日の一冊】ファクトリエが起こす「服」革命 ものがたりのあるものづくり


ものがたりのあるものづくり
山田敏夫 (日経BP社)


レビュー

本書を手に取った方は、まず表紙の好青年に目がいくはずだ。服の生産工場で撮影されたであろうこの好青年こそ、著者の山田敏夫氏その人である。「ガイアの夜明け」や「カンブリア宮殿」で取り上げられ、一躍有名となったファクトリエの社長とあって、ともすれば華やかな経歴を想像される方も多いかもしれない。
だが本書で一貫して語られるのは、「泥臭い」としか形容できないほどの努力の数々だ。契約を獲得するためにトランクひとつで全国の生産工場を回っても門前払いをくらい、ウェブサイトをつくってもアクセスするのは自分だけ――著者はこれまで数えきれないほどの失敗を重ねてきた。だがもがき苦しむなかで、世界に誇れるすばらしいものづくりの技術力が、日本にはまだまだ眠っていることを思い知ったという。
数々の失敗談とともに語られるのは、「日本のものづくりの力を最大限に活かした一流の世界ブランドをつくってみせる」という著者の強い思いだ。こうした思いに共感した人が仲間となり、少しずつ業界の壁を乗り越えていく様子が本書では描かれている。
難しいことは何も書いてない。だからこそ刺さるものがある。本書を一読することで得られる爽快感を、あなたにもぜひ感じていただきたい。著者の愚直なまでの生き様は、前へ進む力を読者に与えてくれるはずだ。


本書の要点

・フランス留学を通じて培われた「日本のものづくりの力を最大限に活かした一流の世界ブランドをつくってみせる」という思いが、ファクトリアの原点にある。
・リスクを恐れず猛スピードで失敗するという姿勢を貫くことで、失敗を繰り返しながらもファクトリエは前進していった。
・ファクトリエが重要視するのは、「工場が主体的に“誇れるつくり手”となる」ことだ。
・お客さんではなく「仲間」になってもらう。そのためには満足をはるかに超えた “熱狂”が必要になる。
・世の中の新しい「当たり前」をつくるために、ファクトリエはこれからも「ものづくりのものがたり」を紡いでいく。




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