日清の自虐商品“黒歴史トリオ”登場!「頭おかしいは褒め言葉」に映る創業者のDNA

日清がカップヌードル・日清のどん兵衛・日清焼そばU.F.O."黒歴史トリオ"を復刻発売

記事まとめ

  • 日清食品はカップヌードル・どん兵衛・焼そばU.F.O.の中から"黒歴史トリオ"を復刻販売
  • "黒歴史トリオ"とは、時代を先取りしすぎてしまい、当時思うように売れなかった商品
  • 日清食品宣伝部の安武さんはWebの「日清頭おかしいw」などの反応を「褒め言葉」と話す

日清の自虐商品“黒歴史トリオ”登場!「頭おかしいは褒め言葉」に映る創業者のDNA

日清の自虐商品“黒歴史トリオ”登場!「頭おかしいは褒め言葉」に映る創業者のDNA

日清食品は、7月3日より、黒歴史認定されてしまった商品「カップヌードル サマーヌードル」「日清のどん兵衛 だし天茶うどん」「日清焼そば熱帯U.F.O.」の3品を"黒歴史トリオ"として発売

日清食品は、7月3日より、カップヌードル・日清のどん兵衛・日清焼そばU.F.O.の各ブランドから、過去に発売したものの時代を先取りしすぎて売れず、黒歴史認定されてしまった商品「カップヌードル サマーヌードル」「日清のどん兵衛 だし天茶うどん」「日清焼そば熱帯U.F.O.」の3品を"黒歴史トリオ"として発売する。

通常、自社のブランドイメージを落とすような、いわゆる「ネガティブキャンペーン」は企業としては避けたいところに、あえて「黒歴史トリオ」と名前にして発売するのはどうしてか。また、「ラーメン二郎へのラブレター」やクリスチャン・ラッセンとコラボレーションをした「かき揚げを、描きあげる。」など、毎回「日清頭おかしいw」などとネットで話題になるプロモーションはどのように企画しているのか日清食品宣伝部の安武雅之さんに話を聞いた。

――本日はよろしくお願いいたします。まずは、改めて、今回の「黒歴史トリオ」について教えてください。

安武「はい、“黒歴史トリオ”とは、時代を先取りしすぎてしまい、当時思うように売れなかった『カップヌードル サマーヌードル』『日清のどん兵衛 だし天茶うどん』『日清焼そば熱帯U.F.O.』を、エスニック料理ブームやだしブームが来た今の時代であれば受け入れられるはず、ということで復刻したものになります」

■レモングラスよりも先に来日!? ナウすぎたニューカマー「カップヌードル サマーヌードル」

1995年夏、「緊急限定発売」という必死感満載のコピーで登場。トムヤムスープをベースに、スープにはレモングラスをきかせている。一言でいえば、攻めすぎている。当時はレモングラスの存在が知られておらず「正直よくわからない商品」として扱われてしまった。営業も説明ができず大変に苦労した。真心ブラザーズの名曲「サマーヌード」は当商品のラジオCM用に書き下ろされたものだが、今やそっちの方が有名となっている。エスニック料理が一般化した今ならもっと愛してもらえるのでは、ということで緊急再発売。

■お茶ブームに乗りきれなかった!!悲しきスピードスター「日清のどん兵衛 だし天茶うどん」

2002年茶系飲料が大ヒットするなか、食品カテゴリーから無理矢理ブームに相乗りするべく開発された。当時流行っていたのは緑茶だったが、こちらのスープはほうじ茶がベース。全体的にズレまくっている。“あっさりこってり”というわかるようでわからない謳い文句とともに発売を開始するも、あっけなく歴史から姿を消すこととなった。わさびがききすぎており、すするとむせるという声も。当時の担当者いわく“エッジの立った味”。最近のだしブームに乗じ、再ブレイクすることを夢見ている。

■勢いだけは人一倍!! 暑苦しい大型ルーキー「日清焼そば 熱帯U.F.O.」

2002年夏、前年に大ヒットした「カップヌードル 熱帯シーフードヌードル」を勝手にパクって誕生。ネーミングをはじめヤシの木をデザインしたパッケージなど、あたかも関連商品のような顔つきをしているが、実際は完全なる後追いである。その驚くほど安易に名づけられた「熱帯U.F.O.」という商品名について、勢いは伝わるものの味の説明になっていないという指摘が相次いだ。またその味も、パッタイやミーゴレンなどの“エスニック風焼そば” に慣れていない当時の人々には新しすぎた。今なら、このタイ風甘辛エスニック焼そばの魅力をわかっていただける……かも?

――通常、自分で「黒歴史」と言い切ってしまうことはネガティブな表現になってしまい、本来企業は避けたいところではあると思うのですが、そこにあえて踏み込んだ理由はなんだったのでしょうか。

安武「それぞれが、ロングセラーブランド『カップヌードル』『どん兵衛』『U.F.O.』の商品であり、黒歴史になってしまったものの、会社にとっては資産でもあります。見せ方次第では古くても新しく見せることができるのではと考え、今回の企画が誕生しました」

――それにしても、結構思い切ったプロモーションだなと感じました。企画を実現するために、どのように準備を進めていったのでしょうか。

安武「まず、黒歴史という企画が初めに決まりました。その上で、当時の営業担当者や、開発担当者に、当時の話を取材したところ、たくさんの黒歴史なエピソードがたくさん出てきたんですね。『斬新な商品で販路獲得に苦労した』とか、『試食中にわさびが強すぎてむせてしまった(どん兵衛 だし天茶うどん)』とか。そのエピソードをプロモーションに乗せていった形です」

――今回のプロモーションの中には、他にも過去の商品発表リリースにツッコミをしていくというものもありました。とても斬新で面白い企画だと思ったのですが、先人たちを否定することになってしまいますよね。どんな気持ちでツッコミをしていたのでしょうか。

安武「当時、この商品発表リリースを書いた人たちが、今はかなり偉くなっていて、大変気まずい思いはしました(笑)。いま見るとちょっと笑えるものも、当時の担当者は、彼らなりに真剣な思いで作っていたものなので。でも、いま見るとやっぱりちょっと笑える。なので、臆せずツッコんでいます」

――元々、日清食品はテレビCMが面白いという印象がとても強かったのですが、今回のプロモーションしかり、最近ではかなりWebプロモーションに力を入れている気がします。何かきっかけがあったのでしょうか。

安武「Webに限定しているつもりはないのですが、各商品がロングセラーになってきているなかで、若年層にも引き続き愛されるブランドでありたいという思いから、結果的にWebプロモーションに力を入れている部分はありますね」

――そもそもな話で申し訳ないのですが、日清食品は「カップヌードル」「どん兵衛」「チキンラーメン」などさまざまなブランドがあると思います。各ブランドのご担当者はそれぞれいて、プロモーション戦略などは全く別のものになるのでしょうか。

安武「そうですね、部署は宣伝部というひとつなのですが、その中でそれぞれの担当者がいます」

――その中でも、安武さんは「どん兵衛」の担当者ということですが、他のブランドプロモーションとの差別化というか、こだわっている点があったら教えてください。

安武「世の中的にも、社内的にも、『カップヌードル』って“かっこいい”印象があると思うんですね。でも、私が担当している『どん兵衛』は、ちょっと鈍臭いというか、ほのぼのしているトンマナを出すようにしています」

――確かに、過去の「どん兵衛」の企画は、クールというより面白さが重視な印象です。日清食品のように歴史ある会社ですと、決裁スピードなどが遅い印象がありますが、「10分どん兵衛」などはとてもスピード感のあるプロモーションになっていました。どのように社内調整を行なっているのかがとても気になります。

安武「必死にやっている、としか言えませんね(笑)。でも社長をはじめとして、『面白いものはやってみようや!』という社風は元々あります。なので、結構無茶な企画でもありがたいことに、熱意があれば納得してくれる環境ではあります」

――社風の話でもあるかもしれませんが、日清食品には「Creative」「Unique」「Happy」「Global」という4つの理念があるとお伺いしました。この理念は、どこから来ているものなのでしょうか。

安武「遡ると創業者である安藤百福が、世界初の即席麺『チキンラーメン』や世界初の宇宙食ラーメン『スペースラム』を生み出したり、ラジオや新聞が一般的な時代にテレビCMを先んじてやっていたり、、とにかくファーストエントリーな会社だったんですね。なので、創業者が残していったものが、今のプロモーションに繋がっているんだと思います」

――なるほど、そういった考え方や思いが、脈々と受け継がれているんですね。

安武「そうですね。役職は関係なく、先輩から後輩にそういう考えを教えていっている、というところがありますね。当社は、どんなに小さいプロモーションであっても、全て社長決裁なんです。決裁会議では、社長も率先して面白いことに前向きで、笑いも起きるので、萎縮するなどはほとんどありません」

――素敵な会社ですね!でも、尖った企画や面白い企画を行うと、やはり炎上リスクは付きまとうと思います。どのように考えられているのでしょうか。

安武「どんなにバズりそうな企画でも、お客様が不快に思わないようにということは、常に心がけています。また、これはずっと思っていることなのですが、食べ物って楽しい時と悲しかったり怒ったりした時の味って違うじゃないですか。やっぱり、楽しいプロモーションをして、楽しい記憶のある商品を美味しく食べてもらいたい、と思っているので、それも炎上をさせないための指針の一つかもしれません」

――ネットで、「日清頭おかしいw」「大丈夫か」などのコメントが毎回プロモーションをするたびに上がりますが、この反応はどう思われているのでしょうか。

安武「褒め言葉と受け取っています(笑)。常にSNS上での反応を見ているのですが、笑っていただけるのは、とてもうれしいことです」

――今回の「黒歴史トリオ」も、”褒められる”ように、私も楽しみにしていますね!最後に読者の方に向けて、何か一言お願いします。

安武「これからも、まだまだ楽しいことをやっていきたいと思っています。ぜひ、乞うご期待ということで、楽しみにしていてくださいね」

――ありがとうございました!【ウォーカープラス編集部/大原絵理香】

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