東京から日帰りOK! 猛暑も吹き飛ぶ絶品「うな重」3選

東京から日帰りOK! 猛暑も吹き飛ぶ絶品「うな重」3選

食楽web

「暑い…」という言葉が口癖になっているこの頃。皆さんは何を食べていますか? こう暑いと食欲なんかあるもんかっ、という声も聞こえてきそうですが、そんな人は今すぐ「うな重」を思い浮かべてください。

 黒光りする漆の重箱は、水戸黄門の印籠のごとく迫力があって、思わず手を合わせたくなりませんか? 蓋をあけると焼きたてのうなぎがドーン。かたじけない、ありがたや。という気分になりませんか? 値段が高いということもあるのですが、カツ重や焼き鳥重などとは格が違う。香りも違う。それが「うな重」。食欲がなくても食べたい食べ物です。

 というわけで、筆者は、夏になると「うな重」を求めて遠出をします。今夏、食べてきた絶品の「うな重」を3つ、紹介します。

完全予約制の完璧な「うな重」

『小川家』(静岡県下田市)

「鰻重(竹)」3950円。肝吸い・お新香付き。ちなみに大盛りはプラス100円

「鰻重(竹)」3950円。肝吸い・お新香付き。ちなみに大盛りはプラス100円

 まずは伊豆急下田駅から徒歩10分ちょっとの場所にある『小川家』。こちらの鰻屋さんにはふらりと行っても入ることはできません。完全予約制です。しかも予約する際にメニューを注文しておかなければなりません。「うな重」は「竹」(3950円)しかありませんので、迷うことはありませんが、もし蒲焼や白焼きも食べたい場合は、それも必ず伝えておきます。

 なお、遅刻も厳禁です。予約した時間に合わせてうなぎを焼きあげてくれているからです。予約時間の10分前には着席し、うなぎが登場するのをワクワクして待っている状態が理想。という具合に、こちらのお店は、うなぎにとにかく集中することが大事。

店内には樽が置いてあり活き鰻が泳いでいます

店内には樽が置いてあり活き鰻が泳いでいます

 時間通りに、重厚なお重が登場します。蓋をあけると、ため息が出るような、飴色に輝くふっくらしたうなぎ。炭火の香ばしさに包まれます。口に入れると、ふわふわとして、とろけていくようなうなぎ。タレは甘すぎず、スッキリとしていて、うなぎの脂とのバランスが最高です。さらに、ご飯は、粒1つ1つまでしっかり立った炊き方。

 こちらの先代のご主人は、東京の老舗『野田岩』で修業をされたそうで、その伝統の技を守り、重箱の中の全てに手間暇をかけているのがわかります。黙って粛々と箸を進める。筆者的には、これこそが「うな重」と向き合う醍醐味であり、至福の時間だな、と思います。

先代のご主人は創業200年余の老舗鰻店『野田岩』(港区麻布)で修業されたそう。現在は2代目

先代のご主人は創業200年余の老舗鰻店『野田岩』(港区麻布)で修業されたそう。現在は2代目

白焼きと蒲焼が一度に味わえる二段重

『うなぎ小林』(長野県諏訪市)

「金銀重」5200円。肝吸い・お新香付き

「金銀重」5200円。肝吸い・お新香付き

 長野の諏訪湖周辺は鰻屋が多数点在しています。昭和30年代まで、諏訪湖から流れ出る天竜川で、天然うなぎが豊富に獲れたからだそうです。しかも、蒸し焼きの「関東風」と、蒸さずに焼く(地焼き)の関西風の店が混在していて、その両方の味が楽しめるという面白いエリアなのです。

 そんな諏訪市の中でも人気店『うなぎ小林』は、正真正銘の四万十川の天然鰻を出すお店です。時価で5000円〜1万円くらいまでで、予算を言えば、それに応じて出してくれます。というわけで、天然モノを食べてみたいと訪れたのですが、メニューを眺めていて惹かれたのが、「金銀鰻重」(5200円)という二段重ねのお重。養殖物ですが、「白焼きうな重」と「蒲焼きうな重」を同時に味わえる。これは珍しいと思って注文しました。

ちなみに、最近では養殖の技術が上がり、天然物と味もさほど変わらないとも言われています

ちなみに、最近では養殖の技術が上がり、天然物と味もさほど変わらないとも言われています

 さっそく登場した二段重。上には白焼き重、下には蒲焼重。両方を並べるとなんとも贅沢な気分になります。

 生わさびが一緒に出されるので、白焼きの方はわさび醤油で食べてみました。この食べ方は、お酒のアテとして白焼きを食べる方法ですが、今回は「うな重」ですから、もちろんご飯と一緒に食べます。うな重は“タレ命”と思っていましたが、このわさび醤油でご飯とうなぎを一緒に食べてみると、なかなかキリッと上品で美味しいんです。

 もちろん、蒲焼きの方はこっくり甘めのタレで、安定的な美味しさ。白焼重と蒲焼重を交互に食べるという贅沢な体験ができました。

何度も食べたくなる絶品「うな重」

『松琴楼』(神奈川県小田原市)

「うな重」3780円(300g)。肝吸い・お新香付き

「うな重」3780円(300g)。肝吸い・お新香付き

 最後にご紹介するのは神奈川県小田原市。小田原城の近くにある『松琴楼』です。筆者は小田原に行くたび、ここに行きますが、人気店なのでいつも行列ができていて、たいてい並ぶことになります。しかもうなぎが無くなったら閉店なので、お昼に確実に食べるなら11時のオープン時から並んでおくことをお勧めします。

 さて『松琴楼』の「うな重」は、“松竹梅”といったランク分けはなく、うなぎの重さ140g〜300g(5段階)で注文するシステムです。せっかくですから300gがお勧め。

 オーダーが済むと、自家製のうなぎの骨(せんべい)とお新香がサービスで出てきます。ちなみに、こちらの「うな重」は注文が入ってからうなぎを1串1串焼き始めるので時間がかかります。そこで、この骨せんべいをぽりぽり、ビールでも飲みつつ待つのが正解です。

 さて、待つこと20〜30分ほどで「うな重」と肝吸いが登場します。こちらは重箱ではなく丸い椀のスタイル。いわば丼なのですが、丼を埋め尽くすかのごとくうなぎに迫力があってテンションが上がります。

 うなぎはふっくらと太っていて、端っこや皮目の焼き具合がパリッとしているんです。タレは、一般的なうなぎ屋さんよりあっさり目。サラリとして甘すぎず、これがまた美味しい。卓上にあるタレを後がけして、自分の好みに調節することもできます。筆者は、個人的にはこれが非常に気に入っているんです。最初から甘めのタレでバッチリ決められてしまうと、飽きてくることもあるからです。

 ここでは、まず、半分くらいまではうなぎ本来の美味しさを堪能すべく、山椒だけをかけて食べます。残り半分くらいになったところで、タレをかけ、ご飯にもしっかり染み込ませて一気に食べる。こうすると、変化を感じつつ最後まで楽しく味わうことができます。

 というわけで、うなぎって、テンション上がりますよね。ぜひ、夏バテを予防するためにも「うな重」を食べに行ってみてください。

(撮影・文◎土原亜子)

●SHOP INFO

店名:小川家
住:静岡県下田市2-8-14
TEL:0558-22-0365(完全予約制)
営:11:00〜15:00、(土・日・祝)11:00〜14:00
※7、8月は16:30〜19:00も営業
休:土用丑の日、1月1日、1月2日、水

店名:うなぎ小林
住:長野県諏訪市四賀赤沼1958-2
TEL:0266-54-7717
営:11:00〜14:00、17:00〜20:00
休:月曜、第1・3火曜(祝日の場合は翌日)、第2・4木曜

店名:松琴楼
住:神奈川県小田原市栄町1-14-37
TEL:0465-22-4401
営:11:00〜14:00、17:00〜20:00(19:00LO)
休:火曜

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