「笑い」を取り入れたトレーニング 高齢者の健康増進に役立つ

「笑い」を取り入れたトレーニング 高齢者の健康増進に役立つ

健康な体は笑うことから?

高齢者用の身体トレーニングプログラムに「笑い」の要素を取り入れることで、メンタルヘルスや持久力を改善し、自立した日常生活への自信を高めることができるとする研究結果を、米ジョージア州立大学の研究者らが発表した。

研究者らは、「笑い」によって筋肉がより強化され、リラックスすることで疲労回復も高まるとした研究があることに注目。ハードなトレーニングをするわけではない高齢者でも、笑いを取り入れることで、何らかの健康上の利点があるのではないかと考え、今回の研究に取り組んだという。

実験は、4か所の介護付き住宅で生活する高齢者27人を対象に、筋力と身体バランス、柔軟性を鍛える中強度のトレーニングと、ジョークなどを交えて参加者を笑わせるようなイベントを組み合わせた、グループエクササイズプログラムを実施するというもの。

比較のために、通常のトレーニングのみを実施する高齢者も27人用意されている。プログラムは6週間、週に2回、1回45分。1回のプラグラムの中で、笑わせるイベントは30〜60秒の短いものを8〜10回おこなっており、その内容はジョークのほかに、参加者にわざと笑うように呼びかけている。

すべてのイベントはルーチン化されており、トレーニング前のウォームアップとして笑う、トレーニング後のクールダウンのために笑う、といったパターンを組み合わせた。

その結果、笑いを取り入れた高齢者のグループは、通常のトレーニンググループに比べ、筋力や持久力の改善はもちろん、「もっとさまざまな物事に、前向きに取り組んでみたい」といったメンタルヘルスの改善もみられ、「自分の力で生活することができる」という自信の向上も確認された。

プログラムに対する満足度調査でも、96.2%が「ただのトレーニングよりも、笑いがあるほうが楽しい」と回答し、88.9%が「笑いがあることでトレーニングに参加しやすい」、89%が「他の運動もやってみたい」とするなど、運動への意欲も高まっている。

研究者らは運動によって死亡率や冠動脈心疾患、高血圧、脳卒中、2型糖尿病、メタボリックシンドローム、骨粗しょう症、不安およびうつ病などのリスク低下も期待できるとし、「義務感からではなく、健康上の利点も得られる楽しい行為として、笑いを取り入れたトレーニングを推奨していきたい」とコメントしている。

発表は、2016年8月4日、米国老年学会誌「The Gerontologist」オンライン版に掲載された。

参考論文
Evaluation of a Laughter-based Exercise Program on Health and Self-efficacy for Exercise.
DOI: 10.1093/geront/gnw105 PMID:27492618

(Aging Style)

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