突然、カレーをバージョンアップした大森の立ち食いそば「麦の城」

突然、カレーをバージョンアップした大森の立ち食いそば「麦の城」

ミニカレーライス240円とわさび昆布そば490円 ミニカレーでもこの大きさ そばの量は一般店の1.5倍はある ©坂崎仁紀

■本格的なカレーブーム到来中

 暑くなるとカレーライスが食べたくなる。程よい辛さが疲れた胃腸を刺激してくれる。

 カレーを作るのに最低限必要なスパイスはコ・ク・タ・レ(コリアンダー・クミン・ターメリック・レッドペッパー)。薬剤師的にいえば、コリアンダーは消化促進、鎮静作用などがある。クミンは消化促進、ターメリックはウコンであり肝機能を助ける。レッドペッパーは代謝促進や食欲促進作用がある。

 日本人はとにかくカレーライス好きだ。海軍カレーやご当地カレー。

 カレーは固形のルーを使ったものが一般的で、お手軽なレトルトカレーも種類が豊富。食品メーカーも新製品の開発に注力している。

 しかし、最近のカレー事情は深化している。街中には本場インド系のカレー屋が増えている。本場スパイスの味を知ってしまった達人たちがスパイスショップに行き、みずからスパイスを調合してオリジナルのカレーを作り始めた。南インドにスパイス探しとカレーを食べに行く友人もいる。

 こうした背景から、従来販売していなかったお店が新しいコンセプトのカレーを発売する動きが増えてきた。スープのプロであるラーメン屋がカレーライスを提供し始めたり、「カレーは飲み物。」なんていう店も登場している。

 また、神田淡路町の「あから」のように立ち飲み兼業のカレー屋も登場している。カレールーをかけた玉こんにゃくは必食だ。つまり、本格的なカレーブームが到来中なのだ。

 一方、立ち食いそば屋のカレーといえば、あくまでサイドメニュー的な位置づけで、業務用のルーでササッと作るという雰囲気が多かった。

 ところが、最近、本格的なカレーライスを出す店が現れている。

■カレーをバージョンアップした「麦の城」

 その代表といえるのが、JR大森駅の中央改札西口を出てすぐにある「麦の城」である。

「麦の城」の創業は2004年。蒲田駅にあった「めん亭」の味を引き継いだ店として広く知られている。「めん亭」のぺらっとした天ぷらと関西風のつゆを再現しているありがたい店で、今でも食べにくる常連が多い。

 そんな「麦の城」が突然、カレーをバージョンアップしたのだ。

 店長の高坂さんによると、昨今のカレーブームに目覚め、食べ歩いた結果、この味に到達したという。

 そのカレーライスは490円とワンコイン以内のお手軽な値段。

 早速、食券を買って注文した。そして登場したカレーライスをみてびっくり。量は少なめと予想していたが、十分なライスとルー。鶏のもも肉もがっつり入っている。

 そして、最も驚いたのが、コラーゲンたっぷりの鶏で炊いたカレールーの味だ。とにかく濃厚なのだ。ねっとりとした鶏のうま味がカレースパイスと相俟ってライスにまとわりついた感じとでもいえばいいのだろうか。数種類のスパイスを合わせているというルーは中辛程度でなかなかよい。おろしショウガをちょっと載せて食べてもいける。

「麦の城」でこんな旨いカレーが食べられる至福の時がやってきたのだ。

※ 「麦の城」のカレー提供は夏場休止となり、9月1日から再開するとのことです。

■そばも一緒に食べられます

 そばを食べに来たのにカレーにハマり、そばが食べられないとお嘆きの方には、ミニカレーライス240円がおすすめだ。

 まわりをみると、実食中の5人のうち3人はカレーライスあるいはミニカレーライスを食べていた。地元の常連さんにはカレーライス人気がだいぶ浸透しているようだ。ミニも合わせれば、1日100杯近くは売れているというから侮れない。

 このカレーをあわせたカレーそばもうまそうだ。

 そば・うどんももちろん人気だ。地元の丸山製麺の麺を使用し、麺の量もかなり多い。薄口醤油を使ったつゆは出汁が香る上質な口あたり。

「めん亭」を彷彿させる「天ぷらうどん」(410円)が定番だが、つゆが関西風なので、「かすうどん」(580円)、「さっぱり檸檬のたぬきうどん・そば」(380円)、「わさび昆布うどん・そば」(490円)などが人気である。また、夏の期間限定で「ラー油とキムチの豚しゃぶうどん・そば」(580円)も発売するとか。

 猛暑が予想される2017年の夏。「とにかくうまい。食わないのは損」とまで言われている「麦の城」のカレーライス。書いていてまた食べに行きたくなってしまった。

INFORMATION

麦の城
東京都大田区山王2-2-11
営業時間
月〜金 6:30〜23:30
土   6:30〜21:55
日・祝 6:30〜17:55

※ 「麦の城」のカレー提供は夏場休止となり、9月1日から再開するとのことです。

撮影=坂崎仁紀

(坂崎 仁紀)

関連記事(外部サイト)