あなたの食卓に潜む「発がん性」料理 野菜がリスク増の犯人になっていることも

記事まとめ

  • 「アクリルアミド」は、国際がん研究機関によって発がん性の科学的根拠が強いとされる
  • 日本人はアクリルアミド摂取の半分以上を「野菜」からとっているという
  • さやえんどうやアスパラガスから出やすく、ヘルシー野菜ががんリスクを増やすことに

あなたの食卓に「発がん性」料理 リスク増の犯人は野菜だった!? がんを避ける調理法

■あなたの食卓に「発がん性」料理(2/2)


「アクリルアミド」は、国際がん研究機関(IARC)によって、発がん性の科学的根拠が強い位置にランク付けされている物質。タバコや酒に次ぐクラスだ。もともと工業用に用いられていた物質だが、実はあなたの食卓にも発生している。詳しくは前回記事を参照頂きたいが、“避けるべき食べ物”として、ポテトチップスの名前が挙がる。(以下は「週刊新潮」6月20日号掲載時点の情報です)

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 もっとも、アクリルアミドが恐ろしいのは、こうした防衛策だけでは十分でないところだ。

 掲載の円グラフを見ていただきたい。これは、日本人がどのような食品からアクリルアミドを摂取しているのかを表したもの。我々はその半分以上を「野菜」からとっているのだ。野菜の高温調理と言えば、素揚げや炒めものなど、家庭で作る食品も含まれてしまう。とりわけ、さやえんどうやアスパラガスからはアクリルアミドが出やすい。ヘルシーな野菜ががんのリスクを増やす「犯人」とは、とんだパラドックスである。

 せめて自ら台所に立つ時だけでも、この物質の摂取量を減らす術はないのか。

 食品安全委員会の事務局によれば、

「一般的には、焼く、揚げる、炒める、焙(あぶ)るなどの調理方法を取るとアクリルアミドが発生しやすい。逆に、煮る、茹でるなどの方法では発生しにくいという研究結果が出ています」

 つまり、賢者なら、野菜は「炒める」より「煮る」ということになるが、とはいえ、じゃがいも料理はいつも「肉じゃが」、となると、それはそれで味気ないものである。

 安全委員会が続ける。

「その場合は、じゃがいもを冷蔵庫で保管しないことをお勧めします。アクリルアミドは還元糖から生じますが、実はじゃがいもは、低温で貯蔵するとそれが増えるのです。炒め調理や揚げ調理に使うのなら常温が良い。冷蔵庫で冷やした場合も、1週間ほど常温に戻せば、還元糖が減ります」

 また、

「いもや野菜を炒める場合でも、切った後に、水にさらしておくと良いでしょう。さらすことで、アスパラギンや還元糖が食材の表面から流れ出す。ある実験では、れんこんを水さらしにした場合、しなかった時と比べて、アクリルアミドの量が半分に減りました」

 高温調理する際には、

「焦がし過ぎたり、揚げ過ぎたりしないように気を付けましょう。火力を弱めに、加熱時間は短めにして、軽く色が付く程度に仕上げる。そのためには、例えば、先に下茹でしたり、電子レンジで温めてから調理する。そうすれば、アクリルアミドの生成を抑えられます。炒める際に、具をよくかき混ぜることも、焦げ付きの防止に繋がります」(同)

 かき混ぜる速さが速いほど、アクリルアミド濃度も低くなるという。

 若干、手数はかかるものの、いずれもがんに怯えるくらいならかけてもいいひと手間と言えるだろう。

 ハーバード大学などで研究を重ねてきた、医師の大西睦子氏は言う。

「アクリルアミドに注意が必要なのは事実。ただ、他方で、例えばじゃがいもは、本来は高血圧や心疾患、がんなどの病気の予防に広く役立ちますし、コーヒーには、大腸がんなどのリスクを減少させるという論文が出されています。過度に神経質になる必要はありませんが、アクリルアミドがどのようなものかを知れば、避けることも出来る。リスクを避けつつ、食材の恵みを上手に得られるような食べ方をすることが必要です」

 突如“出現”した、あなたの食卓の「発がん性」物質。まさに喉元に突きつけられた危険と言えるだけに、付き合い方を学ぶべし、である。

「週刊新潮」2019年6月20日号 掲載

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