共働き世帯にある勘違い!「収入=貯蓄」と考えてない?

共働き世帯にある勘違い!「収入=貯蓄」と考えてない?

「共働き」は、夫婦で収入は多いから貯金もたくさん、というイメージがあります。実は、それが共働き特有のお金が貯まらない原因になっている場合もあるのです。貯金ができないと感じている共働きの方は必見です

「共働き」というと、夫と妻の収入で家計は潤っていて、貯金もたくさんしているというイメージがあります。でも、「なかなか貯金ができない!」と嘆いている共働きカップルが多いのも事実です。実は、共働き特有のお金が貯まらない理由があるのです。


■貯まらない原因を探る!? 共働きの家計管理事情
筆者が家計相談をしていると、「貯金が貯まらな〜い!」という悩みを抱えた共働きカップルが意外と多いです。そこで、貯まらない共働きカップルの家計管理の方法にいくつかの共通点を見つけたので、ここで紹介します。あなたがもし共働きで、なかなか貯金が貯まらない場合、思い当たることがあるのではないでしょうか。

▼夫・妻とも正社員に多い、別会計カップル夫と妻ともに正社員やフリーランスとしてバリバリ働いているカップルに多いのは、お互いに一定の金額を2人の生活費として出し合い、残りを別会計で各々自由に使うというパターンです。一見すると合理的なカップルのように思われます。

このパターンでうまくいくカップルは、夫と妻共に金銭感覚がしっかりしていて、お互いに自分で貯蓄や投資をしている場合です。けれども多くのカップルは、自分の自由なお金は、自分の趣味やショッピングなどそれぞれが思いのままに使ってしまいます。これでは、思うように貯蓄できません。

▼パート・派遣の妻に多い、働いた分は全部自分のお小遣い結婚や出産を機に妻が会社を辞めた場合、いざ生活をしてみると夫の給料だけでは生活が厳しいということに気がつきます。自分が働いていた時は、美容院や化粧品、洋服にと十分にお金をかけられたのですが、夫が家計に入れてくれるお金からはそんなお金は出せません。しばらくは、自分の貯金を取り崩してきたけれど、いよいよ貯金も底をついてきます。そこで、「家計の足しに……」と言って、妻がパートや派遣を始めるというケースが多いようです。

こうして妻が働き始めた場合、家計の足しにといっても、今まで我慢していた美容院や化粧品、洋服の買い物に妻の収入は消えてしまいます。また、外に出る機会が多くなった分だけ、友達との外での外食が増えて、かえって出費が多くなってしまいます。結果、妻が働いた分は、全部妻のお小遣いに消えてしまい、家計全体で貯蓄していないことになります。

▼「お小遣い制」にしても貯まらない!?前述の2つのケースの場合、夫も妻も自由にお金を使ってしまうことが、お金が貯まらない原因と考えられます。では、「お小遣い制」を採用した場合はどうでしょうか。「お小遣い制」を採用すれば、自由に使っていた分の支出が抑えられるので、お金が貯まるようになると思われるでしょう。

確かに「お小遣い制」を採用して、貯蓄体質に変えられるカップルもいます。けれども、「お小遣い制」を採用した場合でも、なかなか貯蓄できないというカップルも多くいます。その原因は、「お小遣いのルール」があいまいということが挙げられます。それぞれのお小遣いで何を出費するかが決まっていないと、お互いに足りない分を家計から出費するようになり、結局、貯まらない家計になってしまいます。


■え!? 収入と貯金があるから貯まらない?
共働きカップルが、なかなかお金が貯まらない原因は、「お互いに収入がある程度ある」こと、そして、「貯金がある程度あること」の2つが考えられます。

▼2人の収入が消費を多くする「収入が多いほど、お金は貯まるんじゃないの?」と疑問に思った方も多いでしょう。実は、収入が多いことが貯まらない原因になっている場合があるのです。それは、こんな質問に対する回答から類推できます。

「2人の収入はいくら?」と質問すると、大抵のカップルは答えられます。次に「2人の支出はいくら?」と質問すると、世帯収入が少ないほどかなりの精度で答えられますが、世帯収入が多くなるほど、「大体、いくら」とか「ちょっと分からない……」と答えがあいまいになります。つまり、収入が多い人ほど、自分たちの支出額を把握していないということになります。収入があるという安心感から、支出に対してあまりシビアにならず、結果、消費体質の家計が作られてしまうのではないでしょうか。

▼貯金があるから貯まらない!?ある程度の貯金があることが貯金が増えて行かない原因の一つと考えられます。共働きカップルの場合、結婚年数にもよりますが、100〜300万円の貯金は比較的早い段階で貯めることができるでしょう。でも、ある程度貯金が貯まると、一定額でピタリと止まって、なかなかそれ以上増えなくなってしまう場合が多いようです。これは、貯金がある程度あるという精神的な安心感から、貯蓄よりも消費に意識が向かってしまうのです。

また、忙しい共働きカップルは、普通預金にまとまった金額を預けたまま放置していることが多く、そうなると、大きな買い物もカード払いでOKということになるので、衝動買いもしやすくなります。普通預金の残高とカード払い、このことも貯金がなかなか増えない原因の1つと言えるでしょう。

▼消費体質だと危険が一杯!?共働きで収入があるのに貯金が増えない……これは、気がつかないうちに2人の家計が消費体質になってしまっている証拠です。そして、2人の未来に黄色信号が灯ります。なぜならば、消費体質の家計では、将来2人に起こるライフイベントによる家計の変化への対応が難しいからです。

例えば、幸いにも赤ちゃんを授かった場合、子育て費用や将来の子どもの教育費を準備する必要があります。そのためには、今までの消費体質の家計を改め、貯蓄をして行かなければなりません。そんな時、一度染み付いた生活スタイルは、なかなか変えることができません。今まで贅沢してきたんだから我慢すればいいじゃないと思うかもしれません。でも、食品や美容院、化粧品などを例にとっても、急に今までと違うものに変えることはできませんよね。そう考えると、急に支出を抑えるには相当の努力(苦痛)が伴うので、なかなかうまくいかないでしょう。

2人の収入があり、ある程度の貯金がある共働きカップルで、「最近、貯金が増えていないな〜」と感じる方は、自分たちの家計が消費体質になっていないか、今一度振り返ってみてはいかがでしょうか?


■共働きだからこそ、お金を貯めよう
それでは、2人の未来を明るくするために、消費体質の家計から脱出するための方法を考えてみましょう。

▼家計の「見える化」に取り組もう先ほど、「2人の収入はいくら?」「2人の支出はいくら?」といった質問の話題を取り上げました。では、皆さんはこの質問に答えられますか? 答えられないカップルは、2人の収入と支出を確認することが先決です。なぜならば、「貯蓄」=「収入」−「支出」ですから、貯蓄するためには、2人の収入と支出をきちんと把握しなければ始まりません。

いきなり家計簿をつけるのは大変でしょうから、例えば、ある1週間の出費を、夫と妻それぞれが記録してみるのはいかがでしょうか。普段意識していなくて出費しているものって意外と多いことに驚くでしょう。

▼「ニーズ」と「ウォンツ」を区別してメリハリのある生活を2人で1週間の支出を書き出した後、お互いの支出について「ニーズ」(必要なもの)か「ウォンツ」(欲しいもの)か、確認してみましょう。恐らく、「ウォンツ」の方が多いことに気づくはずです。これは共働きに限らず、誰でも言えることです。普段の生活が楽しいと感じられるのは、この「ウォンツ」のお陰なのです。

同じ収入でもお金が貯まる人と貯まらない人がいます。お金が貯まる人とお金が貯まらない人を比べて、お金が貯まる人は、「ウォンツ」を我慢しているから生活に楽しみがないかというとそうとは限りません。実は、お金が貯まる人の方が生活を楽しんでいるとも言えるのです。

お金の貯まらない人、つまり「ウォンツ」をいつも満たしている人は、「ウォンツ」を満たしても、それに慣れてしまっているので、すぐに満足感が薄れて、次の「ウォンツ」を求めるようになります。一方、お金の貯まる人は、普段は「ウォンツ」を我慢しているから、「ウォンツ」を満たした場合、満足度は大きく、長続きします。満足度が大きく長続きするということは、それだけ生活に楽しみ、潤いを感じることができます。

もちろん、いつも「ウォンツ」を我慢しなければならないということではなく、我慢を取り入れることで、実は、生活がより楽しくなるということを知ってもらいたいのです。

▼生活費とお小遣いを決めるよりも、貯蓄の分担を!共働き夫婦の家計について、「生活費の分担はどうしたらいいの?」とか、「夫と妻のお小遣いはいくらが妥当?」といった質問を受けます。けれども、上手に貯蓄するためには、「収入」−「支出」=「貯蓄」の家計から、「収入」−「貯蓄」=「支出」に変える必要があります。つまり、収入から貯蓄分を先取りして、残った分で支出を賄う家計にするということです。

共働きの場合、2人のそれぞれの貯蓄の分担額を決め、2人の収入から貯蓄分を差し引いて、残った分を家計に入れ、その範囲で生活をするようにしないと、思った金額は貯まりません。頭では分かっていてもなかなか貯蓄ができない場合は、自動積み立て型の預金を利用するなどして強制的に貯蓄できるような仕組みをつくることをオススメします。

▼共働きのメリットを最大限活かそう共働きの場合、収入がある程度あることに加え、忙しくて家計簿をつける暇がないなどの理由から、いつしか知らず知らずのうちに、消費体質の家計ができ上がってしまっている場合が多いのです。皆さんの家計は大丈夫でしょうか?

消費体質の家計にならないためには、意識して貯蓄をすることが必要です。そして、継続して貯蓄をするためには、貯蓄をする目的がなければなりません。目的があるから目標(金額)が決まり、それに向かって進むことができるのです。

夫婦2人で、5年後、10年後のことを想像してみましょう。その時、2人は何をしていますか? きっと今よりも幸せな状態を思い浮かべたことでしょう。それを実現するために必要なモノ・コトは何ですか? それにかかる費用はどの位ですか? 2人で5年後、10年後の未来を話し合うことで、目的と目標が定まります。共働きで収入が多い分、可能性は更に広がっています。2人の目標を一致させて未来に向かって頑張りましょう!
(文:平野 泰嗣(マネーガイド))

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