居心地のいい部屋づくりに大切なこと

居心地のいい部屋づくりに大切なこと

居心地の良い部屋づくりに家具は欠かせないなんて思っていませんか? 実はその発想が心地よさを犠牲にしてしまうことも。

くつろぐならソファ、団らんにはダイニングセット、おもてなしのティーセットにはカップボード……といった具合に、暮らしのシーンと家具を結びつけて考えていると、人のためにではなく家具のために部屋があるような本末転倒の結末に。いったい居心地の良い部屋って何だったのか? その原点を見失ってしまいます。何だか部屋がすっきりしていない、片付かないといった居心地の悪さを感じる主な原因は、部屋づくりのためにと思って家具に頼ってしまうことだったりするのです。

心から大切に思える家具とかモノに出会えるまで、決して妥協をしない「コレは要らない」宣言をして潔く暮らすことをお薦めします。


■ひとり暮らしの城を守る
自分だけの小さな城。思いどおりに好きなだけ部屋づくりを楽しみましょう。ベッドにソファ、テーブル、チェア、そしてドレッサーも欲しい。

でも、ちょっと待って。最初の1〜2年は良いのです。そのうちモノが増えて、自分の居場所が次第に狭まってしまうのも、ひとり暮らしの悩みのタネ。 そうならないためには、暮らしはじめの心構えが大切。張り切って何もかも揃えてしまわずに、本当に今の生活に必要なモノだけでスタートして、徐々にモノを加えていきましょう。

収納に必要かもしれない家具にしても、それが無かったら暮らせないの?と自問自答しながら、気を引き締めて部屋づくりにとりかかりたいものです。

その考え方の基本は「ひとりならコレは要らない」宣言です。


■ふたりで暮らしを考える
ふたりで暮らせば、冷蔵庫もテレビも1台で良いから合理的。とばかりは言っていられません。

食器も服も靴も何から何までふたり分。軽くそう思っていると、ふたりで持ち寄ったモノの多さに驚かされることでしょう。おまけにふたりの好みが違っていたとしたら、何をどうやって取捨選択するのか迷うはず。更にそこへ、お祝いに頂いた品々や、ふたりが別々に出席した披露宴の引き出物まで加わって、使わないままお蔵入りの品になってしまったり。

それだけには止まらず、食器もふたり分だけで充分と思いながらも、来客用のティーセットやお皿が増えていったり、服や靴、本や雑誌もそれぞれが買い足していくと、みるみるうちにモノの量が膨れ上がります。 こんなはずでは……と嘆きながら、予想以上のモノと格闘しながらのふたり暮らし。楽しいはずがトホホにならないように、ふたりには共通のポリシーが必要です。
そのポリシーのベースは「ふたりにコレは要らない」宣言です。


■小さなお子さんとオシャレに暮らす
小さな子どもがいるからインテリアなんて気にしていられない。増えるおもちゃと散らかし屋さんのおかげで、片付けと掃除に追われる毎日だから仕方ない。そういうお嘆きをよく耳にします。

家族が増えればモノも増えます。子どもが成長すれば、やがて自分でモノを管理できるようになるものの、それまでの間は両親が率先してお子さんに対してお片づけのトレーニングをすることになります。ということは、小さなお子さんも一緒にできる程度の片付けやすい方法を工夫したいところ。

そして、小さなお子さんにとっては家のあちこちすべてが遊び場。子ども部屋があっても子育ては食堂や居間が中心です。そうなると、おもちゃ箱や絵本棚などカラフルで賑やかな持ち物によって部屋のイメージが一変します。

小さなお子さんが、子供専用の家具を使って過ごすのは短期間に限られます。小学校に入学したら、みるみるうちに身体も遊びも成長をとげて、子供用の家具ではまかなえなくなることに。そんな成長を見越した上で、シンプルで永く使える家具を活用して暮らす方が合理的。そんな考え方の基本は「小さなお子さんとの暮らしにコレは要らない」宣言です。


■ひとりなら「コレは要らない」宣言
ひとり暮らしは下駄箱、押入れ、クローゼットなど、部屋に造り付けになっている収納に入る分だけのモノで暮らすことが基本と心得ましょう。

モノが増え始めると、それを追いかけるように収納用品や家具を揃えて、なんとかモノをしまおうとしてしまいがちです。でも、まずはその前にやっておく事が。それは、モノが増えてしまいそうになったら使用頻度の低いモノ、ほとんど使う見込みのないモノをピックアップして処分します。この処分するという努力を怠ると、当たり前ですが確実にモノが増えていくことに。だからと言ってモノを買う楽しみまで犠牲にして暮らすのは味気ないものです。

そこで、買うならコレ、買いたくなっても「コレは要らない」といったような、モノに対する自分の基準を育てることをお薦めします。


■ひとりご飯に無用なものはコレ!
例えば、初めてのひとり暮らしで戸惑いやすい食生活に関わるモノについて、こんな基準をもっておきたい。

・鍋とフライパンは各1個で充分。ちなみに料理家のケンタロウさんは、フライパンひとつで炒め物だけではなく煮物、揚げ物もおまかせで、しかも食卓にそのまま出して、アツアツを頂いちゃうとか。

・電気ポットは要らない。もし買うなら、小振りで保温も保冷も兼ねたグッドルッキングなポット。1年を通して使えるから重宝。ついでにコーヒーメーカーも要らない。ひとりならドリッパーでゆっくりと香りを楽しみながらでも良いのでは?

・食器の種類はふたり暮らしを参考にして最小限に止めるものの、ひとりご飯の時間を大切にしたいからランチョンマットを色柄替わりで数枚を用意して、食卓の演出にこだわってみる。

服や靴、化粧品、本、雑誌などは家族と一緒に暮らしていた時の基準の延長線上で考えはじめて、結論としては造り付け収納のスペースにあわせて数量をコントロールするというのが分かりやすい目安です。ひとり暮らしになったからと言って、いきなり身だしなみの基準が変わるというものではありませんから。恐らく、スペースに合わせてモノの量をコントロールしていくうちに、経験的にモノを選びとる基準が育っていくことでしょう。


■ふたりに「コレは要らない」宣言
おとなふたりの生活は自分の好みもリズムも確立しているから、お互いに歩み寄って調整しながら暮らしを刻んでいくことになります。

ことインテリアの趣味とかモノの片付け方については、育った環境や性格によるところが大きく、こんな筈では?と眉をひそめるような経験をするかもしれません。最初のうちは何となく許せていたことが、積もり積もって不満爆発なんてことにならないように、モノの量や管理の方法を決めておきましょう。でも、暮らし始めた当初は、ルールを作ると言ってもピンとこないものです。

まず基本は、ひとり暮らしのルールと同じ。ふたりの暮らしに必要なモノの量は、家に造り付けられた収納スペースにあわせてコントロールします。但し、暮らしているうちにモノの数は次第に増えていくのが現実。モノが増えれば、それをしまうための収納用品、収納家具を買いたくなるはず。そうなった時が基準の決め時です。

例えば、食器は日常使いから来客用、そしてコレクション的なモノまで、そのこだわりの範囲はどこまでも広がってしまいやすいものです。だからこそ食器のための収納家具を買ってしまうと、そのスペースの分だけ食器が増え続けることになります。そこで、ふたり暮らしをスタートする時には、あえて「これは要らない」ときっぱり意志を固めておきましょう。もちろんスペースに余裕があって我慢しなくてもよいのなら、食器集めは楽しみたいところ。それにしても、お互いが納得して永く付き合えるような家具に出会えるまで、じっくりと構えることが肝心です。


■食器棚は要らない!
食器は、キッチンに備え付けてある引出しと吊り戸棚に入る数だけと決める。

日常的に使う食器は白をメインとして、和洋中どんな料理にもあわせやすいモノをもっていると、やがてお子さんが生まれて3人家族になっても重宝です。カフェ風アレンジなら、コロンとした卵形のお皿を中心にすえて食器を揃えてみては如何でしょう。

キッチンの戸棚の中に棚板を増やして、棚と棚の間隔を狭めるだけでも収納量は増えるものです。また、コの字ラックやハンギングバスケットを使えば、無駄に空きがちなスペースにも食器が置けます。さらに、お皿立てやハンドル付きの収納ケースなど100円商品でも上手に活用すれば、高い位置にある棚でも中身が見えるから出し入れがしやすいです。

食器の中でも朝食やティータイムに使うモノだけをセットにして、いつでも食卓に備えておくという方法もあります。しかも簡単に作れる卓上の食器ラックにすれば、不用になったら解体しても良いですし、レターラックに転用する事も可能です。

ここでご紹介した収納法は、気に入った食器棚を手に入れる迄のつなぎの手段として使っても良いでしょう。あるいは、転勤が多い家庭にとっても役立つ考え方ですし、すぐに実践できる収納法です。


■お子さんとの暮らしに「コレは要らない」宣言
小さなお子さんとの暮らしは、とかく時間に追われがち。そしてそれに伴って気持ちにゆとりがもてなくなることも多いもの。そんな時に部屋の中がスッキリしていないと、気持ちのざわつきに追い打ちをかけられているようで辛くなるはず。

でも、小さなお子さんがいれば、おもちゃや絵本が広がり放題になるのは仕方のないことです。せめて、スッキリ片付いて見える部屋づくりってないのかしら?と切実に感じていることでしょう。

その部屋づくりに成功するための簡単な方法はひとつ。それは、子ども用の家具を持たないことです。かわいらしい絵柄の入ったカラフルな色使いの家具は確かにキュートですから、ついお子さんのためにと思ってしまいます。それはお祖父ちゃんお祖母ちゃんもそうでしょう。その気持ちは分かりますが、そこはグっと抑えて、スッキリ部屋のために我慢です。


■子ども用家具は要らない!
お子さんが小さいうちは、食堂や居間で過ごす時間が長いですから、おもちゃや絵本のほかに服とかタオル、衛生用品なども一緒に同じ場所に置かれていた方が便利です。そうしたお子さん用品の収納には、食堂や居間の雰囲気にマッチした家具を選ぶことをお薦めします。

引出しが4〜5段ついている背の低いチェストと呼ばれる家具や、キャスターのついたワゴンが良いでしょう。木目やアイボリー系など部屋にある他の家具と相性の合う家具を選びます。例えば、テレビボードやカップボードなど、すでに部屋に置かれている家具の色と素材を基に、横に並べたときに調和するタイプ。つまり、大人の目で見て選ぶということです。

食堂や居間に置く家具ですから、落ち着きとくつろぎ感が選ぶ際の基準になります。例えば5段ある引出しの下3段をお子さん用に割り当てて、下から順におもちゃ、タオルや衛生用品、衣類といった具合に。こうすれば、モノを取り出すために居間から他の部屋へ移動する必要がありませんし、男性も育児に参加しやすくなるはずです。
(文:すはら ひろこ)

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