「あら煮」と「熱燗」でホッと一息。中野『第二力酒蔵』で癒しの時間を過ごしてきた

「あら煮」と「熱燗」でホッと一息。中野『第二力酒蔵』で癒しの時間を過ごしてきた

食楽web

 細い道に様々な飲食店が並び、夕方になるとさらに賑やかに。歩いているだけでワクワクしてくる、中野駅北口の「ふれあいロード」。その中でも、57年もの間、地元の人に愛され続けているお店が『第二力酒蔵』です。

 元々は三軒続いた長屋の一角で昭和37年にオープン。そのうち、隣が空いたら店を広げ、その隣も空いたら店を広げてと、現在の店の形になったのは30〜40年前とのこと。店が横に広く、入り口が2つあるのもその名残なのかもしれません。

ライフ中野駅前店のはす向かい。赤提灯とガラスのショーケースが目印

ライフ中野駅前店のはす向かい。赤提灯とガラスのショーケースが目印

 お客さんは8割がリピーター。常連さんがほとんどですが、だからと言って閉鎖的なムードは一切なく、むしろ店内は明るく開放的。飲んでいるお客さんを見渡してみると、やや年配の方が多いものの、若い人や一見さんも気安く入れる、どこか懐かしい雰囲気を感じさせます。

取締役専務&お店の顔の黒田哲郎さん。黒田さんの顔を見たさに店に通うお客さんも

取締役専務&お店の顔の黒田哲郎さん。黒田さんの顔を見たさに店に通うお客さんも

 第二、と言うお名前ですが、第一はどこかに?
「昔は第一力酒蔵という店が別の街にあったんですが、今はもうないんですよ」と優しい笑顔で語るのは、取締役専務の黒田哲郎さん。お客さんの中には何十年間も通い続けている人や、祖父、子、孫と三代にわたって通い続けている人も。

「59年間、同じ場所で同じ顔、いつもいるお客さんがいるっていうのは、この店のいいところでもありますね」と黒田さん。地元中野の人はもちろん、中央線沿線に住む人も、会社帰りに中野で途中下車し、ふらっと『第二力酒蔵』に寄って、オンオフの切り替えをする、という人も多いようです。

店の看板「アラ煮」は程よい醤油ダシでお酒と好相性

「あら煮」670円。この日はシャケ、シマアジなどのアラを炊いたもの。豆腐の煮付けも一緒に

「あら煮」670円。この日はシャケ、シマアジなどのアラを炊いたもの。豆腐の煮付けも一緒に

 この店の魅力の一つでもある料理は、旬の魚と野菜で作る和食。「刺身盛り合わせ」(1650円)や「きんきの煮付け」(4800円〜)など、刺身や煮付け、天ぷら、焼き物など多彩な調理方法で味わうことができます。

 中でもここにきたらマストで注文したいのが、「あら煮」。魚はその日仕入れた魚次第なので、内容は日替わりです。

 一口味わってみると、ほろほろの口どけ感に、醤油ダシが程よく染みて、じわ〜っとホッとする美味しさ。仕事で疲れた後、飲みにきて、この一皿が出てきたら癒されるんだろうなぁ。添えられた豆腐の煮付けもふわふわ。甘辛ではなく、程よい塩気。お酒にもゴハンにも合うこと確実の美味しさです。

カウンターの奥では大勢の調理人さんが野菜や刺身を切ったり盛り付けたり。キビキビと働く姿を眺めつつ自分の注文した品が出てくるのを楽しみに待つ

カウンターの奥では大勢の調理人さんが野菜や刺身を切ったり盛り付けたり。キビキビと働く姿を眺めつつ自分の注文した品が出てくるのを楽しみに待つ

 この料理に合うオススメのお酒はどれですか?「創業以来出している、京都・伏見の『キンシ政宗』ですね」と黒田さん。京都の品のあるお酒でほんのり辛口とのこと。早速こちらも注文です。

「キンシ政宗」(小)370円。大きな徳利の場合840円。屋号入りの徳利で

「キンシ政宗」(小)370円。大きな徳利の場合840円。屋号入りの徳利で

「あら煮」をつまみに、「キンシ政宗」を一口。スッキリした後味で、ほのかな香りが鼻から抜けていきます。確かに抜群の組み合わせ。若い頃にはわからなかった、大人の世界に一歩踏み込めた気分です。

 熱燗と煮物。これがこんなに癒される組み合わせだったとは。肩の力が抜けて、思わずまったりしてしまいます。

店内はカウンター席、テーブル席、座敷席がある。できれば事前電話予約がオススメ

店内はカウンター席、テーブル席、座敷席がある。できれば事前電話予約がオススメ

 ふと店を見渡して気になったことが。料理名が書かれた札、黒い札と白い札があるのはなぜ?
「黒い札は定番料理で、白い札は旬の料理なんですよ」。なるほど。白い札は期間限定料理ということですね。旬の食材にこだわっているので、白い札の料理は次回来た時には終わっている可能性も。まずは白い札に書かれた料理からチェックした方が良さそうです。

 オススメの過ごし方を聞くと「1人カウンターで自分の時間を過ごすのもいいし、複数なら座敷席でワイワイ過ごすのもいい。好きなように使っていいんですよ」とのこと。秋になったら松茸の土瓶蒸し、冬にはたらの白子やアンコウなどを求めてやってくる常連さんもいるとのこと。

 日本酒は約15種、370円〜。ビール生中は510円。料理の種類も価格帯も幅広いので、ちょっと一杯だけ、といった使い方もできそうです。程よく声をかけてくれて、程よくほっといてくれる距離感も絶妙です。初めてでも居心地のいい、あたたかみを感じるお店でした。

●SHOP INFO

第二力酒蔵 外観

店名:第二力酒蔵

住:東京都中野区中野5‐32‐15
TEL:03-3385-6471
営:14:00〜23:30(L.O.22:30)
休:日曜
※価格は2019年9月現在のものです

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