旨い店はタクシー運転手に訊け! 二子玉川最強の定食屋『たぬき』の名物「チキンチキン定食」とは?

旨い店はタクシー運転手に訊け! 二子玉川最強の定食屋『たぬき』の名物「チキンチキン定食」とは?

食楽web

「旅先で旨いものを食いたければ、タクシードライバーに聞くのが一番」と言います。そこでB級グルメに精通する現役運転手・荒川治さんにイチオシのお店に案内してもらいました。

 依然としてコロナ終息の見通しもなく、私たちタクシー業界の売り上げはさっぱりですが、同様に飲食店も厳しい状況が続き、閉店したという話もちらほら聞きます。そんな中、個人経営で暖簾を掲げているお店を見かけると、思わず「ガンバレ」と応援したくなります。が、逆に行けばたくさん元気をもらえるお店もあるので、ご紹介したいと思います。

 それが、つい先日、久しぶりに訪れた二子玉川の定食屋『たぬき』。実は20年ほど前、よくこちらで定食を食べていた時期があったんです。そしてその日は、たまたま昼前に二子玉川駅までお客さんを乗せたので、「そうだ、やってるかな?」と寄ってみたわけです。すると果たして、いつものように、入り口には信楽焼のたぬきが鎮座し、バッチリ営業中。しかも時間はちょうど開店の11時半過ぎ。「待ってました」とばかりに、店の前に並んでいたお客さんが次々と入店。ちょうど、私の前で満席になりました。

開店と同時に続々と入店していくお客さん

開店と同時に続々と入店していくお客さん

 すると女将さんが出てきて、「ごめんなさい、今、満席になったばかりだから、ちょっと待っててくださいね〜」と明るく声をかけてくれます。なんとも気持ちいい。そして「相変わらず大人気だな」と嬉しくなりました。

 並んでいる間に、何を食べようかと考えますが、ここは何を注文してもハズレはありません。久しぶりだったので『たぬき』名物の「牛すじ煮込み定食」を食べたかったのですが、本日は“売り切れ”の貼り紙。そこでもう1つの名物「チキンチキン定食」(880円)にすることに。ちなみに「チキンチキン」というのは、鶏のから揚げとささみカツの2種類がのったボリューム満点の定食です。

メニューは表にわかりやすく書かれています

メニューは表にわかりやすく書かれています

 ようやく入店し、注文すると、おかみさんがリズミカルに「チキンチキン!」とオーダーを厨房に通します。その声がこれまた元気で朗らかで、他のお客さんもついつられて「チキンチキンを」をオーダーしてしまうほど。ちょうど訪れた日も、店内に「チキンチキン!」の掛け声がこだましていました。

「チキンチキン定食」880円。ご飯、お味噌汁、お漬物付き

「チキンチキン定食」880円。ご飯、お味噌汁、お漬物付き

 私の前にもみんなの前にも、提供される巨大な鶏のから揚げとささみカツ、そして盛りの良いご飯、たっぷりのキャベツ。この揚げたて感、何度見ても嬉しくなります。から揚げをかじれば、カリッカリの衣から、ジュワッとジューシーな肉汁があふれ、また、ささみカツの衣もサクッサク。そしてごはんが旨い!

 ほかのお客さんの目もキラキラ輝いている気がします。あ〜、これこれ、この感じ。お店の空気にお客さんのテンションも上がって、店全体が一体化した感じがするんです。

通いたくなる定食屋の共通店とは?

「生姜焼き定食」880円

「生姜焼き定食」880円

 ちなみに、前述の通り、私と『たぬき』さんの出会いは20年ほど前に遡ります。当時、私は二子玉川にある会社に勤めていたんですが、先輩の紹介でその存在を知り、美味しくて、まるで社員食堂のごとく毎日通いました。その会社を辞めてからも、自宅から1時間かけて行ったことも何度もあります。その後、他にもお気に入りの定食屋を何軒か見つけましたが、私の定食屋の基準は間違いなく、この『たぬき』にあると思います。

ご飯と味噌汁が美味しい定食

ご飯と味噌汁が美味しい定食

 というのも、通っている定食屋は、たいてい『たぬき』と共通点があるからです。まず炊きたてツヤツヤのご飯、作りたての出汁の効いた味噌汁。この2つがきちんと美味しいこと。定食の土台ですからね。そして、おかずは自分で作れそうで、意外と難しいもの。例えば、トロトロの牛すじ煮込み、カリッ&サクッとしつつ肉汁たっぷりのから揚げ、皮目をパリッと、身はジューシーに完璧に焼いたサンマの塩焼きなど。そうそう、水っぽくなく、シャキッとした大盛りのキャベツも大切な要素だと思います。

店内には、日体大や駒沢大などの体育会系の学生が寄せた色紙がたくさん貼られています

店内には、日体大や駒沢大などの体育会系の学生が寄せた色紙がたくさん貼られています

 そして、最大の共通点。それは「学生に愛されている店」であることです。学生は、安くて旨くてボリュームがある店が好きなのは間違いありませんが、それだけではありません。彼らもまた店の明るい空気に癒されるんじゃないでしょうか。『たぬき』は、厨房で黙々と料理を作るご主人と、明るい女将さんの二人三脚。特に女将さんは、お客さんに何かと声をかけていて、それがまた心地いい。

 というわけで、久しぶりに『たぬき』さんを訪れて、「俺も頑張るぞ!」という気持ちになりました。ぜひ、「チキンチキン!」の元気な声と、パワフルで絶品の定食を体験しに行ってみてください。

(撮影・文◎土原亜子)

●SHOP INFO

たぬき

たぬき

住:東京都世田谷区玉川3-15-12 玉川3丁目マンション110
TEL:03-3707-6809
営:11:30〜14:30(14:15LO)、17:30〜21:00(20:45LO)
休:金・第3木

●プロフィール

荒川治
東京都内在住のタクシー運転手。B級グルメ好きが高じて、現職に就き、お客さんを乗車させつつ、美味い店探しで車を回している。中年になってメタボ率300%だが、「死神に肩をたたかれても、美味いものを喰らって笑顔で死んでやる」が信条。写真検索で美味しそうなモノを選び、食べに行って気に入ればとことん通い倒す。でもじつは、自分で料理を作ることも好きで、かなりの腕と評判。

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