「食べるの技術いります」「デザインダメ」など自虐盛り込んだ福井「生羽二重餅」のパッケージがカオス

「食べるの技術いります」「デザインダメ」など自虐盛り込んだ福井「生羽二重餅」のパッケージがカオス

画像提供:アレルヤ 【Allelujah】さん(@top__6525)

 やわらかな半透明の白餅が箱の端までビッシリと敷き詰められた「生羽二重餅」(税込750円)。餅粉を蒸し、砂糖・水飴を加えて練り上げた福井名産の餅菓子として有名な羽二重餅ですが、この生羽二重餅は、どうやら様子がおかしい……。通常打ち粉がつけてあり食べやすいサイズにカットされているものが多い中、その逆をいく発想から生まれた新食感の羽二重餅。

 餅の存在感もさることながら、それ以上にパッケージもTwitterやインスタグラムで話題を呼んでいます。投稿には「買った羽二重餅の情報量が多すぎる」「初めて見た斬新なお菓子」「めっちゃ食べにくいけどめっちゃおいしい」など様々な声が寄せられていました。その中には、情報量の多さと食べづらさに思わず動画を撮ってアップする人まで!

 こちらの生羽二重餅を製造・販売している福井県福井市松本に本社を構えるマエダセイカさん。福井北インターより車で2分のところにある吉田郡永平寺町の工場・直売所「羽二重餅の古里」では、10種類以上の羽二重餅の試食や工場見学も行っているそうです。この同町にある曹洞宗の寺院「大本山永平寺」で行われる大きな行事ごとの際にマエダセイカさんの羽二重餅が使用されるほど地元で愛されているお菓子とか。

 特に話題になっているのが「くるみ入り生羽二重餅」(税込860円)のパッケージ。通常版の「生羽二重餅」もそこそこ文字量が多いのですが、表面の空いた余白に「これでもか!」というほど美味しく食べるためのコツや注意点がビッシリ記されています。

 「お早めにお召し上がりください。(短命です)」「開封後は冷凍保存がおすすめです。(冬眠します)」など、まるで生き物の取扱説明書かと思うような細かい要望が!

 さらに、パッケージの側面には「お詫び インスタ映えを意識するあまり“盛り”過ぎてしまった事を深くおわびいたします」「#ぐちゃぐちゃ」「#デザインダメ」など自虐ともとれる言葉が並びます。仕舞には「これ食べるの技術いります。会社には持って行けないかな」と辛らつな投稿者さんからの声まで余すことなく掲載。

 これは果たしてインスタ映えなのか? と疑問に思ってしまいますが……。マエダセイカさん曰く「パッケージに食べづらい、短命などが書かれた商品を企画し、試作の段階でいろんな方に食べていただき、その時の声をそのままのせました。その方が一番わかりやすいため。パッケージだけでも家族、友達との話題やコミュニケーションになる。批判的な声など賛否両論いろんな意見があっていい」とのこと。

 「生羽二重餅」は2017年に販売され、製法・配合に関してはマル秘で現在10項目以上の特許を申請中だそうです。マエダセイカさん曰く「もちもち感とプレミアムな甘さ・食感を作り上げました。何も手をくわえない、何も加工しないそのままをお届けしているので日持ちもせず、商品も水平を保っていないとダメというとても扱いにくい商品ですが、それゆえに大切に店の者もお客様も扱っていただいており、より商品の魅力もアップしていると思います」とのこと。因みにどのぐらいまで日持ちするのか聞いてみたところ、実験では冷凍で1年は持ったようですが、一般的には、冷凍で3か月ぐらいまでだそうです。

 「生羽二重餅」が誕生したきっかけを伺ったところ、福井県ではもともと冬に一家団らんで水ようかんを分け合って食べる風習があり、さらに菓子の中でも特に土産菓子は、大切な家族、友人、会社の同僚などに旅の記念として持ち帰り、みんなで寄り合って「あーでもない、こーでもない」と工夫しながら食べることで心の距離を縮めてくれ、大切な絆をより強くする手助をしてくれると思ったからとのこと。

 県外の人は勿論、土産を買うつもりではなかったという県内の方も販売当初から「生羽二重餅」を購入されているそうです。たまたまこの商品を見かけ「あまりにも斬新で変わったお菓子を発見した」という感覚で、自分用や福井の自宅用に購入される方もいるとか。

 サービスエリアでは、2018年4月〜7月の4か月で4000箱以上販売したという「生羽二重餅」。マエダセイカさんは最後に「3.11の大震災など大きな災害が近年続いている中、日本人は、忘れかけていた人と人とのつながりの大切さを再認識してきました。とても食べづらい生羽二重餅をみんなでわけあい食べることで、お土産菓子の本当の役割である人と人のつながりを深め、家族や友人との心の距離を近づけ、人が集い語り合う場をつくる事ができると思います。ソースをかけて食べるソースカツ丼のようなみんなが親しめ50年後も100年後も残る文化になり、日常的に食べて頂けるようになっていくといいと願います」と語って下さいました。

<取材協力>
マエダセイカ株式会社(HP:http://www.maedaseika.co.jp/)

<記事化協力>
アレルヤ 【Allelujah】さん(@top__6525)

(黒田芽以)

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