離婚したい夫としたくない妻……「別居」は解決策になる?

離婚したい夫としたくない妻……「別居」は解決策になる?

川ア麻世さんとカイヤさん夫婦が離婚裁判を起こしていたが、ついに離婚が認められたという。何年別居すれば離婚できるという基準はないが、判例からみると5年以上別居していると離婚しやすい傾向にはあるという。


■長年の別居で離婚承諾を待つ夫……
タレントの川ア麻世さんとカイヤさん夫婦が離婚裁判を起こしていたが、ついに離婚が認められたという。30年にわたる結婚生活のうち半分の15年別居していたというから、これは夫婦関係が破綻していると判断されてもやむを得ない。

何年別居すれば離婚できるという基準はないが、過去の判例からみると5年以上別居していると離婚しやすい傾向にはあるという。ただ、どちらが離婚原因(別居原因)を作った有責配偶者なのか、それまでの関係はどうだったのかなど相対的な判断が求められる。


■運命の再会をしてしまった
「世間では不倫というかもしれませんが、僕にとっては運命の出会いだった。どうしても今までの結婚生活は虚飾としか思えなくて……」

そう語るのはジュンイチさん(45歳)だ。2歳年下の女性と結婚して15年、中学生のひとり娘がいる。

「30歳だし、周りは結婚していくし、そろそろ自分もという感じでした。妻とは職場恋愛からの結婚です。穏やかな人柄に惹かれて、結婚するならこういう人だと思ったんです」

結婚生活は確かに平穏だった。子どもも生まれ、なにごともなく過ぎていく人生。本当はジュンイチさんもそれで満足しているはずだったのだ。

「ところが出会ってしまったんですよね」

5年前だった。家族で繁華街をぶらぶらしていると、向こうから歩いてくる人々の中に「光が差しているように見えた女性」がいた。それが高校時代の同級生だったカナさん。

彼は彼女に強く片思いをしていた時期がある。告白しようか悩んで、ついにできず、大学に入ってから連絡をとろうとしたのだが、連絡先がわからなくなっていた。風の便りでは、彼女は結婚してアメリカに渡ったという話もあった。

「ばったり会って、ウインドウショッピングに夢中になっている妻と娘から離れ、彼女のほうへ歩いていきました。すると彼女がパッと顔を輝かせたんです。『元気だった?』と同時に言いました。その場で連絡先だけ交換して別れたんですが、妻と娘のところに戻るとふたりはまだ店をのぞき込んで話してる。僕に運命の時間が訪れていたことなんて知りもせずに」

翌日、早速カナさんに連絡をとって会った。アメリカに移住していたわけではなく、彼女は大学を出てからしばらく留学していたのだという。

「結婚しようかと思った相手もいたけど、結局、日本に帰ってきたそうです。それから外資系の会社で仕事をしている、と。30歳のときに日本で結婚したけど3年ともたなかったと笑っていました。今は病気がちな父親とふたり暮らしだって。僕はしゃべっている彼女を、ただただ見つめていた。その日は食事をしてすんなり別れました。また会おうねと言って」

フランクなつきあいが半年ほど続いたが、ジュンイチさんはだんだん彼女に会うのが苦しくなっていく。好きでたまらない。だが自分は結婚している身だ。浮気や不倫には縁のない生活を送ってきた。家族に後ろめたいことはしたくなかったからだ。

「それなのに、彼女への思いは止められない。ある日ついに、彼女に気持ちを打ち明けました。『あなたは結婚しているんだから、友だちでいましょう』と彼女は言った。でもそのとき彼女は涙ぐんでいたんです。お互いに気持ちは同じだった」

そこから一気に恋が爆発した。


■「逢瀬」を続けたが、ついに別居へ
半年間、彼は家族に気づかれないよう細心の注意を払ってカナさんと逢瀬を重ねた。いけないことをしているから燃えたわけではない。知れば知るほど、彼女の魅力にはまっていったのだ。

「いつまでしゃべっていても飽きない。彼女は話題が豊富だし考え方が深いんです。とにかく相性が合うんです。会話がころころと転がって広がっていく。彼女といると僕はどんなときより僕らしく、自然でいられるんです」

ある日、深夜に耐えられなくなり、妻に「出て行っていいか」と尋ねた。妻がいいというはずもない。理由を聞かれて彼は言い澱んだ。

「家族を捨てられるものなら捨ててみたら、と妻が言いました。今まで聞いたことのないような低いドスのきいた声でした。妻は勘づいていたんでしょう。気づかれていないと思っていたのは僕の甘さでした」

彼は泣きながら荷物をまとめ、家を出て小さなアパートを借りた。報せを受け、彼女も身の回りのものだけ持って病み上がりの父と住む家を出て彼と合流した。

あれから4年、生活費は毎月、妻の口座に振り込んでいる。カナさんも仕事をしているので、ふたりはなんとか暮らしていける状況だ。

「それでも僕もカナも幸せなんです。娘には申し訳ないことをしたと思っている。つい先日も娘に会いました。まだ中学生なのに、『おとうさんが幸せで、私がいつでもおとうさんに会える状態なら、別に別居だろうが離婚だろうがかまわないけど』とませたことを言っていましたが、それが本心かどうかわからない。妻は離婚はしないの一点張りです。僕らは別に婚姻届を出したいわけではないので、このままでもかまわない。ただ、いずれやはり白黒つけたいと思うときが来るかもしれません。妻が離婚を決意してくれるまでずっと待つつもりですが」

社会的には宙ぶらりんの身の上だが、それでもジュンイチさんとカナさんは「出会えてよかった」と毎日のように話しているのだそう。

結婚してから本当に好きな人に出会ってしまったら、こういう選択肢もあるのかもしれない。何がいいとか悪いとか、はたからは何も言えない。
(文:亀山 早苗(恋愛ガイド))

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