冷蔵や冷凍で長持ちする?「使いきれない調味料」の上手な保管法を管理栄養士に聞いてみたら…

冷蔵や冷凍で長持ちする?「使いきれない調味料」の上手な保管法を管理栄養士に聞いてみたら…

砂糖・塩・みそ・しょうゆ・本みりんなどの調味料から、食用油、バターやジャムなど、長期間使い切れないという方はいませんか?長期保存の可否や、風味を損なわず安全に楽しむ保存法をご紹介します。


■使いきれない調味料、上手な保存法は? 長期保存は可能か
巣ごもり生活が長引き、自炊が増えた人も多いかと思います。一方で、新しい料理に挑戦するたびに買い足していた調味料が余ってしまい、ストックが増えて困っている人もいるかもしれません。調味料は少量のものを購入しても、なかなか使い切れないもの。

基本的に、賞味期限が書かれていない調味料は長期保存が可能ですが、賞味期限が書かれているものは使い切る早さや保存に注意が必要です。開封前のものも、パッケージに書かれている保存方法で保存しましょう。主な調味料や加工食品の、上手な保存法と長持ちさせる方法のコツをご紹介します。


■砂糖・塩……腐らないが、湿気には注意
砂糖や塩などの賞味期限が書かれていない調味料は、基本的に長期保存が可能です。一方でパッケージに賞味期限が書かれているものは、劣化や腐敗に気を付けなくてはならない調味料です。パッケージが大きくなるほどに割安にはなりますが、開封後1カ月程度で食べきれる量を目安に購入しましょう。

ただし、砂糖や塩は湿気を吸ってしまうと固まってしまい、使いづらくなってしまいます。開封後は、1週間程度で使いきれる量だけを容器に取り分けてそこから使うようにして、残りは空気を抜いて密閉し、雑菌を付着させないように冷暗所(室温)で保存しましょう。


■みそ・しょうゆ……腐らないが、風味劣化防止に冷蔵・冷凍も可
みそやしょうゆは「発酵食品」です。どちらも雑菌が繁殖しない限り腐敗することはありません。それでも「賞味期限」が記載されているのは、「美味しく食べられる状態」である期間を示しています。

発酵が進みすぎてしまうと、かび臭くなってしまったり、表面に白い膜が張ってしまったりと味に悪影響が出てしまいます。これを防ぐために、冷蔵・冷凍保存をすることを推奨しているメーカーもあります。冷蔵・冷凍保存が可能であれば、冷蔵庫・冷凍庫に保存するとよいでしょう。


■日本酒・本みりん……室温保存で問題なし
日本酒や本みりんも賞味期限はありますが、いずれも発酵食品であり「アルコール」を含んでいますので、雑菌に触れない限りは、腐敗することはありません。本みりんのよいものが手に入った場合、未開封のまま自宅で熟成させると風味が変わって面白いとも言われています。

ただし、本みりんと同様に料理に使われる「みりん風調味料」は水あめや砂糖を加えて作られた調味料です。アルコール分も1%程度であり、本みりんのように熟成を楽しむことはできません。

みりんを使いたいけれど、すぐに使い切る自信がない場合は、購入価格は高くなってしまいますが小さなサイズの本みりんを購入し、アルコールが飛ばないように注意しながら、室温保存して使うのがよいかと思います。


■食用油・バター……油は冷暗所・バターは冷蔵保存が基本
食用油が酸化(劣化)する原因は、熱・空気(酸素)・光です。食用油は、未開封であっても置いておくだけで「酸化(劣化)」が進んでいきます。そのため、購入後、冷暗所に保存し、できるだけ早く消費したい調味料です。

冷蔵・冷凍保存をした場合、白く濁ってしまうことがあります。もちろん、品質に問題はなく、温めれば元の色に戻るのですが、初めて見るとビックリすると思いますので、室温の冷暗所で保存することをおすすめします。

また、バターは販売時から冷蔵保存です。常温保存では溶けてしまいますし、冷凍保存すると品質保証ができないとするメーカーもあります。バターは少量ずつ個包装になっている商品もあります。割高にはなってしまいますが、個包装の商品を冷蔵保存で使うのがよいでしょう。


■ジャム……日本の規格では腐ることもあるので注意
調味料ではありませんが、高濃度の砂糖を使った保存食であるジャムも、使い切れないという声を聞きます。

ジャムは、フルーツの持つ水分を砂糖が抱え込むよう加工されています。国際食品規格(CODEX)ではジャムの糖度は65%以上と規定されており、この基準を満たしていれば、雑菌は水分を取り込めず繁殖することができません。室温保存でもかなりの長期保存が可能です。

ただし、日本で販売されているジャムは日本農林規格(JAS)で糖度は40%以上と規定されています。日本では「甘さ控えめ」のジャムが好まれる傾向にあり、日本のジャムメーカー各社は企業努力によって「甘さ控えめ」で、日本人の味覚に合ったジャムを提供しています。

糖度が程度低いことで、雑菌が増えやすくもなります。そのため、ジャムを使う際には、ジャムに雑菌をつけないように注意する必要があります。

雑菌が付着しやすいタイミングは、使うときにスプーンなどで使う分だけを取り出す際です。これを防ぐためには、毎回、使い捨てのスプーンか、加熱殺菌などで消毒殺菌処理をした清潔なスプーンを使って、ジャムと雑菌を接触させないことです。

毎回スプーンを殺菌するのは面倒ですから、あらかじめ衛生的な容器に1回分ずつを個包装にしておきたいという意見もあるかもしれませんが、ジャムは各メーカーでしっかり殺菌した容器に封入されているため、自宅で詰め替えをすると雑菌に触れやすくなるためおすすめはしません。

保存場所は、雑菌さえ付着させなければ、基本的には室温で大丈夫です。冷蔵や冷凍をすれば、雑菌が好む条件からは遠くなりますが、雑菌の繁殖が止められるわけではありませんので、しっかり消毒殺菌処理した調理器具以外のものでジャムを扱ってしまった場合には、過信せず早めに食べきるようにしましょう。

一口に「調味料」と言っても適した保存方法がずいぶん異なりますね。上手に調味料を保存して、美味しい料理を作ってくださいね。

■参考サイト
・保存・賞味期限について(マルコメ)
・賞味期限についてのQ&A (キッコーマン)
・ちょっと知りたい「本みりん」の事 (島根県松江市 李白酒造)
・Q&A|お客様相談室(宝酒造株式会社)
・植物油の使い方と保存(一般社団法人 日本植物油協会)
・賞味期限・保存方法 FAQ(雪印メグミルク)
・フルーツジャムの不思議フルーツジャムの不思議(Dole)
・ジャムと砂糖のはなし(農畜産業振興機構)

▼平井 千里プロフィールメタボ研究を行いエビデンスに則ったダイエットを教える管理栄養士。小田原短期大学 食物栄養学科 准教授。女子栄養大学大学院(博士課程)修了。前職の病院での栄養科責任者、栄養相談業務の経験を活かし、現在は教壇に立つ傍ら、実践に即した栄養の基礎を発信している。
(文:平井 千里(管理栄養士))

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