数値を隠す「王将」「丸亀製麺」 栄養成分“公表拒否”の外食チェーンを独自調査

■塩分「非開示メニュー」を独自調査! 食べてはいけない外食チェーン(2/2)


 生活習慣病予防のために厚労省が掲げる食塩摂取の目標量は、1日当たり男性8グラム、女性7グラム未満。これとは別に、日本高血圧学会では6グラム、WHOで5グラム未満と、さらに低い数値も設定されているわけだが、多くの外食チェーンには、1食でこれらの基準を超える塩分過多メニューがずらりと並ぶ。今回はさらに、数値非公開店のメニューも検査機関に依頼し、独自に分析した。そこから出てきた驚きの数値とは……。(以下は「週刊新潮」3月21日号掲載時点の情報です)

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 掲載の表は、洋風ファストフード分野の代表的な店のメニューの塩分量をまとめたものである。

 一見してわかるように、前回紹介した和食チェーンに比べて塩分値は低い。

 中でも驚くのは、マクドナルドの数値が低いこと。分けてもフライドポテトの塩分値が非常に低いことに目が留まる。あのポテトを食べた時の塩辛さは一体、何なのか。

「フライドポテトは細切りにしたじゃがいもを揚げ、最後に塩を振りかけます」

 と、横浜創英短大の則岡孝子・名誉教授(栄養学)が謎解きをする。

「つまり、ポテトの表面に塩が付いていて、食べると直接舌でそれを感じる。そのため、実際の塩分量に比べて塩辛さを感じるのでしょう。“上からパラパラ”は塩の効率的な摂り方と言えるかもしれません」

 マックはジャンクフードの象徴とのイメージが強いが、塩分に限ってはなかなか身体にやさしいと言えそうだ。

 ちなみに、表の中ではケンタッキーの数値が比較的高め。

「鶏肉はコクがあるのは皮の部分だけ。身は牛や豚に比べて、ほとんど味がありません。おいしく食べるにはどうしても濃い味付けが必要になる」(同)

 代表メニューの骨付き肉「オリジナルチキン」は1ピースで1・7グラム。3ピースも食べれば、5グラムを超えてしまうから考え物だ。

■チグハグな対応


 そして、こちらの表が“問題”のチェーン店である。外食店で出されるメニューについては、塩分などその栄養成分を表示する法的義務はない。消費者庁にその理由を聞くと、「食事を作っている人が目の前にいるため、お客さんが直接、栄養成分を聞くことができるから」(食品表示企画課)だそうだ。忙しい店員にどれだけの人が尋ねるのか、法の実効性に首を傾げざるを得ない。が、それはともかく、義務がないのをいいことに、HPやメニュー表など、容易に客がアクセス出来る箇所に塩分数値を公開していない大手外食チェーンが6店あった。「丸亀製麺」「富士そば」「ゆで太郎」「餃子の王将」「天丼てんや」「かつや」の各店である。

 これらに栄養成分について取材をしてみたが、「てんや」を除いて公表拒否。もっとも、消費者窓口に電話をすると、逆にほとんどの店でメニューの一部とはいえ回答をしてきたから、対応のチグハグさが目立つのである。

 取材に加え、一部の店については、関東近県のISOを取得している検査機関に依頼し、メニュー数点の塩分数値を独自に調査してみた。

 表を見ればわかるように、やはりどこの店も高めの数値が見られる。

 また、「富士そば」「ゆで太郎」のそばチェーンに至っては、ほとんどまたは全てのメニューについて塩分量をまとめてすらいない。客にとっては、どんなものを出されるかわからない“不安”が付いて回るのである。

 それぞれの店にデータ非公開の理由を聞いてみると、

「各店舗において、お客様の面前で手作り調理するというスタイルから、表示した塩分量と実際の提供メニューの誤差が生じうることを考慮し、お客様に誤った情報を提示しないために、塩分量の表示はしておりません。塩分控え目で注文いただけましたら、なるべく意向に沿う形での調理をさせていただいております」(餃子の王将)

「減塩及び食品表示の方法について、引き続きよりよい取り組みを進めるべく努めてまいります」(丸亀製麺)

 等々の回答が返ってきた。

「栄養成分の公開の仕方一つで、企業の消費者に対する姿勢がわかる」(管理栄養士で、京都医療センター臨床研究センターの河口八重子研究員)

 公開を少しでも憚ることなかれ。

“塩対応”は禁物である。

「週刊新潮」2019年3月21日号初出/2019年5月3日 掲載

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