大人気の日本酒「黒龍」の蔵元が手掛ける美食と銘酒の楽園が福井に誕生! 初潜入してみた

大人気の日本酒「黒龍」の蔵元が手掛ける美食と銘酒の楽園が福井に誕生! 初潜入してみた

レストランから望む九頭龍川と福井の大自然 | 食楽web

 日本国内だけでなく、海外の日本酒好きにもその名を知られている福井の銘酒「黒龍」と「九頭龍」。これらのブランドを展開する黒龍酒造株式会社や、酒販売の株式会社石田屋を擁する石田屋二左衞門株式会社が2022年6月17日(金)、福井県吉田郡永平寺町に建設中の約3万坪の敷地からなる酒蔵観光施設『ESHIKOTO(えしこと)』内に、レストランや酒ショップ、イベントスペースをオープンしました。

九頭竜川を臨む自然豊かで壮大な景観が広がる『ESHIKOTO』

「酒樂棟」2階からの雄大な眺め

「酒樂棟」2階からの雄大な眺め

 約10年前より石田屋二左衞門が構想してきた『ESHIKOTO』プロジェクトは、今回が開業第1弾。第1弾では『ESHIKOTO』全敷地のうち約1万坪にあたる部分に、酒や食を楽しむ「酒樂棟(しゅらくとう)」と酒の貯蔵セラーやイベントスペースがある「臥龍棟(がりゅうとう)」をオープンします。

「えし」は古い言葉では「良い」と言う意味。「えしこと」とはつまり「良し事」。逆に読むと「とこしえ(永)」になり、「永久の豊かな時間」という想いが込められています。

左から石田屋二左衞門の代表取締役水野直人氏、黒龍酒造 醸造部部長 杜氏 畑山浩氏

左から石田屋二左衞門の代表取締役水野直人氏、黒龍酒造 醸造部部長 杜氏 畑山浩氏

『ESHIKOTO』プロジェクトは、石田屋二左衞門の代表取締役水野直人氏が、ワインに興味を持ち、フランスやアメリカのワイン銘醸地を訪れていた時の経験に由来しています。水野氏は訪れた欧米のワイン銘醸地が、福井県永平寺よりも田舎町なのにもかかわらず、世界中から人々が訪れ、その風土・食・人との出会いを楽しむ姿に感銘を受けたのです。帰国後、水野氏はただ酒を製造・販売するだけではなく、醸造地である北陸・福井、そして永平寺に何か貢献できないか、ワインの銘醸地のようにできないかと考え、約10年の構想を経てスタートしたのが『ESHIKOTO』プロジェクトです。

レストラン「acoya (あこや)」のテラススペース

レストラン「acoya (あこや)」のテラススペース

『ESHIKOTO』が立地するのは、酒のブランド名の由来にもなっている九頭竜川(旧名:黒龍川)の流れを見渡しながら、曹洞宗の大本山である永平寺のお膝元で、福井の自然を感じられる福井県永平寺町。福井駅からは車で25分ほどの距離になります。

『ESHIKOTO』が掲げているのが「Good Connecter」というコンセプト。福井の生産者や製造者、そして料理人や職人を繋ぎ、福井の「えしこと」を掘り起こして磨き、発信することを目指しています。ちなみに同施設を利用できるのは20歳以上の成人のみ。ペットの同伴も不可な、大人のための酒と食の観光施設になっています。

スイーツやアペロを楽しむレストラン、酒ショップを備える「酒樂棟(しゅらくとう)」

「酒樂棟」外観

「酒樂棟」外観

『ESHIKOTO』でまず注目したいのが「酒樂棟(しゅらくとう)」内に開業した、菓子店併設のレストラン「acoya (あこや)」。店内は手前のパティスリーゾーンと、奥のアペロ(=アペリティフのフランス語)ゾーンに分かれています。

パティスリーゾーンで販売される「ESHIKOTO黄金梅酒CAKE」など

パティスリーゾーンで販売される「ESHIKOTO黄金梅酒CAKE」など

 パティスリーゾーンでは酒粕や梅酒からでた黄金の梅などを再利用して仕上げたパウンドケーキや、チーズケーキなどの焼き菓子を提供、販売。

アペロゾーンで味わえるフードメニュー

アペロゾーンで味わえるフードメニュー

 アペロゾーンでは、フレンチの技法を生かした御膳スタイルのモーニングやランチ、カフェメニューのほか、お酒に合うおつまみなどを展開します。取材で訪れた際は、黒龍酒造の酒粕から丁寧に起こし、カガセイフン粗挽きの蕎麦粉を使ったカンパーニュや、黒龍吟醸豚を使ったシェリービネガー煮込みなど、この土地ならでは、石田屋二左衞門ならではの料理が提供されました。

日本酒を15ヵ月以上瓶内二次発酵させ、冷蔵熟成したスパークリング日本酒「ESHIKOTO AWA 2019 Exrta Dry」

日本酒を15ヵ月以上瓶内二次発酵させ、冷蔵熟成したスパークリング日本酒「ESHIKOTO AWA 2019 Exrta Dry」

 もちろん黒龍や九頭龍、スパークリング日本酒などのお酒もラインナップ。福井をはじめ、北陸産の旬食材を使った料理とのペアリングを楽しむことができます。

(左上)レストラン「acoya」内観。(右上)ショップに並ぶお酒の数々。(左下)カウンターにて購入前のお酒の試飲もできる。(右下)結城美栄子氏による龍や火の精、水の精をモチーフにしたアート作品

(左上)レストラン「acoya」内観。(右上)ショップに並ぶお酒の数々。(左下)カウンターにて購入前のお酒の試飲もできる。(右下)結城美栄子氏による龍や火の精、水の精をモチーフにしたアート作品

 レストランのメイン・テーブルには、長さ9メートルほどの福井県産の杉の一枚板を贅沢に使用。店内の壁には趣のある越前和紙を使用し、パティスリーブースは白色に、アペロブースは黒色にして、モノトーンの空間グラデーションも楽しめるようにデザインされています。さらに、酒ショップでは、『ESHIKOTO』でしか購入できない貴重なお酒を常時15種類前後、展示販売しており、購入前の試飲も可能です。

 越前焼などの伝統工芸品も展示されている文化的で粋な空間でゆったりとお酒選びを楽しめます。ちなみに「酒樂棟」は、女優でデザイナーでもある結城美栄子氏によるアート作品が満載。季節や太陽の角度によって刻々と移り変わる風景も魅力です。

圧巻の貯蔵セラーを備えたイベントスペース「臥龍棟」

「臥龍棟」外観と内観

「臥龍棟」外観と内観

 イベントスペースとなる「臥龍棟」は、天井の高さが約11メートルもあり、尖った天井が教会を彷彿させるような厳かで上質な空間が特徴です。

 イギリス人建築家 サイモン・コンドル氏(日本の西洋建築の礎を築いたジョサイア・コンドルの子孫)がデザインを手がけています。カウンターには福井県美山の樹齢200年の杉を丸ごと使用しているほか、建物には福井にあった古民家の柱を再利用するなど、建材にもこだわりが感じられます。

「臥龍棟」内に造られた貯蔵セラー「臥龍房」

「臥龍棟」内に造られた貯蔵セラー「臥龍房」

 さらに「臥龍棟」内には、瓶内二次発酵のスパークリング日本酒を約8000本眠らせている貯蔵セラー「臥龍房」もあり、その壁や床には一面、福井名産の希少な笏谷石(シャクダニイシ)を使用。濡れると青く輝くと言われる石が、特別な雰囲気を醸します。残念ながら特別な日を除いて、普段は一般公開されませんので、気になる方はイベントなど公開日に訪れてみてください。

醸造施設、醸造ラボ、宿泊施設も続々オープン予定!

(食楽web)

(食楽web)

 今後ご紹介した施設に加え『ESHIKOTO』内には醸造施設、醸造ラボ、宿泊施設なども建設予定。北陸新幹線が延伸し、福井県にも開通する2024年に創業220年を迎える石田屋二左衞門の今後の動向にも注目したいところです。

(取材・文◎中森りほ)

●DATA

ESHIKOTO(えしこと)

住:福井県吉田郡永平寺町下浄法寺12-17

acoya (あこや)

住:福井県吉田郡永平寺町下浄法寺12-17 酒樂棟2F-B
TEL:0776-97-9396
営:8:00〜18:00(変更の可能性あり)
https://eshikoto.com/

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