下流老人まっしぐら!? 非正規の人たちの老後

下流老人まっしぐら!? 非正規の人たちの老後

非正規雇用でも、厚生年金に加入できる年収の人や、会社員・公務員に扶養されている配偶者であればまだいいですが、どちらでもない人は老後が大変ですよ!


■雇用者の4割近くが非正規雇用!

会社などに雇用されている人のうち、38.2%はパートなどの非正規雇用です(総務省「令和元年労働力調査年報 年平均結果の概要」)」。非正規雇用でも、厚生年金に加入できる年収の人や、会社員・公務員に扶養されている配偶者であればまだいいですが、どちらでもない人は老後が大変ですよ!


■非正規雇用の公的年金の被保険者区分は複雑!
非正規雇用でも、年収130万円以上などか、週の所定労働時間または月の所定労働日数が正社員の4分の3以上か、それを満たさなくとも一定の要件(厚生年金被保険者数が常時501人以上(※)の企業・適用事務所に勤務している、雇用期間が1年以上見込まれる、労働時間が週20時間以上など)を満たす人で、年収106万円(月収8万8000円)以上であれば勤務先の厚生年金保険(他に健康保険など)へ加入することになり、老後の公的年金を積み増すことができます。

公的年金制度では、この人たち会社員・公務員を第2号被保険者と区分しています。

対して、同じ非正規雇用でも、これら要件を満たさないと勤務先の厚生年金保険に加入できません。しかし、第2号に扶養されている配偶者(主に妻)であれば、第3号被保険者に区分され、本人が保険料を納めなくても厚生年金がもらえる決まりです。第2号にも、第3号にもなれない非正規雇用の人は第1号被保険者になり、自営・自由業者と同様に国民年金に加入することになります。

第2号は保険料の半分を会社が負担してくれ、本人負担分の保険料は給料から天引きしてくれるので納付漏れはありません。

一方、第1号は、国民年金の月1万6540円(2020年度)を自分で納めます。少ない給料の中からの負担はけっこうきついですよね。国民年金には、生活が苦しいときは保険料を免除してくれる制度があるのですが、手続きをせず、つい未納にしてしまうこともあるでしょう。


■これから厚生年金に加入できても、厳しい老後が待っていることには変わりない
国民年金は、20歳から60歳までの40年間、きちんと保険料を納めると、65歳から月約6万5000円(2020年度)の老齢基礎年金がもらえるようになります。保険料免除を受けたままだと、その期間分は減額されてしまいます。

特に、非正規雇用者がシングルのまま老後に突入すると、老齢基礎年金だけではとても暮らしていけません(そもそも、公的年金だけで老後の暮らしが成り立つような制度設計にはなっていないが)。つまり、非正規雇用の国民年金組は、下流老人予備軍なのです。

少子高齢化で公的年金の支え手が減り続けている昨今、支え手を増やすため、また、将来の低年金者・無年金者を減らすため、今後も社会保険の適用者を増やす政策が打たれていくと思います。しかし、これから厚生年金に加入できても、年金額が劇的に増えるわけではありません。厳しい老後が待っていることに変わりはないので、覚悟して備えたいものです。

(※)501人未満であっても労使合意に基づき申し出があれば要件として満たされる。また、この要件も含めて、非正規社員の厚生年金加入の要件がより緩和される法案審議が現在進んでいる。

※All About生命保険ガイド・小川千尋さんの記事を編集部が最新情報に加筆
(文:小川 千尋)

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