石川県のご当地おやつ「ハードビスケット」には、なぜ「CHANCE」と書いてあるのか?

石川県のご当地おやつ「ハードビスケット」には、なぜ「CHANCE」と書いてあるのか?

小麦本来の美味しさと香ばしさを引き出した消化の良いビスケット。折に触れて食べたくなる素朴な味。

「なぜ?」と思う身近な謎、放置されていませんか? 知りたがりで、すぐ電話をしてしまうスーパ―マーケット研究家・菅原佳己が,

あなたに代わって疑問を解決。「なぜ?」の裏側にある真実は、予想を超える答えだったりします。知識も味の一部。いつものあの味も、知ればもっと美味しくなるのです。

■ 【疑問】北陸のロングセラーおやつ「ハードビスケット」。なぜ、ビスケット生地に「CHANCE(チャンス)」の文字?

石川県のおやつメーカー・北陸製菓のロングセラー品のひとつが「hokkaハードビスケット」。40年近く地元で愛されてきた、シンプルなプレーンビスケットです。サックサクで口どけがよく、牛乳との相性は抜群。

そのビスケット1枚1枚をよ〜く見てみると、真ん中に大きく「CHANCE」の文字。唐突な「CHANCE」のその意味を石川県民に聞いても「気にしたことがない」とか「昔から書いてあるのは知っているが、なぜかは知らない」などと、意に介さず。

メーカーからの応援メッセージ的なものなのか?

そこでメーカーの北陸製菓に電話してみました。

■ 【答え】

昭和53年(1978年)の発売当時の名前は「チャンス」でした。現在の商品名「ハードビスケット」は、本来はビスケットの種類の名前で、「ハードビスケット“チャンス”」と明記されていたのです。

ところが、どういうわけか商品名の「チャンス」ではなく、「ハードビスケット」と注文するお客様が多く、やがて会社としても呼び名をお客様に合わせることになり「ハードビスケット」に改名。しかし、焼き型の「CHANCE」のデザインはそのまま残り、現在もビスケット生地に「CHANCE」の文字が刻まれているのです。(北陸製菓 広報:西川陽平さん)

もともとは地元のもち米を原料にしたあられメーカーで、今から99年前の大正7年(1918年)に石川県金沢市で創業した北陸製菓。そこにビスケット製造が加わるのは昭和16年のことです。軍の乾パン製造の指定を受けたことをきっかけに、乳幼児食ビスケットの生産と配給パン、学童パンの生産も開始。以来、米菓だけでなくビスケットメーカーとしても知られることとなり、「ハードビスケット」は地元スーパーで手軽に買える、北陸のおやつの定番となりました。

■ 【予想以上の答え】

じつはもう一つの謎のメッセージが、この「ハードビスケット」に残されています。「CHANCE」の文字の上に、「HORICO」の刻印。北陸製菓のブランド名Hokka(ホッカ)ならともかく、「HORICO」(ホリコ)って一体何? 

「HORICO」とは北陸製菓の英語名「Hokuriku Confectionery」からもじったものです。と、北陸製菓の広報・西川陽平さん。

創業から99年、米菓やビスケットなど、さまざまな商品を製造してきたなかで、お菓子ごとに「北陸製菓」や「北菓」(ホッカ)、「HORICO」など、その名称はバラバラで、社名の統一がなされていませんでした。そこで2009年に「hokka」を正式名として統一し、おなじみのロゴを作成。現在は、社名の北陸製菓を略したhokkaというブランド名が地元でも親しまれています。

一方で、昔の型をそのまま使っているハードビスケットには、昔使っていた社名「HORICO」と昔の名前の「CHANCE」が残ることに。そして、その製法も昔のまま、55メートルのオーブンのトンネルでじっくり焼き上げることで、濃い焼き色と香ばしさを生み出しているのです。

変えるものと、変えないもの。

そのバランス感覚のよさで、「おしゃれなのに、どこか懐かしい」と感じるたくさんの商品を守り、つくり出しているhokka。「CHANCE」の意味を知ることは、hokkaの歴史と心を知る佳きチャンスとなりました。

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