ダイエット失敗の原因!「太りやすい食べ物」と「太る食べ方」に要注意

ダイエット失敗の原因!「太りやすい食べ物」と「太る食べ方」に要注意

脂質を多く含む食べ物や炭水化物には要注意ですが、反対に野菜や海藻類などは、やせ体質につながります。


■「食べるもの」と「食べるタイミング」ダイエット前の基礎知識
食事によるダイエットというと、とにかく「食べるもの」に着目しがちです。特に、何を食べればやせられるのか、何を食べると太るのか、そんな話題で持ちきりになります。確かに、ダイエット中に「食べるもの」について考えることは大切です。

しかし、本当にダイエットに成功したいのならば、「食べるもの」と「食べるタイミング」の2つの視点で食事について考えていく必要があるのです。太りやすい食べ物と太りにくい食べ物、太る食事のタイミングについて、詳しく解説します。


■太りやすい食べ物……摂取カロリーが高い「太る食べ物」
太りやすい食べ物の特徴を考えてみましょう。太りやすい食べ物は、当然のことながら、カロリーの高い食べ物です。それでは、カロリーが高い食べ物はどのようなものを指すのか考えてみましょう。

▼少量なのに、カロリーの高い「油脂類」まず、1つめに「少量でカロリーが高いもの」。これは「油脂類」が挙げられます。

人間のエネルギー源になる三大栄養素は、炭水化物(糖質)、たんぱく質、 脂質(油脂類)。炭水化物とたんぱく質は、1gあたり4kcalのエネルギーを作り出すことができ、脂質は1gにつき9kcalのエネルギーを作り出すことができるといわれています。

そのため、油脂類は炭水化物やたんぱく質よりも、少量でカロリーが高くなります。

油脂類はバターやマーガリン、サラダ油、ごま油、オリーブオイルなど、それぞれ油脂の性質が異なるため、健康に対する影響はさまざまですが、作り出すエネルギー量はすべて同じ9kcalです。カロリーの面から見ると、どの油が優れていて、どの油が体に悪いと区別することはできません。

▼たくさん食べてしまいがちな「炭水化物」2つめに「一度にたくさん食べられるもの」。これは「炭水化物(糖質)」が挙げられます。炭水化物は1gあたりのエネルギー量は低いのですが、米やパン、 麺類など主食に多く含まれているため、1食あたりに食べる量が他の食材と比べて多いのです。

しかも、味が日本人好みのあっさりした味で、どのような食材と組み合わせても相性バッチリ。知らず知らずのうちにたくさんの量を食べてしまうのです。

その他、菓子類などに多く含まれる砂糖も、甘い味を欲して食べ過ぎてしまうことがあります。

このような理由から、洋菓子などは「小麦粉(炭水化物)、バター(油脂類)、卵(たんぱく質・油脂類)、砂糖」が主原料で、ビタミンやミネラルも少ないので、太りやすい食べ物の典型といえます。


■やせ体質を目指す「太りにくい食べ物」「太らない食べ物」
いくら食べても大丈夫な「太らない食べ物」というものはありませんが、太りやすい食べ物は「少量でカロリーの高いもの」「一度にたくさん食べられるもの」でした。これを逆にすれば、「太りにくい食べ物」の条件が分かります。

・「少量でカロリーの高いもの」→「大量でもカロリーの低いもの」

・「一度にたくさん食べられるもの」→「一度にたくさんは食べられないもの」

「一度にたくさんは食べられないもの」には、珍しいものや高価なものなどが考えられますが、一般の食材でこれといったものは見当たりません。そこで「大量でもカロリーの低いもの」に着目して考えてみると、野菜類や海藻類、きのこ類が挙げられます。

▼ビタミンや食物繊維が豊富な「野菜類」野菜類は大量に食べてもカロリーが低いだけでなく、ビタミンや食物繊維を豊富に含んでいます。

そのため、多少食べ過ぎたところで、カロリーオーバーになることはありません。さらに、ビタミンは体の潤滑油のような役割をしていますので、他の栄養素がうまく働く手助けをします。

▼不要物をどんどん排出する「食物繊維」食物繊維はそれ自体にカロリーはほとんどなく、消化もされにくいため、以前はゴミ扱いされていました。しかし、近年では便量を増やす働きがあることが分かり、脚光を浴び始めました。

便量が増えれば、排便回数も増えるため、不要物を吸収する前に体外に排泄し、老廃物等の吸収を抑えることができるのです。さらに、食物繊維は毛糸玉のようにさまざまなものをからめとる力がありますので、腸管内の不要物や摂りすぎた栄養素をからめとって排泄する働きもあります。

▼空腹時におすすめの食べ物と注意点そこで、どうしても空腹感が強い時には、野菜類や海藻類を使った食べ物、酢昆布や寒天ゼリー、こんにゃくゼリーなどを食べることがオススメです。ただし、野菜類でもいも類、カボチャ、れんこん、とうもろこし、くり、ぎんなん、豆類などカロリーの高い野菜もあります。

どの野菜のカロリーが高いか覚えられればよいのですが、数が多くて覚えられないこともあると思います。そんなときは、種子となる野菜(豆、ナッツ類)以外の土から上になっている野菜はOK、土より下になるものは要注意と考えれば、あたらずとも遠からずといったところ。このくらいのことを意識してくださいと患者様には説明しています。


■食べるタイミング……食事は規則的にとる
近年では、さまざまな生活スタイルの人がいます。すべての人が9時出社18時退社という時間ですごしているわけではありません。夜勤の人もいれば、交代勤務の人もいます。残業がたっぷりある人もいます。そのため、食べるタイミングも人それぞれです。

しかし、基本は朝・昼・夕の3食をきっちり食べることがベストです。さらに、できるだけ毎日の食事時間の「ずれ」を少なくすることもポイント。

なぜなら、胃は空っぽになった時間から次の食事時間まではこのくらいであろうと推測して消化液を準備して待っています。消化液の準備が整うと空腹感を感じるわけですが、そのタイミングで食事を食べられないことが続くと、胃は消化液を準備することを怠け始めます。

消化液を準備することを怠けるとはけしからん!と思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、胃は食べ物が入ってこないのに消化液を用意していると、食べ物の代わりに胃壁を消化し始めます。

この状態は自己消化と呼ばれます。特に、食べられない日が続くと精神的にも疲労しています。

疲れによるストレスが加わって、胃壁自体も弱くなっていることが多く、普段の状態であれば消化液で消化されない胃壁も簡単に消化されてしまうのです。この状態が続けば、胃潰瘍や十二指腸潰瘍になってしまうこともあります。

さらに、食事のタイミングがばらばらだと、胃の消化液が十分に用意できていないうちに食事をすることにもなりますので、消化不良を起こし医者にかかるほどではないけれど、といった体調不良を起こしやすくなります。このように、食事は規則的に食べることが大切です。


■夜食は太る? 夜遅い時間の食事は体調不良の原因にも……
もう1つ、夜遅い時間の食事は太りやすいことがわかっています。これは、日光等による身体のホルモンバランス等の日内変動が関係しています。人間の体内にはあらかじめ時間を察知するための、概日リズムと呼ばれる「体内時計」が備わっています。

地球の自転のスピードは24時間周期ですが、体内時計による概日リズムは一定の光の下で生活した場合、25時間サイクルになることが知られています。我々はこの1時間のずれを、日光を浴びたり、生活リズムを整えることで修正しながら生活しているのです。

体内で概日リズムを制御しているのは、BMAL1、CLOCK、といった時計遺伝子です。規則正しい生活をしている人はバランスよく遺伝子が働き、健康に過ごすことができますが、不規則な生活だったり夜遅くまで活動している人は遺伝子がうまく働かないため、身体に不調が出てしまうのです。

※詳しくは、香川靖雄先生の『なぜ午後6時の夕食は太らないのか? 時計遺伝子ダイエット』(集英社)をご参照ください。

実際には午後6時に夕食を食べることができる人は少ないと思いますが、それでも夜遅い時間に食事をし、そのまま眠ってしまったとしたら、当然のごとく、朝までに消化は終わっていません。

朝食の時間に食欲が湧かないという悪循環になってしまいます。午後9時ごろまでに食事を終わらせることができれば、それだけでもダイエット効果は高まります。


■朝食抜きはダイエットに逆効果!「お相撲さん」の食事法?
どうしても夜が遅くなってしまうので、朝は食欲がないし朝食抜きにして、昼・夕の2食で1日分のエネルギーを確保しても、リズムが一定ならばよいではないか?と考える人もいるかもしれませんが、朝食抜きの2食は相撲取りが身体を大きくするためにしている食生活ですので、一般の人が真似をしたら太る原因になります。

さらに、朝食抜きは昼食までのエネルギー源が体内に蓄えられた脂肪のみです。これ幸いと思うかもしれませんが、脳のエネルギー源は99%が糖質です。体内で脂肪から糖質を作り出すことはできますが、朝食を食べるよりもずっと時間がかかることから、午前中の脳の働きが低下してしまいます。

以前、自治医科大学で行った研究で、全寮制の医学生を朝食を食べる群と食べない群に分けて調査をしたところ、朝食を食べる群の方が学業成績がよかった、という結果もあります。

※詳しくは、香川靖雄著『科学が証明する新・朝食のすすめ』(女子栄養大学出版部)をご参照ください。きちんと朝食を食べるほうが、仕事の効率は上がるのです。

このように食事のタイミングには、考えなければいけない条件がたくさんあります。


■正しいダイエットには生活習慣の見直しが必要
まず手始めとして自分自身の起きたときから寝るまでの時間の使い方を書き出してみて、不規則になっていないか、行う順序を入れ替えて食事のタイミングを揃えることができないか、少しでも早いタイミングで食事を食べる事ができないか、朝食を食べる時間を確保することはできないかなど、考えてみるとよいでしょう。

時間の使い方を書き出して、問題点を見つけるだけで、2〜3kgの減量に成功する人も続出しています。

ここで問題となるのは、夜勤やシフト勤務での仕事に従事している場合です。常に夜勤の仕事ならば、出勤の時間を日勤の人の朝9時のタイミングに置き換えて、24時間のスケジュールを組みます。夜中に食事を摂ることになる人もいると思いますが、それでかまいません。

外国で暮らしている人と同じで、時差があると思えばいいのです。ただし、日中の明るい時間に睡眠をとることにもなりますから、寝る部屋はできるだけ暗くして眠る必要があります。

シフト勤務の人はシフトの数だけ、時間の使い方を書き出してください。その上で、できるだけ食事のタイミングがずれないように工夫できるところを探します。

食事のタイミングを整えるのはシフト勤務の人が一番、難しいと思いますが、ここでくじけたらダイエットは成功できません。がんばりましょう。食事の内容と食べるタイミングを整えて、太りにくい身体を手に入れましょう!

▼平井 千里プロフィールメタボ研究を行いエビデンスに則ったダイエットを教える管理栄養士。小田原短期大学 食物栄養学科 准教授。女子栄養大学大学院(博士課程)修了。前職の病院での栄養科責任者、栄養相談業務の経験を活かし、現在は教壇に立つ傍ら、実践に即した栄養の基礎を発信している。
(文:平井 千里(管理栄養士))

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