マスクで風邪は防げるか…ウイルス感染防止の効果はある?

マスクで風邪は防げる? マスクのみによる防御を過信せず、手洗いなど他の感染対策を

記事まとめ

  • 感染予防に関しマスクはそこまで期待はできないが、咳エチケットとしては有効とのこと
  • 発症者がマスクをすることにより、他の者への感染機会を減少させる効果はあるという
  • マスクを過信せず、手洗いや人混みを避けるなど、他の感染対策も講じる必要がある

マスクで風邪は防げるか…ウイルス感染防止の効果はある?

マスクで風邪は防げるか…ウイルス感染防止の効果はある?

風邪やインフルエンザを発症した場合、他の人になるべく感染させないためにマスク着用は有効です。しかし、感染しないための予防法として、マスクは万全とはいえないのです……。


■ウイルスはマスクを通り抜けてしまうのか?
ウイルスがマスクを通り抜けるということは、イメージしにくいかもしれません。しかし、スーパーカミオカンデで測定しているニュートリノが、難なく地球を通り抜けているということを考えると、ウイルスがマスクを通り抜けるということも考えられなくはありません。

ここでは、「金魚すくい」にたとえて、「ウイルス」と「マスクの穴」の関係について考えてみたいと思います。


■「ウイルス」と「マスクの穴」の関係を金魚すくいにたとえると……
ウイルスにもいろいろありますが、一般的なウイルスとして、インフルエンザウイルスで考えてみましょう。

インフルエンザウイルスの大きさは0.1μm(マイクロメートル)、一般的なマスクの穴の大きさは5μmとなっています。ちなみに、1μmは1mmの1000分の1です。インフルエンザウイルスとマスクの穴の大きさの差はじつに50倍。

「金魚すくい」にたとえて、ウイルスを「金魚」、マスクの穴を「金魚すくいポイ」(金魚すくいの網)とすると、4cmの金魚をすくうのに、それに対応する金魚すくいポイの大きさは4cm×50倍の200cm(=2m)になります。しかも、この金魚すくいポイは紙が貼っていない“ただの枠”です。

この巨大な金魚すくいポイでは、何回やってもウイルスという金魚をすくうことは難しいとおわかりでしょう。通常のウイルスは0.3μm以下であり、マスクの穴ぐらいなんなくすり抜けてしまいます。ノロウイルスはさらに小さく、0.03μmしかありません。

それに対して、スギ花粉は30μm、非常に小さいとされている粒子状物質PM2.5でも2.5μmもあります。インフルエンザウイルスを4cmの「金魚」とすると、PM2.5は1mの「ブリ」、スギ花粉は12mの「ジンベイザメ」ほどの大きさになるのです。比べてみると、ウイルスはかなり小さいですね。


■マスクを過信せずに他の感染対策も
マスクは、感染予防に関してはそこまで期待はできないものの、咳エチケットとしては有効です。というのも、咳をした際のウイルスは唾液と共に飛散するからです。唾液の大きさは5μmになるため、マスクにより感染機会を減少させることが可能です。

厚生労働省が作成した「新型インフルエンザ等対策ガイドライン」にも以下のように記載されています。

▼感染防止“発症した者がマスクをすることによって他の者への感染機会を減少させる効果は認められており、自らが発症した場合にはマスクは着用することが必要である。他方、まだ感染していない者がウイルスの吸い込みを完全に防ぐという明確な科学的根拠はないため、マスクを着用することのみによる防御を過信せず、手洗いの励行や人混みを避けることなどの他の感染対策も講じる必要がある。”

『新型インフルエンザ等対策ガイドライン(平成25年6月26日作成 平成30年6月21日 一部改定)』より

欧米では日本のような文化がないため、症状もないのにマスクをしていると重病人と勘違いされることもあるようです。ガイドラインにもあるように、感染防止にはマスクを過信せず、手洗いや人ごみを避けるなど他の感染対策も必要といえるでしょう。

▼今村 甲彦プロフィール日本消化器病学会専門医、日本消化器内視鏡学会専門医、日本肝臓学会専門医。久留米大学病院高度救命救急センターを経て、現在は地域の中核病院で内科診療および内視鏡検査に励む。「患者さんの声に常に耳を傾ける」ことをモットーに、消化器・肝臓領域から風邪、高血圧等の一般内科領域まで幅広く診療を行っている。
(文:今村 甲彦(医師))

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