科学的に正しい、子どもへのお金の教育方法とは?

科学的に正しい、子どもへのお金の教育方法とは?

子どもの頃は分からなくても、大人になると、お金の苦労は絶えないものです。今回は、科学的に正しい、子どもへのお金のしつけ方をご紹介します

子供の頃は分からなくても、大人になると、お金の苦労は絶えないものです。ですから、お子さんのいる方であれば、「子どもにお金のしつけをしたい」と考えている方も多いのでは? そこで今回は、科学的に正しい、子どもへのお金のしつけ方をご紹介します。


■しつけ:その1『まずは「算数」を教えよう!』
コロンビアの首都ボゴタにある総合大学。ロスアンデス大学のCatalina Estrada-Mejia氏が、算数と貯金の関係性を示すおもしろい研究(参考文献(1))を発表しています。彼女によると、「計算能力の高い人は、資産を貯めやすい」「計算能力の低い人は、資産を浪費しやすい」のだとか。

お金の勉強の代表格といえば、「会計学」でしょうが、会計処理には計算がつきものです。そう考えると、「算数ができる人ほど、お金に強くなる」というのは、イメージしやすいのではないでしょうか。

この研究結果を踏まえると、お金のしつけの第一弾としては、「子どもに算数を教える」のが良いと思います。複雑な計算は必要なく、小学生〜中学生レベルの四則演算や方程式くらいのものを教えてあげると良いでしょう(自分で教えるのが難しい場合は、塾に通わせるというのも、手だと思います)。

算数はお金を扱う根幹知識ですから、お小遣いを渡すなどの実践へ移る前の下準備として、こういったところから教育していくのが良いと思います。

また、もしあなたが「自分もあまり算数が得意でない」という場合は、できればお子さんと一緒に算数の勉強をしてみてはいかがでしょうか。「計算能力が高いほどお金に強くなる」というのは、子どもでも大人でも関係ありません。自分にとっても、良いエクササイズとなるでしょうから、オススメですよ。


■しつけ:その2「お小遣いだけではダメ」
イタリアのヴェローナ大学のAlessandro Bucciolらの研究(参考文献(2))によると、子どもに貯金を教えるには、「お小遣いをあげるだけでは効果が薄い」のだとか。ですから、お小遣いをあげただけで「お金の価値観が身につく」と考えるのは、すこし乱暴です。

Alessandro Bucciolらは「子どもの頃に教わった貯金に対する価値観」は、大人になっても残ると主張しています。そして、貯金を教わった子どもたちは、そうでなかった子どもたちと比べて、実際に貯金の金額が増えたことも確認しました。

言われてみれば、ぼく自身も子どもの頃は、「大人になったらお金を貯めなさい」「借金をしてはダメだよ」といった教育を受けました。そして、これらの価値観は、いまだに根強く残っています。個人的にも、この説は正しいと思いますね。

さらに彼らは論文の結びとして、「貯金の大切さを教えたいのであれば、お小遣いだけでなく、貯金のアドバイスや、お金の使い道をコントロールしてあげるなどをしてあげると良い」としました。

子どものお金遣いが上手になるには、「親の教育」が大きな要素を占めています。ですから、ぼくら自身がもっとお金のことを知り、得られた学びを子どもへと橋渡ししていくことが大切なのでしょうね。

当たり前の話ですが、自分自身の金遣いが下手だと、子どもに教えるも何もありません。「モノを買うより経験を買った方が、幸せになれる」といった、エリザベス・ダン(参考文献(3))の教えを知るなど、まずは自分自身が、お金についての理解を深めないといけなさそうですね。

●参考文献

(1) 論文:Catalina Estrada-Mejia, Marieke de Vries and Marchel Zeelenberg, 2016, “Numeracy and wealth”, Journal of Economic Psychology, 54, pp. 53-63
(2) 論文:Alessandro Bucciol and Marcella Veronesi, 2014, “Teaching children to save: What is the best strategy for lifetime savings?”, Journal of Economic Psychology, 45, pp. 1-17
(3) 書籍:エリザベス・ダン, 2014, “「幸せをお金で買う」5つの授業”, KADOKAWA/中経出版
(文:中原 良太(マネーガイド))

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