一度は閉店するも常連が復活させた大森の名酒場『煮込蔦八』の魅力とは?

一度は閉店するも常連が復活させた大森の名酒場『煮込蔦八』の魅力とは?

食楽web

 地元の人間に旧くから親しまれ続けてきた街の名酒場。しかし、長引く不況や後継者不足など、さまざまな要因で、時代の流れとともに暖簾を下ろす店も少なくないようです。

 そんな中、東京には一度は幕を閉じながらも、常連客の熱い想いと店主たちの強い意思から、見事に復活を遂げた名物酒場がいくつもあります。今回はそんなお店をご紹介します。

常連が店を継承する大衆酒場『煮込蔦八』(大森)

 昭和45年創業。大森駅近くのスナック街で、長年にわたって愛され続けた老舗『煮込 蔦八』をご存知でしょうか。先々代が平和島競艇場内で煮込みの店を営んだのがそもそものはじまりで、代替わりを機に移転オープン。2015年3月に惜しまれながら一度は暖簾を下ろしましたが、名大衆酒場の灯火がたやすく消えることはありませんでした。

コの字型のカウンター席も健在。こちらは煮込みの大鍋を目の前に出来る一等席

コの字型のカウンター席も健在。こちらは煮込みの大鍋を目の前に出来る一等席

 復活の立役者となったのは、都内で飲食店を経営する土屋一史氏。自身も客として馴染みにしていただけに、閉店すると聞き「これだけ歴史のある酒場がなくなるのは惜しい。何とか継続できないか」と手腕を発揮。半年後には早くも営業をリスタートし、盛況です。

カラーの値札を棒に通すアナログながら明朗会計システム

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 大きな鉄鍋でたっぷり仕込む名物の煮込みやネギぬたは、先代から味を学び往年のままに、自慢の刺身やポテサラ、炒め物、珍味などのつまみに日本酒のメニューを拡充。

煮込玉子入780円。芝浦の食肉市場から仕入れるという牛の小腸と白モツ、胃のハチノスなどを使用した同店のスペシャリテ

煮込玉子入780円。芝浦の食肉市場から仕入れるという牛の小腸と白モツ、胃のハチノスなどを使用した同店のスペシャリテ

 飲兵衛好みの品々と手慣れたもてなしに、地元ならずとも足繁く通いたいと思わせます。

本鮪脳天刺680円。新体制になり、力を入れている刺身。本マグロの脳天はわずかしかない希少部位

本鮪脳天刺680円。新体制になり、力を入れている刺身。本マグロの脳天はわずかしかない希少部位

 古き良き昭和の残り香を漂わせつつ、新たな時代の風が吹き込まれ、存在感が増した名店。大森の街に溶け込み、なくてはならない景色の一部となっています。

(文◎粂真美子 盛岡アトム 撮影◎原 務)

●SHOP INFO

店名:煮込蔦八

住:東京都大田区大森北1-35-8
TEL:03-3761-4310
営:17:00〜23:00(22:30LO)、日17:00〜22:00(21:30LO)
休:無休(年末年始のみ)

※当記事は『食楽』2019年秋号の記事を再構成したものです

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