ダシは自販機で買う時代!? 『だし職人』で買った「白だし」がTKGに最高だった!

杉並区成田西のタイムズ内に設置された自販機

杉並区成田西のタイムズ内に設置された自販機 | 食楽web

 日常風景に溶け込んでいるものの1つに、自動販売機があります。喉が乾いていない限り、素通りすることがほとんどですが、先日、たまたま散歩途中に出くわしたとある自販機に、妙な違和感を覚えて思わず立ち止まってしまいました。それが今回ご紹介する『だし職人』という“珍”自販機。

缶入りの「やまやのうまだし」(140円)は、『あの明太子で有名な会社やまや』(福岡県)の商品。羽田空港でも自販機で売られており、なんと1ヶ月に2万本を売り上げた記録を持つとか

缶入りの「やまやのうまだし」(140円)は、『あの明太子で有名な会社やまや』(福岡県)の商品。羽田空港でも自販機で売られており、なんと1ヶ月に2万本を売り上げた記録を持つとか

 おなじみの清涼飲料水は一切なく、缶・ビン・ペットボトルの「だし」商品ばかりが陳列されているのです。「なんだこりゃ?」としばし唖然。幻を見ているような不思議な感覚です。ふと頭をよぎったのは、昭和時代に見かけたエロ本自販機。でもこれは後ろめたさが一切なく、昼間から堂々と立っています。

「白だし」の用途が色々紹介されています

「白だし」の用途が色々紹介されています

 さらに、よく見ると、自販機には様々な文字が書かれていて、「渾身のだし」だとか、「だしを極める」、「手間暇かけたこの1本」など熱いメッセージのオンパレード。特に心動かされたのが、TKG(卵かけご飯)に「白だし」が合うというコピーです。

長崎県の焼きあごが1本入っています

長崎県の焼きあごが1本入っています

 また、「あごだし」のペットボトルに至っては、よく見ると、焼きあご(トビウオ)がそのまま1本入っています。なんだか不思議な商品たちで、しかも値段は各800円と自販機にしては高額。しかし、自販機からあふれ出るダシへの熱い思いに背中を押されるようにして、つい「白だし」と「あごだし」の2本を買ってしまったのです。

卵かけご飯が超絶品になった!

 帰宅後、これらの出汁をネットで調べてみると、「白だし」の製造元『七福醸造』(愛知県)は、なんと“白だしの元祖”の会社だそうで、全国のプロの料理人がこぞって使っている商品だそう。有機白醤油に鹿児島県枕崎の鰹節、国産の椎茸や北海道の昆布、天然塩、三河本みりんを調合し、気温や湿度に応じて調整しているというこだわりぶり。

 また「あごだし」の製造元『二反田醤油本店』(福岡県)は、大正7年創業の老舗の醤油店。昔ながらの手作りで作る天然醸造の醤油に、炭火で焼いた焼きあごを一本入れて、昆布エキスを加えているそう。特に醤油には並々ならぬこだわりが書いてありました。

左が『七福醸造』(愛知)が作っている「白だし」800円、右が『二反田醤油本店』(福岡)が作っている「あごだし」800円

左が『七福醸造』(愛知)が作っている「白だし」800円、右が『二反田醤油本店』(福岡)が作っている「あごだし」800円

 つまり、自販機で売っているのにも関わらず、昔ながらの手作りにこだわった商品だったのです。これは期待大です。というわけで、早速「白だし」を、卵かけご飯に数滴たらしてみると……これがスゴかった! いつもの質素なTKGが、非常に贅沢な味わいに変わりました。ついでに出汁巻き卵も作ってみると、コレまた超高級旅館の朝食に出てくるような高貴な卵焼きになったのです。

だし巻き卵とうどんがめちゃくちゃ美味しくなりました

だし巻き卵とうどんがめちゃくちゃ美味しくなりました

「あごだし」の方は、うどんのおつゆにしてみました。香り高く深い旨み。まろやかなお醤油。関西のうどん屋さんのようなスッキリと優しい味のおつゆになりました。2つのだしは、実際、とんでもなく美味しいということが判明!

しかし、なぜダシを自販機に入れたのか?

コインパーキング入り口にある自販機『だし職人』

コインパーキング入り口にある自販機『だし職人』

 しかしやはり疑問なのは、なぜ、自販機でダシを売っているのかということです。

 そこで、この『だし職人』を出している会社に問い合わせると、なんと母体は船橋で土地を売買する不動産屋『大慶エステート』。だしの自販機を作った理由を聞くと……

「商売柄、地元の農家さんとのお付き合いが多く、地野菜をもっと地域の方に食べて欲しいというお話を聞き、何かお役に立てないかと考えていました。そんな折、出汁ブームであることを知り、食材と料理をつなげる良いパイプ役となると考えたのです。うちはパーキングなどの土地スペースに自販機設置を設置することが可能だったこともあり、ダシの自販機が実現したわけです」とのこと。

 昨年1月より設置を始めた『だし職人』の自販機は、現在、都内を中心になんと23カ所もあり、1日に売り上げも上々だとか。確かに、一度買うと、また買いたくなる極旨のだし商品でした。とにかく卵かけごはんが絶品になるので、リピート必至。皆さんも見かけたらぜひ、一度お試しください。

(撮影・文◎土原亜子)

●DATA

『だし職人』 外観

『だし職人』設置場所

http://www.dashisyokunin.jp

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