フランス料理グランシェフ・音羽和紀〜大切な「地産地消」という概念

黒木瞳がパーソナリティを務める番組「あさナビ」(ニッポン放送)に、フランス料理店「オトワレストラン」シェフの音羽和紀が出演。地産地消という考え方について語った。

柴田書店『この地でフランス料理をつくり続けていく:故郷に愛され、発信するフランス料理店。素材・人・料理』著:音羽和紀(※画像はAmazonより)

黒木)今週のゲストは栃木県宇都宮市のフランス料理店「オトワレストラン」のシェフ、音羽和紀さんです。地産地消という、地元で採れたものを地元で消化するという考え方を広めていらっしゃるのですね。

音羽)これだけ交通網が発達して、情報もたくさんあります。地球の裏側から美味しそうなフォアグラがあるとか、遠くの食材が明日には手に入る。でも、だからこそ地域の食材を考えることが、これから重要ではないかと思うのです。その風土にあったものを使って、その土地の料理を勉強しながら進めるということが、世界に投げかけるメッセージだと考えています。その土地でないと味わえない、獲ったばかりの美味しい熟れたイチゴをすぐにお渡しできて、口に入れられるのは最も贅沢なことです。熟れているものを目の前で食べていただくという時代に突入するのではないでしょうか。

黒木)贅沢ですね。音羽さんは素材となる豚や牛の飼育なども、地元でやっていらっしゃるのですか?

音羽)地元だけではありませんが、生産者とつながるということは、料理にもつながるし、どう育っているのかを見るだけで扱い方や盛り付けにも影響します。いろいろなことがヒントになり、僕らが考えていることも伝えることができる。生命共同体と言いますが、そう思っています。

黒木)地域みんなで助け合う。レストランがあるからいい地域ではなく、町が、すべてがいいからレストランもよくなるということですね。

音羽)全部つながりますね。

黒木)今後の目標は何ですか?

音羽)「オトワレストラン」が12年になるのですね。12年前、還暦のときに始めました。今年(2019年)の秋で、僕は72歳になります。

黒木)全然見えなかったです。

音羽)宇都宮の外れに大谷という石の町があるのですが、そこで2〜3年後に最終の店をやれたらと思っています。以前は100業者くらいあったのですが、どんどん石が使われなくなって、いまは数件なのです。採石で掘ったところの地下空間や、山を削った壁面が世界でも類のないくらい素晴らしい風景です。

黒木)いつごろ完成予定ですか?

音羽)2年半〜3年のなかでやらないと。いつ逝くかわかりませんから。

音羽和紀(おとわ・かずのり)/フランス料理グランシェフ

■大学卒業後、ヨーロッパに渡りドイツ・スイス・フランスのホテルやレストランで修行。
■フランス料理界の重鎮、故アラン・シャペルに日本人として初めて師事。
■帰国後の1981年、故郷・宇都宮にレストラン「オーベルジュ」を開店。2007年には「オトワレストラン」を開店。またフランス料理店のほか、レストラン・バー、デリカショップなども経営。
■洗練された芸術作品として美しく構成および提供される彼の料理は、栃木和牛、ヤシオマス、鰻、那須高原産チーズ、アジア梨など地元の旬の素材を活かしたもの。フランスの要素とバランスをとりつつ、地域の伝統に敬意を表す。
■2018年には、ホテル・レストランの世界組織「ルレ・エ・シャトー」の、1年間の活躍が最も期待される料理人に贈られる「シェフトロフィー2019」を受賞。
■豪華観光列車「四季島」にも料理を提供。
■また親と子の料理教室や高校で料理を教えるなど「子供達の食」をテーマにした活動や、地場の産物を使った料理の開発、県の農政委員を務めるなど、地域の食環境のためにも活動をしている。

ENEOSプレゼンツ あさナビ(9月27日放送分より)
FM93AM1242 ニッポン放送 月-金 6:43-6:49

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