今こそ通うべき! 東京の最旬「アジア食堂」5選

今こそ通うべき! 東京の最旬「アジア食堂」5選

食楽web

 近年、都内に個性的なアジアンレストランが続々と誕生中! ベトナム料理をモダンに構築する店、ミャンマーやウイグルなどの現地感たっぷりの店など、そのバリエーションの多さに驚かされます。馴染みがなくても冒険気分で食べてみれば、その知られざる魅力に取りつかれる人も多数。そんな個性派アジア食堂から厳選したオススメの5店をご紹介します。

 メニューの味には各国の個性を感じますが、日本人の味覚にマッチするメニューも多そうです。仕事帰りや休日にプチトリップ気分を味わってみてくださいね。

ベトナムのエッセンスを自由な感性で表現する
『An Di(アンディ)』(外苑前)

写真左/ミャンマー料理の「ラペトゥ」を再構築した「ティーリーフサラダ」。写真右/「鶏肉の炭火焼き ヨモギソース、レモングラスのラー油」(2600円)と「アスパラと鱒の生春巻き」(1200円)

写真左/ミャンマー料理の「ラペトゥ」を再構築した「ティーリーフサラダ」。写真右/「鶏肉の炭火焼き ヨモギソース、レモングラスのラー油」(2600円)と「アスパラと鱒の生春巻き」(1200円)

 アンディのシグネチャー「ティーリーフサラダ」を食べると、口の中でシンフォニーが鳴り響く心地に。二種類のお茶、干しエビ、フライドエシャロット、柑橘、もち麦、ローストココナッツなどの異なる食感や香りが次々と現れ、互いに響き合います。

 内藤千博シェフは実はフレンチ出身。それがなぜベトナム料理を? 「フレンチはもうやり尽くされていますが、ベトナム料理ならまだいろんなことを試す余地があると思って」と意欲的。

 現地で食べ歩いたベトナム料理を一旦取り込み、自分のフィルターを通してもう一度組み立て直します。技法や仕立てはフレンチでも日本の食材で旬を切り取り、表現方法はベトナム流に。3つの食文化のいいところを使って、フレッシュで香りを生かした料理を提供しています。

ワインはボトルでもグラスでも充実。日本ワインから海外のものまで、料理との相性のいいものを幅広くセレクト。皮ごとしぼったジューシーな「レモンサワー」(900円)もオススメ。

ワインはボトルでもグラスでも充実。日本ワインから海外のものまで、料理との相性のいいものを幅広くセレクト。皮ごとしぼったジューシーな「レモンサワー」(900円)もオススメ。

 名ソムリエとして知られる大越基裕さんがセレクトするお酒のペアリングも魅力的。ナチュラルなワインを軸に、日本酒や焼酎まで幅広く料理との相性を探求しています。

●SHOP INFO

An Di(アンディ) 内装

店名:An Di(アンディ)

住:東京都渋谷区神宮前3-42-12
TEL:03-6447-5447
営:火〜金18:00〜23:00LO、土・日12:00〜13:30LO、18:00〜22:00LO
休:月(祝日の場合は翌火曜休)

・・・・・・・

香港のスターシェフが手がける
『CHOY CHOY KITCHEN(チョイ チョイ キッチン)』(西麻布)

写真左/様々な豆が入った「豆とポークのスープ」。写真右/「国産鶏の中華風醤油煮込み」。80〜85℃の間で丸ごとじっくり火入れしたシグネチャーメニュー。いずれも1万5000円〜のコースより

写真左/様々な豆が入った「豆とポークのスープ」。写真右/「国産鶏の中華風醤油煮込み」。80〜85℃の間で丸ごとじっくり火入れしたシグネチャーメニュー。いずれも1万5000円〜のコースより

 グレース・チョイさんはエリートOLから料理の道へ。2011年に香港でプライベートキッチンを開くと、めきめき人気店に昇り詰めました。また、初めてのレシピ本が2019年のグルマン世界料理本賞を受賞したばかりという気鋭のシェフです。そして今年3月、西麻布にレストランを開店。

香港のスターシェフ、グレース・チョイさん

香港のスターシェフ、グレース・チョイさん

 滋味深いスープをひと口飲むと、透き通った味に思わずため息がこぼれそう。塩分はごく控えめ、素材の旨みと香りがきれいに溶け合っています。愛おしそうに素材を扱うグレースさん。その手から生まれる料理は母から受け継ぐ伝統的な家庭の味で、そこに彼女らしい感性をプラスしています。

 日本の野菜は香港のものとは風味が異なるけれど、ここでしかできない料理を作りたいとチャーミングにほほ笑む姿が印象的です。「日本の食材はとても魅力的。特に甘くてしっとりとした大根は素晴らしいです」と目を輝かせます。メニューはおまかせコースのみで、その日仕入れた食材で決定。お客はテーブルを囲んで、彼女のインスピレーションあふれる料理をワクワクしながら待つのみです。

●SHOP INFO

CHOY CHOY KITCHEN(チョイ チョイ キッチン) 内装

店名:CHOY CHOY KITCHEN(チョイ チョイ キッチン)

住:東京都港区西麻布1-11-13
TEL:03-6447-0252
営:17:00〜23:00(ドリンク22:00LO)
休:土・日・祝
※完全予約制

・・・・・・・

初めてなのに懐かしい、発酵が決め手のシャン料理
『ゴールデン バガン』(新宿・富旧町)

写真左/手前から、ミャンマーの伝統料理でお茶の葉を使ったサラダ「ラペット」(850円)、発酵ソーセージ「ヌ・ソム・ムー」(800円)。写真右/豚肉と発酵竹の子の煮込み「ワッターミッチン」(1200円)

写真左/手前から、ミャンマーの伝統料理でお茶の葉を使ったサラダ「ラペット」(850円)、発酵ソーセージ「ヌ・ソム・ムー」(800円)。写真右/豚肉と発酵竹の子の煮込み「ワッターミッチン」(1200円)

 ミャンマー料理といわれて「ああ、アレね」とすぐに思い浮かぶ人は少ないのではないでしょうか? それほど感覚的に遠い国であり、未知の味覚でもあるミャンマー。でも、このお店の料理を食べてみると、初めて会う気がしないから不思議。そこはかとない懐かしさに満ちていて、「おかえり」と故郷の親戚に迎えられたような不思議な気持ちに包まれます。

店主のサイさんは“山ちゃん”の愛称で親しまれている。

店主のサイさんは“山ちゃん”の愛称で親しまれている。

 ミャンマーはインドシナ半島西部、タイやインドなど5つの国と国境を接するだけに食文化も幅広い国です。店主は和食の板前を20年以上も経験した料理人のサイさんと奥さんのモモさん夫妻。二人の出身地シャン州の料理が中心。シャン州は内陸に面した大きな地域で、納豆のほか発酵食品も豊富にあり、国境を接するタイ、ラオス、中国のエッセンスも散りばめられています。

 スパイスを多用せず、辛みは好みで加えるスタイル。何より日本人にしっくりくるのは長粒米ではなく日本と同じジャポニカ米を主食とすること。これには胃袋をグイッとつかまれます。シャン料理を味わうことはまだ見ぬ故郷をたどるような楽しい冒険のようです。

●SHOP INFO

ゴールデン バガン 外観

店名:ゴールデン バガン

住:東京都新宿区富久町8-20 カーサ富久町1F
TEL:03-6380-5752
営:11:30〜14:30(14:00LO)、17:00〜22:00(21:30LO)
休:日、祝日のランチ

・・・・・・・

現地に負けない辛さの骨太タイ料理
『タイ東北 モーラム酒店』(神泉)

写真左/手前から、炭火でじっくり焼いた鶏肉「ガイヤーン」(800円)、辛さが選べる「田舎のソムタム」(650円)。写真右/酸っぱ辛いスープ「モツの透明なトムヤム(トムセープ)」(680円)

写真左/手前から、炭火でじっくり焼いた鶏肉「ガイヤーン」(800円)、辛さが選べる「田舎のソムタム」(650円)。写真右/酸っぱ辛いスープ「モツの透明なトムヤム(トムセープ)」(680円)

 神泉駅のすぐ前にある小さな店は開店して1年余り。にもかかわらず、多くの人がこの店の味にとりつかれ、いつもワイワイ賑わっています。「居酒屋使いのできるタイ料理店を作りたいと思ったんです」と話すのは店主・丸山勝己さん。おひとり様に優しいカウンター席を設け、おつまみにできる小ポーションも用意。メニューは、丸山さんが好きだというイサーン地方に主軸が置かれています。

イサーン出身の店長のジェンさん(左)とシェフのナイさん(右)

イサーン出身の店長のジェンさん(左)とシェフのナイさん(右)

 タイ東北部のイサーンは辛いことで知られていますが、代表的な料理は青パパイヤのサラダ「ソムタム」やタイ風焼き鳥「ガイヤーン」など、日本人に馴染みのあるものが多く、フレッシュなハーブを多用し、プラーラー(魚の発酵調味料)をよく使います。

 大好きなタイ料理だから、と丸山さんは辛さもハーブも“ポテンシャルは現地仕様”と決め、タイ人コックは可能な限り現地そのままの味を再現。なので、オープンキッチンで炒め物が始まると、唐辛子の煙に包まれて店中ゴホゴホの嵐に! それがまた現地の臨場感を醸し出しています。まずは名物の「ソムタム」で本場の辛さをガツンと体験してみてください。

●SHOP INFO

タイ東北 モーラム酒店 内装

店名:タイ東北 モーラム酒店

住:東京都渋谷区円山町16-8 粕谷ビル1F
TEL:03-6712-7747
営:18:00〜24:00(23:00LO)
休:日

・・・・・・・

シルクロードに伝わる伝統の味
『レイハン ウイグル レストラン』(駒込)

写真左/「ラム肉ピテルマンタ」(1000円)、「ラグメン」(1200円)。写真右/「シシカバブ」(1本300円)、「ウイグル風野菜サラダ」(680円)、グラスワイン(400円)。料理はすべてハラルフードを使用

写真左/「ラム肉ピテルマンタ」(1000円)、「ラグメン」(1200円)。写真右/「シシカバブ」(1本300円)、「ウイグル風野菜サラダ」(680円)、グラスワイン(400円)。料理はすべてハラルフードを使用

 この店のマダムにしてシェフのアリムさんは、友達を家に招いて料理を振る舞うのが大好きだったとのこと。いつしか美味しい料理は評判となり、みんなに背中を押されて3年前に同店を開くことに。ここではそんなアリムさんの郷土の味、中央アジアのシルクロードをルーツとするウイグル料理を楽しめます。

慣れた手つきで一本麺のラグ麺を手延べするシェフのアリムさん

慣れた手つきで一本麺のラグ麺を手延べするシェフのアリムさん

 名物は「シシカバブ」や注文が入ってから手延べする麺料理「ラグメン」、チベットのモモのような「ビテルマンタ」など。羊肉を多用していながらも、くどくなく素朴で澄んだ味わいです。「調味料は素材そのもの。玉ねぎやニンジン、ニラ、トマトなど野菜の味をきちんと引き出して、それぞれを組み合わせて美味しくします」とアリムさん。

 スパイスはあまり使わず、味付けもほとんど塩だけ。なのに、じんわりと滋味深いのは重なりあった素材の旨さが支えているから。東京でも数少ないウイグル料理は意外なほど日本人の心に沁みる味わい。かの地では食事のお供はお茶らしいですが、日本ではワインと一緒に味わってみたいですね。

●SHOP INFO

レイハン ウイグル レストラン 内装

店名:レイハン ウイグル レストラン

住:東京都豊島区駒込4-2-33 ハイム駒込台1F
TEL:03-5980-9266
営:17:00〜22:00(21:30LO)、金・土〜23:00(22:30LO)
休:月(祝日の場合は翌火曜休)

(文◎岡本ジュン 撮影◎貝塚 隆・西崎進也)

※当記事は『食楽』2019年夏号の記事を再構成したものです

関連記事(外部サイト)