「夏の成果は9月に出ない」3つの理由! 学力は上がっても「偏差値が伸びない」と焦れば見誤る?

「夏の成果は9月に出ない」3つの理由! 学力は上がっても「偏差値が伸びない」と焦れば見誤る?

夏休みの成果は9月に出ません。そのことを知らないと「夏にあんなにがんばったのに」と親子ともに無力感に陥りかねません。偏差値や点数は絶対視せず、あくまでひとつの目安として受け止めるのがいいでしょう。

夏の成果は9月に出ません。むしろ、下がることの方が多いです。そのことを知らないと「夏にあんなにがんばったのに」と親子ともに無力感に陥りかねません。そこで今回は、夏の成果が9月に出ない3つの理由を説明します。


■理由その1:周囲の学力も上がっている
わが子の成績を確認するとき、まず目につくのが「偏差値」だと思います。ただこの偏差値という指標は、なかなかの曲者です。なぜかといえば、学力は上がっても、偏差値が上がるとは限らないからです。

偏差値というのは、同じテストを受けた人たちの中で自分の位置がどれくらいかを示す、相対的な指標です。同じテストを受けた誰かができれば自分の偏差値は下がるし、誰かができなければ自分の偏差値は上がります。

夏の約40日間は、基本的にはみんな集中的に勉強するため、みんな学力を高めます。ということは、偏差値を上げるには、みんな以上に学力を上げる必要があるのです。

とはいえ、がんばったみんな以上に学力を上げるのはなかなか難しいもの。9月の偏差値が上がらなかったら「みんなと同じくらい学力が上がった」と考えると、落ち込まなくてすみます。


■理由その2:夏に勉強したことがそのままテストに出るとは限らない
夏に勉強したことだけがテストに出るのであれば、ある程度の成果は見込めるでしょう。確認テストのような範囲の狭いテストであれば、高得点も狙えます。

でも、塾内実力テストや模擬試験のような範囲の広いテストはそうはいきません。特に中学受験をめざす小6生や、高校受験をめざす中3生であれば、9月以降の模試の出題範囲は、これまで学習してきた全範囲になります。夏の40日間勉強したくらいでは、カバーしきれないのです。

9月以降のテストでは、夏の間に勉強しなかったことも出題されます。たとえ勉強したことであっても、テストではさまざまな角度から問題が出されます。あとから答えを見れば「ああ、それなら知ってた!」ということでも、問題の出され方によっては答えられないということは、よくあるものです。

知識を身につけても、その知識をもとに問題を解くには訓練が必要です。夏に勉強した割に、成果に結びつかないということであれば、できなかったテストの問題を見直して、どう考えればその問題が解けたのかを確認しましょう。


■理由その3:テストの難度が上がっている
2学期以降のテストは、偏差値だけでなく点数も取りづらくなります。どこの塾のカリキュラムも学習単元が高度になるからです。

たとえ夏を経て学力が上がったとしても、その学力と同じかそれ以上に、学習する内容もテストも難度が上がっています。いくら夏にがんばって勉強したとしても、9月以降のテストで高得点を取るのは、誰にとっても容易なことではないのです。

2学期以降に難度が特に上がるのは、中学受験の小5算数、そして高校受験の中2数学と英語です。1学期まではさほど難しくなかった科目が、2学期以降急激に難しくなります。だからこそ、夏の学習が大事だったのです。

2学期以降、授業についていけなくなる理由は、1学期の学習内容の理解不足にあります。算数・数学と英語は科目の特性上、前の単元を理解していないと、次の単元を理解することができなくなるからです。

もし夏に1学期の復習をしきれなかったのであれば、1学期の学習内容を急ピッチで復習していくことを強くおすすめします。

さて、夏の成果が9月に出ない理由がおわかりいただけたでしょうか? わが子の学力をテストの点数や偏差値で判断すると、評価を見誤ります。偏差値や点数は絶対視せず、あくまでひとつの目安として受け止めるのがいいでしょう。同時に、1学期の復習が不足しているのであれば、可能な限りはやく取り組むべきです。勉強は、急がば回れです。

▼西村 創プロフィール早稲田アカデミー、駿台、河合塾Wings等で、講師、講師指導、校長などを務め、受験指導の専門家に。歴史・公民・小論文等に関する書籍を11冊出版。メディア出演・YouTube等で、受験や時事問題に関する情報を精力的に発信している。
(文:西村 創(学習塾・個別指導塾ガイド))

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