バツイチ同士の「再婚」をかき乱す想定外の登場人物。「よろしくね」と言われてゾッとして

バツイチ同士の「再婚」をかき乱す想定外の登場人物。「よろしくね」と言われてゾッとして

お互いに再婚だから、きっとうまくいく……とは限らない。想定外の事態に見舞われた女性たちもいる。

再婚同士の場合、未成年の子どもがいるといろいろ考えなければならないことが多い。だが、子どもがすでに成人していたり、子どもがいなかったりして問題がないように感じられても、実際には結婚してみなければわからないこともあるようだ。


■成人した夫の息子が仕事を辞めて
「私は20代で短い結婚経験がありますが、うまくいかずに離婚。2年前に、やはり離婚経験のある男性と再婚しました。お互いに労り合って老後を迎えられればいいなと思っていたんですが、どうもそうはいかないみたいな気配になってきちゃって」

苦笑しながらそう言うのは、ミユキさん(47歳)だ。7歳年上の夫には、現在25歳になる息子がいる。

結婚したとき、息子は就職したばかり。会社の借り上げアパートにひとりで暮らしていた。週末に戻ってくると、照れくさそうに、だがミユキさんと父親とで食卓を囲んだこともある。夫は息子を気にかけ、ふたりきりでときどき会ってもいたようだ。

「離婚してから息子とふたりきりで暮らしてきたから絆が強いんですよね。成人した子だから、少し放っておけばいいのにと思っても私は言えない。そうこうしているうちに、息子が仕事を辞めて家に戻ってきたんです」

夫としては追い出すわけにもいかないから、しばらく3人で暮らそうと言うしかないし、ミユキさんが反対することもできなかった。

「私としては想定外。共働きですから昼間は誰もいない家で、彼の息子は何をしているのか……。私は仕事が終わってから帰宅して、バタバタと夕食の支度に追われます。

夫とふたりならどこかで食べてもいいし、相談してテイクアウトでも買ってきてしまうけど、25歳の息子はしっかりしたものを食べたいようですし」

愛する人とふたりで、これからの人生は少しペースを落として楽しみながら暮らしたい。そう思っていたのにとミユキさんは困惑顔だ。

「夫は息子かわいさから、厳しいことは言わないんです。お小遣いもけっこうあげているみたい。でもこのままでいいのか、今こそ、厳しく対応したほうがいいんじゃないか。私はそう思っています」

夫と息子の密着した関係へのモヤモヤ、息子の生き方へのモヤモヤが止まらないミユキさん。この生活がいつまで続くのかとため息をつく日々だという。


■再婚同士の「気楽な新婚生活」のはずだった
3年前に15歳年上の男性と再婚同士で結婚したジュンコさん(45歳)。彼女が42歳、夫となった人は57歳だった。彼には27歳と25歳、ふたりの娘がいた。ふたりとも自立して仕事をしていたので、ジュンコさんは夫とラブラブの日々。

「ところが週末は、どちらかあるいは両方の娘が必ず帰ってくるんです。こっちも新婚ですから、週末やっとふたりで出かけようとするとやってくる。夫が離婚したのは、ふたりが10代後半のころ。理由は前妻の浮気だと聞いています。そのとき、娘たちは母親の味方だったとか。

それ以来、10年近くたまにしか会っていなかったのに、再婚したとたん、やってくるようになった。おそらく前妻の入れ知恵だと思うんです」

財産などそれほどあるようには思えなかったが、それでも再婚した妻であるジュンコさんに遺産の権利がいくことが癪なのではないかと考えた。

「夫は生命保険の受取人も、娘から私に変更してくれると言っていました。私はお金なんて望んでいなかったけど、彼の気持ちがうれしかった。いちばん大事な存在だからと言われて……。

私は20歳で結婚して出産、その後すぐ夫から離婚を切り出され、養育費ももらわずにがんばって娘を育ててきた。その子が高校を卒業して遠方の大学に行くことになって、ますますがんばって働かなくてはと思っているときに今の夫と知り合ったんです。

彼は学費を援助してくれると言ったけど、娘は奨学金を借りました。でも再婚には賛成してくれて。『これまで苦労したんだから、お母さん、幸せになって』と言ってくれたのがうれしかった」

だが、新婚生活は義理の娘たちに邪魔されてばかり。夫は娘たちを拒めないので、ふたりで金曜の夜から近場に旅行に出てしまうこともあった。夫は夫なりに気を遣ってくれたのだ。

「でも結婚して3年たった先日、夫の留守に書斎を掃除していたら机の上の書類を崩してしまった。整理しながら保険証書があるのを見つけたんです。つい見てみると、夫の生命保険の受取人、私ではなく娘たちでした。

私に変更してくれるのは嘘だったのか、忘れていただけなのか……。でもそんなことは聞けませんしね」

週末の娘たちの来訪は頻度が減ったものの、相変わらず電話もせずに急にやってくる。夕食時にやってきて「私も食べたい」と言い出すこともある。

「しかたがないから、私の分をあげて、私はカップラーメンですませるなんていうこともあります。夫は『そういうのはやめなさい、どこかで食べてくればいいだろう』とは言いますが、容認しながら一応言っているだけという感じ」

しかも先日、長女の妊娠が発覚、相手の男性とは事実婚だという。子どもを産んだらしばらくの間、よろしくねと言われてジュンコさんは背筋が寒くなった。

「実のお母さんのほうがいいでしょと言うと、『あの人はダメ、仕事優先だから』と。私も仕事をしているんですけどと言ったら、『どうせたいした仕事じゃないでしょ、休んでよ』って。夫がその場にいないとそういう言い方をする。私が言いつけないのを知っているんでしょうね。

産後、私をこき使おうとしているのが目に見えてる。夫に洗いざらい話して家を出ようかと考えています」

酸いも甘いもかぎわけたはずの大人同士の再婚。それでも係累がいれば、うまくいくとは限らないものなのかもしれない。

▼亀山 早苗プロフィールフリーライター。明治大学文学部卒業。男女の人間模様を中心に20年以上にわたって取材を重ね、女性の生き方についての問題提起を続けている。恋愛や結婚・離婚、性の問題、貧困、ひきこもりなど幅広く執筆。趣味はくまモンの追っかけ、落語、歌舞伎など古典芸能鑑賞。
(文:亀山 早苗(恋愛ガイド))

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