実は関東屈指の「からあげ都市」! 栃木県佐野市で食べたい唐揚げ3選

実は関東屈指の「からあげ都市」! 栃木県佐野市で食べたい唐揚げ3選

食楽web

 東京から約100キロ以内のエリアにあり、栃木県の南部に位置する栃木県佐野市。佐野厄除け大師やアウトレットモールがあることから県外の人々も多く訪れる地域です。

 グルメ目線で見ると、全国に名を馳せる佐野ラーメンの聖地であり、ソウルフードとして地元の人に親しまれているいもフライなどがある他、野菜・果物も豊富に採れることでもよく知られています。

ご当地の名物はラーメンといもフライなのだが・・・

(左)全国的にもよく知られている佐野市の名物グルメ・佐野ラーメン。(右)佐野市のソウルフードとして古くから親しまれているいもフライ

(左)全国的にもよく知られている佐野市の名物グルメ・佐野ラーメン。(右)佐野市のソウルフードとして古くから親しまれているいもフライ

 さて、そんな佐野市なのですが、市内を巡ると、あることに気付きます。それは「から揚げ専門店」の多さです。

 試しにGoogleマップで「から揚げ」と市内を検索してみると、実に30以上ものから揚げ専門店がヒット。どうも佐野市民には「から揚げ」が深く根付いているように見えます。

佐野市と足利市の境にあるのどかな交差点にあるこんな看板!

佐野市と足利市の境にあるのどかな交差点にあるこんな看板!

 そこで今回は、佐野市内のから揚げ専門店3店を巡り、近年、佐野オリジナルレシピとして考案された名物から揚げ「黒から揚げ」の出自、秘密にも迫ってみることにしました!

創業50周年。佐野市内の古参から揚げ店『フライドチキン カメヤマ』に聞いてみた!

『フライドチキン・カメヤマ』のから揚げフルセット。左から時計回りに、「手羽」360円(1個・税込)、「もも」300円(1本・税込)、「骨なし(から揚げ)」300〜1000円、「ヤキトリ風味(から揚げ・骨付き・骨なし)」250〜1000円、「黒から揚げ」250〜500円。※量によって値段が異なる

『フライドチキン・カメヤマ』のから揚げフルセット。左から時計回りに、「手羽」360円(1個・税込)、「もも」300円(1本・税込)、「骨なし(から揚げ)」300〜1000円、「ヤキトリ風味(から揚げ・骨付き・骨なし)」250〜1000円、「黒から揚げ」250〜500円。※量によって値段が異なる

 最初に向かったのは、数多くある佐野市内のから揚げ専門店の中でも古参に入る『フライドチキン・カメヤマ』。何しろ50年もの歴史があるお店。佐野市に根付くから揚げ文化の話に期待できそうです。

から揚げを基本メニューに、お弁当やお惣菜など様々なメニューを展開

から揚げを基本メニューに、お弁当やお惣菜など様々なメニューを展開

「佐野市ってやっぱりから揚げ店が多い感じします? 私は商売上、いろんなから揚げ店が目につきますけど、市外とは比べたことがなかったので」そう語ってくださったのは、『フライドチキン カメヤマ』店主・亀山賢一さん。先代が50年前に創業した、鶏肉専門のお肉屋さんおよびから揚げ専門店の味を守り続けて今日に至ります。

「フライドチキン・カメヤマ」2代目店主・亀山賢一さん

「フライドチキン・カメヤマ」2代目店主・亀山賢一さん

 亀山さんによれば、今から40年ほど前、佐野市内には鶏肉専門のお肉屋さんが5〜6店舗あったそうです。近辺に大規模の養鶏場もあり、そんな理由で鶏肉専門のお店が市内に複数あったのではないかとのこと。

看板メニューの「骨なし(から揚げ)」。鶏肉のジューシーさはそのままに、時間が経ってもカリカリした食感が損なわない

看板メニューの「骨なし(から揚げ)」。鶏肉のジューシーさはそのままに、時間が経ってもカリカリした食感が損なわない

 鶏肉を使った料理のうち特に親しみやすい唐揚げは、佐野市民にとってハズすことができない定番メニューになり、町内会の催し、スポーツの現場でのお昼ご飯、盆暮れなどで様々なシーンで食べるのだそうです。こういった自然浸透的な経緯を経て、今日、佐野市内にから揚げ専門店が多く存在するに至ったのではないかとのことです。

(左)同じく看板メニューの「ヤキトリ風味(から揚げ・骨付き・骨なし)」。下味と衣に甘塩っぱい「焼き鳥風」の味付けが加わり、ご飯が進む逸品。(右)「黒から揚げ」は、こちらのお店にも

(左)同じく看板メニューの「ヤキトリ風味(から揚げ・骨付き・骨なし)」。下味と衣に甘塩っぱい「焼き鳥風」の味付けが加わり、ご飯が進む逸品。(右)「黒から揚げ」は、こちらのお店にも

 他方、近年佐野市内で広まっている「黒から揚げ」もあります。

「黒から揚げは町おこしで始まったもの。原則的にソース味のから揚げです。黒から揚げの基本のレシピはあるんですけど、お店ごとに個性を出しているのも特徴です。お土産にもできますし、是非食べ比べてもらえると嬉しいですね」(亀山さん)

●SHOP INFO

フライドチキン カメヤマ外観

店名:フライドチキン カメヤマ

住:栃木県佐野市植上町1756
TEL:0283-23-2279
営:9:00〜20:00
休:火曜

居酒屋で人気が出過ぎて、ついにから揚げ専門店を出店した『からあげ屋 なるねこ』

左「黒からあげ」、右「金からあげ」。中パック3個入り400円(税込)、大バック5個入り500円(税込)の他、お弁当などにも入れてもらえる

左「黒からあげ」、右「金からあげ」。中パック3個入り400円(税込)、大バック5個入り500円(税込)の他、お弁当などにも入れてもらえる

 続いて向かったのが、佐野厄除け大師の近くにある『からあげ屋 なるねこ』。オープン3年目という比較的新しいから揚げ専門店です。10年前にオープンした居酒屋がルーツで、おつまみのから揚げが評判だったことから専門店オープンに至ったそうです。

(左)お店は佐野厄除け大師近くにある。店主の玉井成美さん。(右)取材時は開店前だったにも関わらず、から揚げ弁当のオーダーが続々と入っていました

(左)お店は佐野厄除け大師近くにある。店主の玉井成美さん。(右)取材時は開店前だったにも関わらず、から揚げ弁当のオーダーが続々と入っていました

 数多くある佐野のから揚げ専門店のうち『からあげ屋 なるねこ』は、国産鶏肉を大きめにカットし揚げるのが特徴。下味のにんにくにも青森産などの高級な食材を使っているそうです。食べてみると、ゴロゴロとした食べ応えがある一方、実に奥深い味わい。一口かじった後、美味しさが口に広がっていくような印象でした。

 また、こちらにも黒から揚げがありました。味付けは見た目よりもスッキリしており、口の中にソースの複雑な甘みと酸味が広がっていくようで、結構病みつきになる味でした。

●SHOP INFO

からあげ家 なるねこ外観

店名:からあげ家 なるねこ

住:栃木県佐野市金井上町2265-6
TEL:0283-88-9208
営:11:00〜15:00
休:火曜、水曜(イベント出店のための臨時休業あり)

住宅街に突然現れる行列ができる店『からあげ屋 チキン坊』

左が「唐揚げ」230円(100g・税込)。右が「佐野黒から揚げ」230円(100g・税込)

左が「唐揚げ」230円(100g・税込)。右が「佐野黒から揚げ」230円(100g・税込)

 次に向かった先は佐野市の赤見町という住宅街エリアにある『からあげ屋 チキン坊』。このお店を目掛けて佐野市内の人たちが車で続々とやってくる有名店です。

(左)「こんな場所にから揚げ専門店があるのだろうか・・・」と不安に思いつつも、そこには確かにお店が! (右)開業8年目となる『からあげ屋 チキン坊』店長の三森勇紀さん

(左)「こんな場所にから揚げ専門店があるのだろうか・・・」と不安に思いつつも、そこには確かにお店が! (右)開業8年目となる『からあげ屋 チキン坊』店長の三森勇紀さん

『からあげ屋 チキン坊』のから揚げ、黒から揚げは、ともににんにくがガツンと利いており、他店よりもパンチがあります。このインパクトを求めて大勢のお客さんが来るのも納得です。

(左)左が「から揚げ」230円(100g・税込)。右が「佐野黒から揚げ」230円(100g・税込)。(右)「やみつきつくね棒」180円(1本)。鶏の軟骨を混ぜた食感も楽しい珍しいメニュー

(左)左が「から揚げ」230円(100g・税込)。右が「佐野黒から揚げ」230円(100g・税込)。(右)「やみつきつくね棒」180円(1本)。鶏の軟骨を混ぜた食感も楽しい珍しいメニュー

「一番のこだわりは、作り置きをせず、注文が入ってから揚げること。また、通常のから揚げだけでなくつくね棒、手羽餃子といった他店にはないものも出しています。是非食べに来ていただきたいですね」(三森さん)

●SHOP INFO

からあげ屋 チキン坊外観

店名:からあげ屋 チキン坊

住:栃木県佐野市赤見町3499-2
TEL:0283-25-4848
営:10:00〜18:30
休:月曜、第3火曜(祝・祭日は翌営業日が休みとなる)

「黒から揚げ」は地元のパパたちによる考案だった!

「パパプロe街佐野奉行所」堀川悦郎さん(左)、井上純道さん(右)

「パパプロe街佐野奉行所」堀川悦郎さん(左)、井上純道さん(右)

 今回、佐野市内の3店舗のから揚げ専門店を巡りましたが、いずれのお店でも黒から揚げを展開していました。亀山さんのお話の通り、黒から揚げは町おこしで始まったものですが、考案したのは地元のお父さんたちによる「パパプロe街佐野奉行所」という団体です。こちらでも話を聞いてみました。

「佐野市では佐野ラーメン、いもフライが有名ですが、それに続く『第3のグルメ』を、地元のお父さんたちで考えるプロジェクトが立ち上がり、そこで生まれたのが黒から揚げでした」(井上さん)

(左上)官民一体となって開催された0000年の「から揚げフェスタ」の様子。(右上)はなわさん、ダイヤモンド★ユカイさんが作曲した黒から揚げ応援ソング『俺たちは知っている』も。(左下)大豆ミートの黒から揚げを作った佐野市内の松桜高校の高校生たち。(右下)佐野市のブランドキャラクター、さのまるの黒から揚げバージョンも誕生

(左上)官民一体となって開催された2018年の「から揚げフェスタ」の様子。(右上)はなわさん、ダイアモンド★ユカイさんが作曲した黒から揚げ応援ソング『俺たちは知っている』も。(左下)大豆ミートの黒から揚げを作った佐野市内の松桜高校の高校生たち。(右下)佐野市のブランドキャラクター、さのまるの黒から揚げバージョンも誕生

「佐野市民は今でも人が集まる場には必ずから揚げがあり、また、ソース味に関しても強い親しみがあります。この佐野市民にとって親しみのある『から揚げ』と『ソース』を併せもって味わえるメニューとして『黒から揚げ』を考案させていただきました」(井上さん)

「後に佐野の黒から揚げの応援ソングができたり、佐野市内の松桜高校の高校生が大豆ミートの黒から揚げを作ってくれたり、小学校の給食でから揚げが出るようになったり、現在はどんどん飛躍していっています」(堀川さん)

 佐野という土壌に根付いたから揚げ文化は、今日ではさらに進化し続けていると見て良いでしょう。佐野のから揚げ専門店の味は、どのお店も大型チェーンでは再現できない、個性的な味ばかり。佐野に行かれる方は、是非ご試食されることをオススメいたします。

(撮影・文◎松田義人)

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