昼飲み天国の上野・アメ横で、幻の「ビャンビャン麺」を食べてきた!

昼飲み天国の上野・アメ横で、幻の「ビャンビャン麺」を食べてきた!

食楽web

 突然ですが、下の難しい漢字、何て読むかわかりますか?

 思わず声が出そうなほど画数が多く、書くとなると、非常に手間と時間がかかりそうな漢字ですよね。しかし、読むのは一瞬。中国語では「ビャン」と読みます。そして、この漢字を2つ並べて「麺」をつけると、中国の陝西省・西安市あたりで食べられている名物の幅広手打ち麺「ビャンビャン麺」です。

 最近、日本にこのビャンビャン麺を出す中華料理店が増えてきているそうです。食べてみたいなと思っていた矢先、思いもかけずその機会があったのでご紹介したいと思います。

 場所は、東京・上野アメ横にある『平成福順 アメ横店』です。この店の周辺は、ガード下の露店が多く、みんな昼間からお酒を楽しんでいるエリアです。かくいう筆者とその友人たちも、所用でアメ横に行った帰り、そのほのぼのとした昼飲みの光景を見て、「ちょっとだけ…」と立ち寄ったのです。

 幾多の店から『平成福順 アメ横店』を選んだ決め手は、先客が食べていた「焼小籠包」でした。肉汁がジュワッとこぼれ出て、いかにも美味しそう。その焼小籠包を肴に一杯やろうということになったのです。ちなみにお客さんの9割が中国の人たちで、なかなかディープな雰囲気です。

「焼小籠包」4個400円

「焼小籠包」4個400円

 この店には他にもいろいろつまみがあり、ラム肉や豚肉などの串焼き(1本150円)などはビールにもってこい。本場中国のラム肉の串焼きは、日本の焼き鳥とは違い、小粒で身が締まったお肉が数珠のように連なり、クミンなどの香辛料がたっぷりかかってスパイシーで、いくらでもお酒が進みます。

ラムの串焼1本150円

ラムの串焼1本150円

 そんなつまみを食べているうちに、お腹が減ってきたので、麺を注文しようということになりました。メニューをみると、麺類は6種類あり、“手打ち麺”と書かれたものはすべて幅広麺です。さらにそれぞれ中国名と、日本人にもわかりやすいように日本語も表記してあります。

 その中に不思議な名前の麺があったのです。それは「油溌手打面」=「西安風ペペロンチーノ手打ちラーメン」(600円)。「ペペロンチーノ」といえば、イタリアのパスタ。正式名称は「アーリオ・オーリオ・ペペロンチーノ」です。アーリオはニンニク、オーリオはオイル、ペペロンチーノは唐辛子で、それらの材料だけを使ったシンプルなパスタですよね。

 しかし「西安風ペペロンチーノ手打ちラーメン」という名前だけでは、まったくが想像つきません。そこで、お店の中国人のおばちゃんに聞いてみると、なんと「ビャンビャン麺のことだ」というのです。

 思いもよらず、こんなところでビャンビャン麺に出会うとは思っていませんでした。しかし考えてみれば、西安は確か陝西省の省都。しかも写真の麺は手打ちで幅広。どこにもあの複雑怪奇な漢字は見当たりませんが、本当におばちゃんの言うとおりなのかもしれません。

 登場したそれは、ペペロンチーノのようなシンプルなタイプではなく、もやし、青菜、キャベツ、ネギといった野菜がどっさり載っており、さらに辣粉と花椒、さらに香ばしいオイルがたっぷりかかっています。

 下には、約3cm幅の手打ち麺、その下には黒酢と醤油の特製ダレだけで汁なしです。これは、汁なし担々麺のようにぐるぐる混ぜて食べるタイプのよう。

 食べてみると、見た目ほど辛くはないのですが、とにかく強烈なニンニク臭と花椒のシビレ。さらにピーナッツ油と中国の醤油ダレと黒酢が混じり合い、かなりパンチが効いた味です。

 幅広麺は、手打ちだけあって、波打ちながらツルツル、モチモチ。思わず「ビャンビャンってなかなか旨い!」とみんなで大盛り上がり。もやしのシャキシャキ感とのビャンビャン麺の相性がとても良く、ビールがどんどん進みます。

「ニンニクと油と唐辛子が共通材料ってだけで、ペペロンチーノじゃないよね」
「モヤシとニンニクと油の印象が強いから、二郎系ラーメンを思い出す」
「スパイシーで夏のつまみにぴったりだ」
「ところで刀削麺とビャンビャン麺って何が違うの?」
「ストレートにビャンビャン麺ってメニューに書けばいいのにね」

 と、酔っぱらい特有のとりとめのない好き勝手な話をしながら、昼飲みは終了しました。

 ちなみに、「ビャンビャン麺」を改めて調べてみると、小麦と水と塩で生地を作り、両手で伸ばして、さらに平たく伸ばして茹でるそう。刀削麺のように削るタイプではありません。また、うどんのように包丁で切るのとも違います。きしめんとも食感が異なります。群馬名物の「ひもかわうどん」のようでもありますが、やはりそれともちょっと違って、びろびろでムチムチな感じが非常に独特でした。

 陝西省では、この幅広麺に、唐辛子や刻み葱、もやし、パクチーなどを載せて、アツアツのピーナッツオイルをかけて香りを出し、酢、塩、醤油、花椒などを和えて食べるのが主流だそうです。

 というわけで、昼飲みで食べた『平成福順 アメ横店』の「西安風ペペロンチーノ手打ちラーメン」は、れっきとした「ビャンビャン麺」であることが確認されました。夏のスタミナ食にももってこいの「ビャンビャン麺」。ぜひ上野のアメ横での昼飲みのお供にしてみてはいかがでしょうか。

(撮影・文◎土原亜子)

●SHOP INFO

店名:平成福順 アメ横店

住:東京都台東区上野6-10-7アメ横プラザA-11号
TEL:050-5597-5001
営:8:00〜20:00
休:第2水曜

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