ラーメン官僚の2018年下期最優秀新店!『中華そば銀座八五』の至極の「中華そば」が旨いワケ

ラーメン官僚の2018年下期最優秀新店!『中華そば銀座八五』の至極の「中華そば」が旨いワケ

食楽web

東銀座の地に超実力店が爆誕!様々な素材を折り重ね、記憶に残る味を構築

 2018年12月8日、東銀座の路地に1軒の新店が産声を上げた。その店の名は『中華そば銀座八五』(※)。水道橋の人気店『中華そば勝本』の3号店。2号店である神保町の『神田藤本』は屋号に『勝本』の2文字を冠するので、3号店で初めて大幅に屋号を変えたことになる。
 その理由を松村店主に尋ねると、こんな答えが返ってきた。「この店は、ラーメン職人人生の集大成として、今の自分が創り得る最高の1杯を提供しようとオープンさせたものです。『八』の字を日本が誇る名峰・富士に見立て『五』合目から山頂を目指す。屋号には、そんな意味合いを込めました」。今の味でも、まだまだ発展途上。更に腕に磨きを掛け、作り手としての頂点を極める。『八五』の店名は、店主の不退転の決意を刻んだものなのだ。

「中華そば」850円

「中華そば」850円

 現在、同店が提供するのは「中華そば」とそのバリエーションのみ。
「食べ手の誰もが飲み干したくなるスープを創ること。『八五』のラーメンを開発するに当たり、この点を譲れない大前提としました」。自らが設定した高いハードルを乗り越えるため、培った知識と経験を総動員して開発に取り組んだという。その結果、栄えあるスープ素材として採用されたのは、鴨・名古屋コーチン・生ハムを始めとした動物系素材と、昆布・干し椎茸・ドライトマト・イタヤガイ等の「山海の恵み」の数々。「個々の素材の持ち味はもちろん、これらの素材から抽出されるうま味成分も徹底的に研究・分析しました。それだけではありません。複数の素材が一体化する時に生じる風味も、綿密に吟味。数え切れないほどの試作を重ねた末に完成したのが、同店のスープです」。

醤油は一切使用していないという澄み切ったスープ

醤油は一切使用していないという澄み切ったスープ

 そんな店主の試行錯誤が生半可なものでないことは、食べ手自らの身体が証明する。スープをひと口啜っただけで身体中の細胞が活性化し、鳥肌が立つのを抑制できなくなる。上質で明晰なうま味は、レンゲを動かしスープをすくい取る手間ひまさえ惜しまれるほど魅惑的だが、更に特筆すべき事項がある。実はこのスープ、タレを全く使用していないのだ!
「タレは、スープの味の主軸を形成する要(かなめ)となるアイテム。なので、通常はスープにとって必要不可欠な要素だと認識されているのですが、完成したスープが舌先に触れた瞬間、これならもうタレは必要ないと確信しました」。タレの代役を果たすのは、素材のひとつである生ハムから沁み出した塩味。このギミックが、息を飲むほどまろやかな食味を構築する上で大いに貢献しているのだ。

 もちろん、スープのパートナーとなる麺にも一切の妥協はない。都内の名門製麺所『浅草開化楼』の名製麺師・不死鳥カラス氏と相談を重ね、麺長・形状・加水率等に変化を加えた麺を幾種類も試作。その中から「これが最適解」と選び抜いた麺は、自身は敢えて一歩後ろに退きながら、ピタリとスープに寄り添う渾身の傑作。

店主の松村氏

店主の松村氏

 気が付けば、六席あるカウンターに置かれた丼が全て空っぽになっていた。スープの一滴、麺の一本さえ、残さず胃袋に収めてしまいたい。食べ手の気持ちは皆同じだったようだ。

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(※)『銀座八五』の営業形態は?
 同店の営業時間は、11時から15時まで及び17時から21時までの2部制。1日に手掛けるラーメンの杯数は120食程度で、昼の部、夜の部ともに60食ずつ提供している。最近オープンした新店の中では図抜けた人気の高さを誇るため、「スープ切れ」による公式の時間前での終了が常態化している。同店(『銀座八五』)のTwitterアカウントにて、残り杯数やスープ切れ等の情報を提供しているので、訪問される際には必ず確認されることをお勧めする。

●SHOP INFO

中華そば銀座八五 外観

店名:中華そば銀座八五(ちゅうかそばぎんざはちごう)

住:東京都中央区銀座3-14-2 第一はなぶさビル 1F
TEL:03-6228-4141
営:11:00〜15:00、17:00〜21:00 ※スープが無くなり次第終了
休:毎週水曜、第2・第4木曜

●著者プロフィール

田中一明

フリークを超越した「超・ラーメンフリーク」として、自他ともに認める存在。ラーメンの探求をライフワークとし、新店の開拓、知られざる良店の発掘から、地元に根付いた実力店の紹介に至るまで、ラーメンの魅力を、多面的な角度から紹介。「アウトプットは、着実なインプットの土台があってこそ説得力を持つ」という信条から、年間700杯を超えるラーメンを、エリアを問わず実食。47都道府県のラーメン店を制覇し、現在は各市町村に根付く優良店を精力的に発掘中。

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